今や、本国アメリカではシーズン4が放送中という、マシ・オカの 「ヤッター!」 でおそらくほとんどの人は聞いたことがあると思われるドラマ、『HEROES/ヒーローズ』。
とりあえずシーズン1(全23話)を観終わったのですが、いや〜面白いのなんの!
一応、感想は肝心な部分をネタバレしないように書いています。
コメントをいただける場合は、特にラストのネタバレについては回避にご協力をお願いいたします。
各地で、特殊な能力を持つ者たちが、互いに数奇な運命に引き寄せられ、世界を救うために集まってゆく物語。
数週間後にニューヨークで大爆発が起こり、“世界が終わる”と予知してしまった者達が、それぞれが抱えた問題と格闘しつつ、悩み、互いにすれ違い、関わりあいながら――時に敵対しながら――運命のその日へと近づいてゆく。
その時、彼らが与えられた役割とは。
ニューヨークを爆破する犯人とは。
どうやったらそれを止める事ができるのか。
そういったミステリーと平行して、“サイラー”と呼ばれる、能力者を殺してその力を奪うサイコキラーとの戦いも、徐々に激しさを増してゆく。
とまぁ一応前置きとして大筋をご紹介してみましたが、私が説明するまでもなかったようなきもします。
私も友人の Wao から何度も観ろ観ろと勧められまして、でもまぁ、大体どんな作品か観なくてもわかるしな〜みたいなヘンな余裕もどこかにありまして、今まで後回しにしていたのでした。
しかしこれが、観てみれば深い深い。
実にエンターテインメントしていながら、とても深い感動と、人生への教えを示してくれる作品ではないですか。
作品の基本構成は、『24 -TWENTY FOUR-』 で有名になった、次々と視点を入れ替えて、平行していくつもの物語を同時に描いてゆく手法。
ヒーローズではこれをとことんまで追究して、およそ6〜7の主人公が常に入れかわり立ちかわりドラマを牽引していきます。
序盤はこれがちょっと足かせになる人もいるかもしれませんね。
一人のキャラクターにじっくり腰を落ち着けて観て行きたいタイプの人は、次々変わる場面と現れる人物達についてゆけなくなってしまうかもしれません。
反面、このタイプに抵抗の無い人の場合には、どこかがドラマの平坦部分でも、かならずどこかのシーンはクライマックスがやってくるというところが大きなポイントになるはずです。
そして、気になるところでまた別のシーンにカメラが行っちゃうので、またまた気になって続きを観ちゃう。
どこかのパートで好きな登場人物ができたら、その人が出てくるのが楽しみで次々観ちゃうという効果ももちろんあるでしょう。
そして、中盤からどんどんワクワクさせてくれるのが、その人物達のドラマが、次第に接点を持ち始め、時にニアミスし、時に敵対するような出会いをしたり、そして時に強烈な化学反応を起こしたりし始めるあたりですね。
ここからはもう、たまらない面白さ。
私はこのへんで後へ引けなくなりました(笑)。
ほぼ毎回どこかとどこかが接点を持ち、新たな関係が結ばれる。
最後は 「ニューヨークの大爆発」 につながることは最初から分かっていても、ではこの関係がどうそこへ影響を及ぼすのか、意味を持ってくるのか、そういうところはまったく見当もつかない。
おいおい、こいつらが出会ったらどうなっちゃうの?
おお、もしかしてこいつと知り合っちゃえばこの悩み一挙解決じゃない?
