■前半の感想はこちら。
後半の感想は、
・バクマン
・いぬまる
・トリコ
・銀魂
・ヘタッピ
・H×H
・賢犬
の7本でお送りいたします。
バクマン。
山久・静河コンビが熱い!
ひきこもりの壁を懸命に越えてネームを見てくださいとお願いする静河流に、後ろを向いて涙を流し、喜ぶ山久さん。
いやこれ感動よ。
これまでジリジリと続けられてきたガマン比べが一気に瓦解して、熱い師弟コンビが結束されたかのようです。
いや、まだまだなんでしょうけど、これはキタぞと手ごたえを感じさせてくれるのに十分なドラマでした。
うーん、なんか一気に強敵出現って感じですねー。
もしこのままタントが終了となったら、次の作品の強力なライバルとなるに違いありませんね〜。
一方、服部さんの攻勢は勢いを増すばかり。
ついにシュージンの結婚式の挨拶まで利用して、亜城木コンビを焚きつける(笑)。
この手段を選ばない大胆さが服部さん。
ある意味サイコーのガムシャラさと似ている気もするのですが、そこは大人だけあって年季が違う。脂の乗りが違う。
いや〜服部さんマジでかっこいい。
しかし、岩瀬さんのほうはどうしたんでしょう。
あれから放置かな?
放置されたらされたで、岩瀬さんの内燃機関がどんどん熱量を上げていってしまうような気もするのですが(笑)。
それはさておき、ついに爆発のサイコー。
場所柄もわきまえず大声をあげましたが、こんなような事になると読んでいたのか亜豆。
事前に見吉あらため高木香耶に話を通しておいたようですね。
女性チームの連携が上手い事はたらいて、なんだか香耶さん一気に頼りになる奥さんになった感じ。
いや〜心強い。
知らぬはシュージンただひとりか(笑)。
そしてついに、服部さんの口から 「面白くない」 の決定的な一言が。
これは痛快きわまりない。
閉塞していた空間に、でっかい風穴が開いた心地です。
才能を期待すればこその、厳しい言葉。
さぁこの激励が、サイコーにどう響いたか。
新妻エイジにテレビで大々的にライバル指名させ、そしてこの服部さんの言葉。
ここまでされて、サイコーはどうするのか。
事前に服部さんが、やめた場合のリスクをちゃんと説明しているのがまた効いてますね〜。
そういうことにもちゃ〜んと配慮しろよと言うことですよね。
ほんと、やることにソツがないよ服部さん。
山久さんもそうですが、プロフェッショナルな仕事ぶりと、漫画にかけた情熱に惚れ惚れさせられる、そういう回でした。
仕事に賭ける男はカッコイイ!
いぬまるだしっ
なんという!
たまこ先生がモテる回だと!?
たまこ先生の唇はやらーーーん!!!
トリコ
なるほど!
嗅覚に優れているトリコだからこそフィトンチッドを生み出す形でグルメ細胞が働いたというのは納得ですし、また、そのために本能が働いて、ここ最近のトリコの優しさ表現や怒り表現であったのかと、凄く腑に落ちました。
しかし、トミーロッドの 「本当の顔」 のなんと凶暴なことか!
何重もに折り重なる鋭利なキバは、まさにサメのそれですね〜。
そしてそのキバで、なんとトリコの体を食い千切る!!
肩の肉をえぐられるくらいなら、おほほ、ブロッケンJr.じゃの〜ってな感じで幾分余裕があったのですが、小指が欠け、左手が消滅し、さらには爆破で左腕全てを失うトリコ!
今のジャンプで稀に見る人体破壊描写に、ひっさびさに戦慄するものがありました。
しかもトリコ、まったく戦意を失わない。
腕を跡形も無くしながら、なおトミーの顔面に13連釘パンチ!!
自慢のキバを打ち砕く!!
そのトミーも物凄い。
13連の衝撃を受けながら、その衝撃を利用するかのように、トリコの腕を持って竜巻のような豪快な投げ!!
まさに壮絶!!
死力を尽くした戦い!!
これはもう、スゲー!としか言いようがない大迫力です。
しかし、もしトリコがアニメになったら、今週のような残酷描写はどんなんなっちゃうんでしょうかね〜。
日本はまだしも、特にアメリカでどう修正されるのやらと(笑)。
ワンピの驚きの修正具合を見ちゃうと、そのへんがとっても気になっちゃって、一人で笑っておりました。
銀魂
お登勢さんが死んだ!!
衝撃!!
