2010年06月29日

ONE PIECE(ワンピース)感想 第589話 “風雲の志”

 週刊少年ジャンプ2010年30号掲載分の感想です。

■ジャンプ本誌の感想はこちら→前編

【コミック派ネタバレ注意!】





【感想小タイトル】
■それぞれの決意
■海賊王におれはなる!!
■弱いっ!!!!



■それぞれの決意

 サボの死というショックから立ち直るため、それぞれ胸に大きな決意を抱くエースとルフィ。
 ルフィは、何も失わないため、もっともっと強くなりたいという決意を。
 これは、ルフィが青キジに敗北した後、ギアを身につけた時と同じ決意ですね〜。
 なるほど、この時からルフィの生き様はまったくブレず、変わっていなかったんですね。
 その思い一本槍に、一途に、ガムシャラに突き進んできたのでしょう。
 そう思うと、ルフィのいじらしさといいますか、切なさのようなものに胸が熱くなります。
 これがルフィの誕生エピソードだったんだなぁと。

 そしてエースは、サボの分も 「絶対に“くい”のないように生きる」 と決意。
 いや凄い。
 まだ 10 歳の子供が、こんなにたくましく立ち直れるものでしょうか。
 さすがエースよと、そのタフさ、心の健やかな強さに感動してしまいます。
 そして、頭が悪いといいながら、よく分かっているじゃないですか。
 サボを殺したのは、『自由とは反対の何か』
 まさに、そうですものね〜。
 エースは馬鹿どころじゃない。ものすごく頭がいいですよ。

 しかしそのエースのまっすぐさこそが、後にある意味、エースの命を奪うことになるわけで。
 白ひげの制止も聞かず、黒ひげを追ったり、白ひげを悪し様にいう事を許さず、赤犬に立ち向かってしまったり。
 でもそれこそがエースであったわけなんですよね。
 なんとも切ない話です。
 でも、こうやって過去編を一通り読んでゆくと、エースはやっぱり“くい”はなかったんだろうなぁとも思えてくるんですよね。
 きっと最後は弟、ルフィの未来を信じて逝ったのでしょうし。
 うむ、無念でないといったらウソになるでしょうけど、でも、救いはあったんじゃないかなぁと。
 エースの魂が、安らかでありますように。



■海賊王におれはなる!!

 おお、サボの生存フラグが立ちました!
 おーよかった。
 どうやらこれは、革命軍に入隊の流れでしょうか?
 バルティゴという地で、成長したサボが待っているのかも。
 これはいよいよ革命軍の本格登場が楽しみになってまいりました。
 あ、もしかしてロビンを助けた人たちの中にいたり?
 うーん、どうなんでしょう。

 それはそうと、くいなとゾロのシルエットだけで、なにやらちょっと切なくなってしまいました。
 ゾロ、頑張れ!

 そして月日は流れゆく。
 エースに礼儀作法を教えたのは、なるほど、マキノさんだったんですね。
 食い逃げしても礼儀正しく挨拶って(笑)。
 ここでルフィもお辞儀してるって事は、ルフィも一緒に習ってたんですね〜。
 たしかに、ルフィもたま〜に、妙に礼儀正しくしようとしている時がありますけど、でも現在ほとんど身についてないですよね(笑)。頑張りはわかるって感じなんですけど。

 エース、出航の日。
 ダダンへの伝言が泣ける。
 あのエースが 「世話んなった ありがとう」 だなんて。
 ダダンがボロボロ泣いちゃうのもわかりますよ(笑)。
 あ〜、ダダンもあったかい、いい人だなぁ〜。

 そして、それを追うこと3年。ルフィついに出航の日!

「ダダン!!

 おれ山賊嫌いだけどよ!!

 お前らは好きだ!!」


 これにもダダン号泣(笑)。
 ああもう、ちくしょう、こっちまでもらい泣きしちゃいそうじゃないですか!
 ワンピ名物、旅立ちの涙。
 こういうところは昔から変わってないなぁ〜。
 サンジの旅立ちの 「クソお世話になりました!」 しかり。チョッパーの 「行っておいで、馬鹿息子」 しかり。
 やっぱりルフィにもこういう涙のシーンがあったんですね〜。

 でも、他の仲間に比べると、とても明るく、あっけらかんと。
 しかしそれは表だけで、過去には痛ましい喪失と、胸には熱い決意が秘められている。
 亡き友への誓いと、先へ行った兄への思い。
 うーん、素晴らしい。
 あの素晴らしい第一話が、まったく違った角度から意味深いものとして蘇りました。
 そうか、あのルフィのあっけらかんとした笑顔の奥には、こんな硬い決意が隠されてたのだなぁ〜と。

「海賊王に おれはなる!!!!」

 この名ゼリフが、まったく違った意味のように強烈に響いてきます。
 そうか、ルフィにとっての海賊王とは、何者にも大切な仲間を奪われない、「自由の象徴」 だったのだなぁと。
 そうでしたね。
 シルバーズ・レイリーにルフィは言いました。
 おれは支配なんかしねえと。
 海で一番自由なのが、海賊王なんだと。
 ああ、なるほど、そういう意味だったのかぁ〜と、初めてその本当の意味が分かりました。
 ズーンと、ルフィの言葉の重みが分かりましたよ。

 

■弱いっ!!!!

