2010年07月01日

ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.124 “天樹”

 サイレン、週刊少年ジャンプ2010年30号収録分の感想です。

■ジャンプ本誌感想はこちら→前編後編

【コミック派ネタバレ注意!】





【感想小タイトル】
■天寿
■クサカベ計画



■天寿

 ついに、その長い生涯を終える時が来た、天樹院エルモア。
 回想で描かれるのは、キッズたちのまだ小さな頃、屈託なく雪遊びで笑う子供達。
 サイレンのルールで夫を殺されてから、エルモアにとってはこの子供達だけが生きがいだったのでしょうね。
 短いながらもその絆の強さ、あたたかさを想像させられる一場面でした。

 たくさんの人にかこまれ、愛され、惜しまれながら逝けるエルモア。
 その道半ば、戦いの中に子供達を残してゆくことになりつつも、エルモアの表情ははどこか晴れ晴れと。
 子供達の成長を信じ、この子たちならきっと大丈夫と、強く信じているからこその表情なのでしょう。
 世界の崩壊を予知し、それに対してこれまでできることはすべてやってきた。
 叩きこめることはすべて子供達に叩き込み、そして、それに対して子供達は期待以上に応えてくれた。
 そういう自信と信頼が、このエルモアと子供達の間にあるのでしょうね。

 そして、とても気になる最後の予知が。

『闇に浮かぶ無数の邪悪な“灯(ともしび)”

 禍禍しい意志を感じた……!!

 中に誰かがおる…

 あの“灯”を…消さねば……

 大…変なこ…とに……』


 おお〜、これはアゲハの言うように、天戯弥勒ではなく、あの 「ともし火」 の人の事なのではないでしょうか。
 いよいよ 「ともし火黒幕説」 の、形ある手がかり出現って感じでしょうかね〜。
 なかなかワクワクです。 

 ところで話は変わりますが、このエルモアの死で私がちょっと心配になるのは、まわりの一般人たちについてだったりします。
 エルモアウッズほどに信頼という心の結びつきはないであろう彼らにとって、エルモアという支えを失ったこれからは、かなりの不安があるのではないかなぁと。
 実質の指揮権は夜科朱鳥やエルモアウッズにあったのだろうと想像しますが、やはり天樹院エルモアが予知してくれるというのが、こういう避難生活においては一番の心のよりどころだったと思うのですよね〜。 
 そういった安心がなくなった今、彼ら一般人は一つにまとまることができるのか。
 ちょっと心配なところです。

 しかし、今こうやって死が描かれたエルモアも、現代に戻ればまだちゃんと生きているというのがタイムトラベルものの不思議さですねぇ。
 そして、歴史を変えればこういう悲しい死も、ちゃんと形を変える。
 まぁ、天寿ばかりはどうしようもありませんが、少なくともこういう形ではなくなるでしょう。
 もっと安らかに、心残すことなく逝けることもあるでしょう。
 いや、当たり前といえば当たり前なんですが。
 でもそう考えると、やはり時間空間が無限に広がり歴史が改変されてゆくこの世界において、人の人生とはなんとちっぽなものなのかと。
 神の気まぐれによって時にガラリと変わってしまうものなのかと、改めて愕然とする思いがします。

 まぁそれはそれとして、アゲハの胸に泣き崩れる雨宮さん! 最高ッス!!(←バカ) 



■クサカベ計画

 ということで、あらためてアゲハたちとクサカベさんチームが合流。情報交換。

 太陽光が当たった地域は汚染され、夜でもタヴーは入れない。
 しかしここは退去しておくのが賢明。
 ルートの人たちの転送作業は続行。
 すでに整備済みの米軍シェルターが確保してある。そこに移住と。

 そしてついに、クサカベさんの計画が明らかになりました。
 なるほど、クサカベさんのハッキング能力によってまずは神経制御塔を制圧。
 空を覆うウロボロスの膜を不安定化させ、タツオのバースト銃で破壊するというわけでしたか。
 今回のルート戦は、そのいい実戦テストになったわけですね〜。

