2010年03月19日

漫画感想 『岸辺露伴 ルーヴルへ行く 前編』

 4月号のウルトラジャンプはジョジョ通算100巻記念号!
 スティール・ボール・ランの掲載はもちろん、プレゼント企画や100.5巻のオマケ本(たくさんの漫画家先生たちによる祝辞本)がつき、さらに驚きの企画が!
 荒木飛呂彦×ルーヴル美術館共同プロジェクト作品 『岸辺露伴 ルーヴルへ行く』が掲載!!
 荒木先生がルーヴル美術館の企画展のために描き下ろした、123ページにもわたるフルカラー漫画を、3回に分け、ついに日本公開!
 あの岸辺露伴が、ルーヴル美術館に赴き、世界で最も“黒い絵”に出会う!





 ルーヴルに何か寄贈したらしいとは噂で聞いてはいましたが、まさかこんなしっかりした漫画だったとは!
 イラスト数点くらいだろうと勝手に思っておりました。
 それでも凄いよな〜と思うんですが、まさか漫画そのままって!
 今、荒木先生は世界のルーヴルで漫画を披露するという、歴史に名を刻む漫画家の域に達しちゃったのですね〜。
 うーん、同じ日本人として、長年荒木先生のお仕事をずっと追ってきた者として、とっても誇らしい思いでいっぱいです。

 しかもこれ、全ページカラーですよ!
 フルカラーですよ!
 SBRを連載しながら、いったいいつそんなに描くヒマがあったんですかと(笑)。
 いや、去年はちょっと休載したタイミングがあったと思うんですが、その間に 123 ページフルカラーって、ちょっと素人考えでもムリじゃろーって思っちゃいますよね〜。
 やっぱり、シャーッて筆を5本くらい走らせると効果線が一気にできあがるとか、そういうことなんでありましょうか(笑)。

 そして、主人公は当然のごとくあの男・岸辺露伴!
 荒木先生、以前ご自分でもおっしゃってましたが、やっぱり露伴のことが大好きなんですね〜。
 というか、もうほとんど荒木先生の分身としてしか見えません(笑)。
 いや、ご自分では否定されてましたけど、この奇人ぶりというか天才ぶりというか、人に媚びずわが道を突っ走る、静かながらも力強いアイデンティティーは、荒木先生その人をどうしても連想してしまいます。

 これで、露伴ものの短編は3本目になるでしょうか(『岸辺露伴は動かない』、『岸辺露伴は動かない−六壁坂−』と今回)。
 今回のルーヴル編はしっかりフルカラーで単行本化されるそうですが、これと合わせて、前記二編も収録して 『露伴本完全版』 を作って欲しいですね〜。


 さて、本編ですが、今回は露伴がルーヴルに眠るという、ある絵を探しに出発するまで。
 そこまでのいきさつが描かれました。
 しかし、冒頭から 「4人の行方不明者」 が出ていると事件の 「結末」 が先に示されて、妙に引き込む力を感じます。
 行方不明になったのが、おそらく露伴の通訳であった日本人と、消防士2人、そしてルーヴル美術館の責任者。
 通訳はおそらく露伴に近かったからやられたんでしょうね。
 気になるのは消防士2人というところですが、まさかルーヴルで火事が?
 だとしたらそれは物凄い大問題になりそうですが、そうではないんでしょうか。
 しょっぱなから謎めいています。

 そして、物語は一度10年前にさかのぼり、露伴青春時代、漫画家としてデビューする寸前の学生時代に。
 露伴少年と呼ぶべきでしょうか。
 学生時代の、まだどことなくういういしさの残っているのが可愛げがあっていいじゃないですか(笑)。

 その露伴少年が出会ったのが、離婚したてだか、男ともめているんだか分からない、謎の若い女性。
 藤倉奈々瀬
 健康的なサバサバした感じの女性のようですが、どこか肉感的というか、強く“女”を感じさせます。
 それは、露伴少年の目から見た印象が強く反映されているからでしょうかね。
 風呂場で着替えにバッタリとか、まさか荒木漫画で見ることになるとは思いもしませんでしたが(笑)。
 そんなサービスもあったり、洗濯物を干す彼女の首筋を伝う汗が異様に色っぽかったり。
 浴衣姿の襟元を上から覗き込む角度とか、これは狙ってやってるとしか思えませんねー。
 露伴君、青春よの〜うと(笑)。
 今のクールな彼とは似ても似つかない。
 そんな青春真っ盛りな感じがとてもいい。
 いたってクールにすましていても、どこか今ほどドンと構えられていないんですよね。

 と、ふと思い出しましたが、露伴先生にもかなわない相手、近所のお姉さんで、幽霊になっちゃった杉本鈴美さんがいましたっけね。
 ああ、そうか。
 露伴先生にはやっぱりお姉さん属性があったんですな(笑)。
 綺麗なお姉さんは好きですか?


 そして、ミステリアスなこの女性と関わるうちに、聞かされる“黒い絵”の物語。
 この世で最も黒い 「漆黒の色」 を発見した300年前の絵描き、山村仁左右衛門
 しかしそれが、法令で守られた樹齢一千年の老木を切り倒して採ったものだったため、仁左右衛門は処刑され、彼が描いた絵もすべて焼き捨てられてしまったという。
 ところが、そのなかで唯一隠し通された絵が、奈々瀬の蔵から発見され、今はルーヴル美術館に所蔵されていると……。

 謎めいた塗料発見エピソードといい、仁左右衛門という男の不思議さといい、なにやら事件を匂わせますね〜。
 また、“最も黒い”ということは、“最も邪悪”ということらしいという不気味なほのめかし。
 いったい、どんな絵なんだろうって、露伴ならずとも興味を持ってしまいます。

 そしてまた、さらに興味深い、奈々瀬という女性自身の不審な行動。
 意味不明な涙、言動、激情……そして失踪。
 ふりまわされまくる露伴少年。
 思わず愛の告白じみたことまで言ってしまったのは驚きでしたね。
 しかしそれも、奈々瀬の意味不明な行動にかき消されてしまう。
 そして失踪。
 何かが起こっている。
 いや、何かが起きた?
 でも、それがなんだかさっぱりわからない。
 そんなモヤモヤが発生して、しこりのように残ってゆくような。
 それが10年前の話で、露伴はそれを今日の今日まですっかり忘れていたと。
 うーん、気になる。


 ここで、露伴にその絵を思い出させるきっかけとなったのが、億泰ってのがいいですね〜。
 あいかわらず露伴とかみ合わない会話がすこぶる懐かしい(笑)。
 また、モナリザのモノマネをしているつもりの億泰の表情が、妙におかしくて笑えます。

 しかし、そんな億泰の言葉が、10年ぶりに露伴にルーヴルの黒い絵を思い出させたと。
 物語は、猛烈なスピードでパリ、ルーヴルへ。
 このスピード展開の演出がかっこいいですね〜。
 エッフェル塔の向こうに飛行機が飛んでいると思ったら、それは露伴が持っていた絵葉書。
 露伴が振り向くと、そこはもうルーヴル美術館。
 ひさびさにかます、ジョジョ立ちドーン!(笑)
 さぁ、姉さん、事件です!
 次回が嫌でも楽しみになる、あいかわらずな荒木節満載のストーリーテリング。
 いや〜これは面白いですな〜。
 荒木先生、ノリノリでお仕事されてるのがよくわかります。

 しかし、これをパリ人はじめ、ルーヴルを訪れた世界中の人が目にしたわけですか。
 なんか想像すると、ゾクゾクしてきちゃいますね〜。
 どんな感想をもたれたのか、ちょっとこれは聞いてみたい。



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