 その、言葉の意味が分かった瞬間、場面は現代へと。
 私の脳裏には、この瞬間、これまでの激闘がフラッシュバックしてきました。
 麦わら一味の崩壊。
 エースの死……。
 何も守れていない……!

「何が…海賊王だ・・・!!!

 おれは!!!!

 弱いっ!!!!」


 慟哭!
 まさに悲痛!
 過去編の、希望に満ちた熱い決意の出航からこの場面へ移る対比が強烈過ぎる。
 あまりにも衝撃的すぎます。
 そしてあまりにも、酷すぎる。

 これまでの悲劇の嵐は、まるで、ルフィの人生の歩みを、全否定するような出来事だったんじゃないですか。
 自由を求め、強さを求め、海賊王をめざしてきたくせに、いったいおれは何をやってたんだと。
 強いどころか、何の役にも立たなかったじゃないかと。
 仲間達を失い、ついには大切なふたりめの兄まで失ってしまったではないかと……。

 いったいこのルフィは、どうやって立ち直ったらいいんでしょう。
 何か希望はないのでしょうか。
 私達は読者ですから、仲間達がいまどこにいて、何をやっているかを知っていますし、サボがもしかすると生きていて、ひょっとすると革命軍に身を投じているかもしれないことまで知っています。
 ですが、ルフィにしてみたら、いったいなにが希望として残されているのでしょう。
 これは本当に辛い。

 一味崩壊というかつてない大事件に続き、インペルダウン大脱獄という奇跡、そして何より、大戦争編という歴史的戦いを経て、今度はルフィに、かつてない試練が訪れてしまいました。
 もしかすると、ルフィの人生最大の試練なのかもしれません。
 ここからどうやってルフィは立ち直るのか。
 自力でやってのけるのか。
 それとも、ジンベエさんが助けてくれるのか。
 はたまた、まったく別の何かが作用するのか。
 ともかく、ルフィの受けたショックと言うのもはばかれるようなこの衝撃の深さに、こちらもズーンと突き落とされたような気分です。
 いや〜、なんという試練なんでしょうね〜。



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posted by BOSS at 22:02| Comment(3) | TrackBack(0) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>もしかしてロビンを助けた人たちの中にいたり?
うわ、コミックスの扉絵連載見返したら、サボっぽい人がいる!
管理人さん、鋭いですねー。
ここ読むまで思いつかなかった・・・。
Posted by mano at 2010年06月30日 00:13
ここのところの展開は重いですね。
ここからルフィはエースの死をどう乗り越えるのか、怖いですけど楽しみです。(鬼か)

サボが生存してるのがせめてもの救いでしょうか。ドラゴンに救われたけどショックで記憶喪失だったりするのでしょうかね。

スリラーバークでくまがナミに「ルフィに兄がいるのは本当か?」
ってきいてましたけどあれはエースじゃなくてサボのことだったんじゃないかなと思ってます。くま死んじゃったから確かめようが
ないですけどね。


追伸
ウィキにのってましたが、子供時代のエースは阪口大輔さんが演じるみたいですね。

「銀魂の新八かよ?!」とつっこんでしまいました(笑)

どんなエースを演じてくれるのか楽しみです。
Posted by かな2 at 2010年07月02日 20:23
>manoさん

 ちょいと確認する時間がなかったのでコミックス見ずに書いた感想だったのですが、うーむ、これは……と思わされる絵ですね〜。
 真相やいかに。


>かな2さん

 サボが生きているとして、なぜルフィたちに会いにこようとしなかったのか、そういったところは謎になっちゃいますね。
 なんらかの、のっぴきならない事情があったのか。

>スリラーバークでくまがナミに「ルフィに兄がいるのは本当か?」
>エースじゃなくてサボ

 ほっほーう、そういう可能性も出てきましたか。あとでちょっと私もチェキッてみましょう。

>阪口大輔さん

 おお、坂口さんと言うとわたしはVガンダムの主人公ウッソ・エヴィンくんなのですが、新八にしても、どちらにしろちょっと非力な感じのする少年ってイメージですね。
 子供エースをどう演じるのか、声優さんの技の幅ってやつを聞かせてくれそうですね。
Posted by BOSS at 2010年07月04日 20:29
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