 クサカベさんとタツオの目的は、胸にイルミナをねじ込んでくれた連中に一矢報いたいということでしたから、それでアストラルナーヴァをコテンパンにしてやろうという魂胆だったのでしょう。
 なるほど、そのクサカベさんたちが占拠する神経制御塔が攻められたらおしまいな不安定な作戦のようですが、たぶんそれでもクサカベさんは満足なのかもなぁと。
 たとえその身と引き換えにでも、刺し違えてでもナーヴァを滅ぼしてやる、くらいに考えているのかもですねぇ。

 しかしその作戦が、今回ルートやアゲハの事情とぴったり一致したと。
 アゲハは現代におけるワイズの居場所を探すため。
 エルモアウッズとしては、さらわれた人々を奪い返すため。
 三者の事情が綺麗に一致し、これにて共同戦線というわけですか。
 なかなか話が早い、綺麗な展開です。

 ところでさらりと言われた 「イルミナ動力の生体コンピューター」 とかいうセリフ。
 いやいや、そういうの凄く気になるんですけど(笑)。
 作品的には雰囲気出しのアイテム名に過ぎないのだろうなとは想像できるのですが、でもすごい気になりますわ〜。
 いったいどういう仕組みなんだろうって、SF心をくすぐられますよ。
 そもそも、イルミナっていったいなんなんだろうって根本の所もありますしね。


 そしてアゲハは、父・朱鳥に新技 『ノヴァ』 を教わりに。
 作戦決行は明日正午。
 それまでに、果たして身につけることができるのか? というところで待て次号。
 さぁ〜、アゲハ、今度はどんな成長をみせてくれるんでしょう。
 戦うたびにどんどん新しい力を身につける脅威の成長力ですからね。
 今度も驚きの力を手に入れてくれそうです。

 ところで、カブトの姿が見えないのですが……あれ、いずこ?



■ジャンプ本誌感想はこちら→前編後編



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■PSYREN‐サイレン‐の謎
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・PSYREN‐サイレン‐の謎 その07 「薄明るいサイレン世界の夜」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その06 「タツオの放浪期間」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その05 「現在と未来の同調性」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その04 「ゲーム主催者」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その03 「ニセ刑事の正体」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その02 「電話の声」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その01 「噂の発生源」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 【序文】



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posted by BOSS at 22:36| Comment(3) | TrackBack(0) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今週も頷きながら拝見しました。
生老病死、愛別離苦…岩代先生の作品は哲学に満ち溢れていますね。
涙無しには見られない一話でした。
SF、サスペンス、バトル、ラブストーリーも楽しめるって今更ながら凄いなぁ…とV
今後の展開も刮目ッ!です^^

BOSS様も雨宮さん→夜科に反応していらっしゃった!
うふふ!
Posted by 如月宵姫 at 2010年07月02日 02:21
エルモアの最期のシーンにこっちももらい泣きでした。
それ以上にアゲハの冷たい表情に心底ゾッと
したのは私だけでしょうか。

力を得るのはいいんですが、朧みたいに
歪んでしまわないか心配です。

ある意味、今のルフィよりヤバイと思います。彼は。
Posted by かな2 at 2010年07月02日 20:06
>如月宵姫さん

 ほんと表現世界が深く広い、味わいのある作品です。
 SFもサスペンスもバトルもラブも、どれも好きな私には最高でありますよ。

>BOSS様も雨宮さん→夜科に反応していらっしゃった!

 当然っ!(笑)
 そして最新12巻の表紙に狂喜乱舞なのであります。


>かな2さん

 アゲハは最近ちょっと自分を追い込みすぎるというか、破裂しそうなほど限界まで自分になにもかも詰め込もうとしているというか、そんな感じがします。
 いや、だからこそ私はそういうムチャクチャに頑張るアゲハが大好きなんですよね〜。
 その動機は、大好きな人たちを救いたいっていう、そのためなんですもの。

 私は、アゲハは歪む心配は今はないとは思うのですが、破裂する心配はありそうだなぁと心配してますね〜。
 もし、雨宮さんを失ったと『思ってしまう場面』に出会ってしまったら、どうなってしまうんだろう、とか……。
 その時こそなにか爆発してはいけないものが爆発してしまうような、そんな気がしちゃうんですよ〜。
 や〜、怖い主人公もあったものです。
Posted by BOSS at 2010年07月04日 20:39
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