最近ジャンプでは高齢キャラが次々と死んでますが、まさか銀魂でまで!
いや〜、今回のシリーズはあんなお花畑娘から始まったもんだから、まさかこんなドシリアスになろうとは、夢にも思っておりませんでした。
完全に不意をつかれましたね〜。
というか、主要キャラがこうもアッサリ死のうとは。
もしかして、銀魂もそろそろ終了が近いのでしょうか?
それにしても、銀さんの怒り顔のなんと凄まじいことか。
これが白夜叉の真の姿なのでしょうか。
そして、最後倒れ伏し、涙に濡れる銀さんのなんと痛々しいことか。
ヘタッピマンガ研究所R
今回のヘタッピ漫画研究所はとにかくためになることばかり。
終始うんうん唸りずくでした。
「面白くない映画を沢山観ろ」
というのは凄いですね〜。
今後一切没入して楽しむことはできないぞという覚悟が凄いじゃないですか。
それはつまり、娯楽の消費者であることから決別するということですよ。
今後自分は娯楽の生産者として生きるのだという、強烈な覚悟がないとできないことですよ。
職人のストイックさですね〜。
作者の人柄が出るというのは、いろんな人が言うことですね。
江川達也先生は、その作者とは反対の性質をもった作品になると作品中で言ってましたが、要するに、その作者の人柄の縦軸に沿った形になるという意味では、結局同じことなのかもしれません。
それがプラスと出るか、マイナスとでるかの違いにしか過ぎないわけで、まったく違う方向性には、なかなかならないってことですからね。
魅力的なキャラを描くには魅力的な自分になればいいということではなく、自分自身とよく向き合うということだと私は思います。
自分を偽って漫画を描いても、漫画は正直にその人柄を表す鏡になってしまう。
自分の美点、欠点、興味のあること、感じていること、夢、挫折、特技、仕事、コンプレックスなどなど。
いろんなものと向き合って、それをキャラやドラマに活かせと言う事ではないでしょうか。
ハンターの会話を漫才形式で考えているというのは興味深いお話ですねー。
キャラクターと相談しながらどうするか、決めてゆくというのも実に面白い。
めちゃくちゃ参考になります。
よく、キャラが立ってくると勝手に歩き始めるとか、動き始めてくれると言いますが、そうそう簡単にできるものじゃありません。
その前には、血のにじむようなそういう作業、地道な積み重ねが必要なんですね〜。
キャラと相談し、妥協せず、ムリであれば展開を捨てるのも厭わない。
だからこそ、ハンターはこれだけ緊迫感に満ち溢れ、血肉の通ったキャラのドラマにハラハラドキドキし、その魅力にひきつけられるのでしょう。
遅筆な冨樫先生の秘密の片鱗をかいま見た気がいたします。
ほんと、妥協しそうにないですもんねー。
さて、次はいったいどの先生が登場するんでしょうかね〜。
HUNTER×HUNTER
そしてその直後に始まるハンターハンター。
ちょっとハードル上がるんじゃない?なんて思った私が愚かでした。
なんかもう面白すぎる!!
つか、冨樫先生の裏話を聞いた後だと、余計に面白いから不思議です。
その上手さを、改めて思い知らされました。
主人公側が行うとは思えないような人質作戦。
そして主人公らしく仲間と同行しないのは、敵の人質作戦を回避するため。
綿密に考えられた、これしかないと言える様な最善の一手。
そしてお互いが今できる最高の選択肢を選択してゆく賢明さ。
善や悪という、俗世の価値観を超えたところで繰り広げられる、究極の選択というにふさわしい迫力です。
ゴンが言う、ピトーを 「信じる」 という言葉は、「信頼」 できるという意味ではなく、ピトーのこれまでの行動からいって、絶対にゴンの予想通りに動くという 「確信」 なのですよね。
いざそうなったら迷うことなくコムギを殺す覚悟はできているでしょうが、ゴンには、毛ひとすじほどもコムギを傷つける考えはない。
なぜなら、ピトーが絶対にそうすると 「知っている」 ように 「確信」 しているから。
かけらもハートフルな話じゃなくって、そこまで追い詰め、読み切ったというシビアな確信。
いや〜すごい。
ハンターはやはり凄いと唸らされる、胃の痛くなるような緊迫の駆け引きですわ。
このゴンの凄み、ギリギリのところでピトーを追い詰めてゆく勝負しっぷりには惚れ惚れいたします。
まさに、主人公がすべての上を越えてゆく、って感じですよ。
あの、「なぜだーー!」 の怒り大爆発からは想像もつかない冷静かつ冷徹な駆け引き。
この一時間弱、ゴンはあらゆる事態を想定し、死に物狂いで考えに考えて抜いていたのでしょうねー。
さぁ、これでカイトは復活するのでしょうか。
やっぱりハンターは容赦ないほど面白い!
賢い犬リリエンタール
あっはっはっは。
ついに紳士ウィルバー&ローライズ・ロンリー・ロン毛、名実ともに仲間になっちゃいましたか(笑)。
というか、居候?
他人事の気安さでゆきちゃんが嬉しそうに部屋作りに協力しているあたりがなんとも微笑ましく楽しめました。
ゆきちゃん、相変わらずいいキャラしておる。
それはそうと、ついにてつこ、全裸まで披露とは。
11歳にして恐ろしい子(笑)。
つか、葦原先生ってば都条例にケンカ売ってます?(爆)
まさかリリエンタールがここでお色気路線に転進とも思えませんしねー(笑)。
しかしウィルバーさん……あのてつこに攻撃されながら、
「はっはっはっ
本当に死んでしまいますな」
って(爆)。
その徹底した紳士道ぶりに脱帽です。
さて、次なるエピソードは、おお! ライトニング光彦再登場!!
待ってましたぞー!
今度はそっちの世界に足を踏み入れ、魔女カナリーナに会いにゆくお話ですか!
光彦のキャラクターも大好きなのですが、そのライトニング光彦に恋をしているからこそ、ちょっかいを出し続けているという魔女カナリーナ。
そんなキャラ情報がコミックスに書かれておりました。
これはラブコメの予感?(笑)
すっごい楽しみです!
まとめて
なんだか最近のジャンプは往年の時代を思わせる壮絶さですねー。
ネテロ会長と白ひげが死に、山本総隊長が自爆攻撃をしかけ、トリコは腕を失い、そして今度は意外な伏兵、お登勢さんが斬られる。
PTAが見たら眉をひそめまくっちゃいそうな内容ですが、でもこの“犠牲”が描かれるからこそ戦いに緊張感が生まれ、主人公の勇気や、守らねばならないもの、正義の価値が引き立つのですものね。
王道復古を思わせるこの流れ、私は大賛成です。
さて、来週は、というか、次は土曜発売ですねー。
忘れないようにしないと。
■前半の感想はこちら。
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理屈はもちろんですが
やっぱり勢いのある絵で説得力を持たせなけりゃ
前身がギャグ漫画家だったもんで
しまぶーの絵についてはあんま評価されてるとこ見ませんが
ジャンプ漫画の遺伝子を組む正当作家だと思えます
ぬら孫のバトルなんかも一枚絵の美麗さも
いいんですが
こういう要素に取り組んでいってほしいですね
すみませんHUNTER×HUNTERファンとして黙っていられなくてコメントしちゃいました。
四ッ谷先輩には、クレームが来てしまったようです。
次号の巻末コメントで、
13号、四谷先輩の怪談についてのお詫び
四肢障害の方およびご家族に対して配慮に欠ける表現がありました云々
のお詫びコメントが掲載されるそうです。
(ネタバレだと思ったらコメント消しちゃって下さい)
まさにベストバウトでしたねー!
熱く、かつ理にかなっている。
理にかなっているところがまた熱い。
そしてそれらを支える絵の迫力。
渾身のベストバウトという凄みを感じます。
ぬら孫の椎橋先生は、一枚絵の美しさ、迫力、オーラ的なものはズバ抜けているのですが、アクション描写はまだまだだよなぁと私も思います。
また、妖怪という性質上、理論立てたバトル、説得力のあるバトルにはしにくいのが難しいところ。
畏れやハツ、ヒョウイといった独自の理論を持ってきたのは、その対策かもしれませんね。
大好きな作品だけに、いろいろと挑戦して盛り上げていって欲しいと思います。
>ハンターさん
誤植発見ありがとうございます。
お詫びして訂正させていただきます。
>13号さん
クレーム本文を読んだわけではないのでなんとお答えしたらいいのかわかりませんが、作品自体にはなんの問題も無かったと思いましたがねぇ。
作品の描いていこうとしたものにクレームがきたわけではなく、表現の一部に問題があった程度のトラブルだったのではないでしょうか。
しかしまぁ、こういうことを教訓としつつも、萎縮なんかせずにどんどん怖い都市伝説を描いていって欲しいものです。
本家四谷怪談を見て、顔に障害のある人がクレームを寄せたというような話は、寡聞ながら聞いたことがありませんし。