早く出会ってくれよ、もー、焦らさないでくれよ〜と。
そんな感じでどんどんのめり込んでしまいました。
中盤のクライマックスは、「チアガールを救え」 ですね。
再生能力を持つチアガール、クレア(ヘイデン・パネッティーア)の死は、中盤の運命の大きなターニングポイントです。
これをいかに救い、歴史の流れを変えるのか。
このあたりで急激に登場人物も関係が重層構造となりはじめ、面白さもひとつのクライマックスを迎えます。
この辺まで見たら、あとはもうノンストップですねー。
終盤の話は、具体的な触れ方は避けますが、この作品としての大きなテーマは、「人生の選択」 なのではないかと受け取りました。
ドラマ牽引装置の原動力となっているのが、「予知」 と 「タイムトラベル能力」 。
このふたつの力で、繰り返し未来が描かれ、同じ人物が敵にも味方にもなり、正義にも悪にもなることが示唆される。
そして、ラスト付近で 「失敗したヒーローたち」 が登場し、何がしかの暗示を思わせる。
悪人は悪人として生まれたから悪人になるのではなく、それまで善人だったものが、とある選択をとった瞬間に悪人になったりする。
逆を言えば、ヒーローはヒーローとして生まれたからヒーローなのではなく、ヒーローたらんとしたものがヒーローになったのだということなのでしょう。
クライマックス付近では、つねに変化し続けるスリリングな歴史とともに、変化し続けるキャラクターたちというテーマがすごくワクワクドキドキして熱かったです。
重要なのは、「選択」 です。
人生において、大きな選択肢が迫ってきた時、人はどちらの道を選ぶのか。
それによって、人は大きく変わるのだということではないでしょうか。
選択肢を前にして、人は何を頼りにするのか。
重要なのは、それなんでしょうね。
ヒロ・ナカムラ(マシ・オカ)は、絶えず心に 「ヒーローとはこうあるべきだ」 という不動のヒーロー像をかたく抱いていました。
だから彼は、誰よりもヒーローであれるんだろうなと思います。
そう、私はヒロが一番好きですねー。
本来は、気は優しくても、ちょっと頼りない、気の弱い男なのに、いざ“使命”を前にすれば己を奮い立たせ、誰よりも勇敢になれる。
どんな危険にも毅然と立ち向かい、己を犠牲にすることもいとわない。
これぞ、サムライですよ。武士道ですよ。
ちょっとあやしげな日本描写も愛嬌ということで、間違いなくヒロはサムライでした。
真のヒーローです。
私の大好きなタイプですねー。
誰もが、実はヒーローになれる。
そういうメッセージの隠されたドラマなのではないかと思いました。
映像の特殊効果もなかなか気合が入ってて見ごたえあり。
時の止まっているなか、ピクリとも動かない中でヒロだけが動けたりする場面など、かなりよくできていましたね。
テレビドラマとは思えないクオリティでした。
他にも、再生能力を持つクレアなど、今回はどんなグロい怪我をしてくれるのかと、そんなあたりも毎度の楽しみになっていました(笑)。
サイコキラー、サイラー(ザカリー・クイント)との戦いもとても興奮させられました。
能力者を殺して脳を××するたびにその能力を得てゆくという、ドキドキするような設定があるおかげで、どんどん物語が複雑化してゆくんですね。
もしあいつが殺されたらあの能力がコピーされちゃうから、あいつとは絶対会わせちゃいけないとか。
そんな時に限って会っちゃうのがドラマだったりするんですが(笑)。
そんな戦いが、ラストの対決へむけて、どんな運命を紡いでゆくのか。
こちらも実にエンターテインメント。
最終回を観て、「これはスゲー! よくできた脚本だ!」 と思わず唸らされました。
たったひとりが欠けても運命は狂ってしまう、芸術品のような最終回です。
精巧なパズルか、精密機械の動きでも見るかのような、そんなゾクゾク感を覚えました。
この最終回へ向けて、第一話からしっかり脚本が練られているんですね〜。
重箱の隅をつつけば何か出てくるのかもしれませんが、初見ではまったく問題ナシ。
没頭して楽しめました。
ほんとによくできています。
ただし、能力の痛快バトルであるとか爽快なアクションなどを期待して観ると、ややガッカリはあるかもしれません。
なかなか見せ方の旨いアクションはあるのですが、メインとなっている見せ場は、前述の通りけっこう大人向けの人間ドラマ。
子供向けのヒーローアクションではなく、大人がじっくり楽しめる、味わい深い作品であると言えると思います。
いや〜、とにもかくにも面白かったです。
とりあえず、ほかにアニメと映画の宿題がいっぱいたまってるので、そのへんをひとまわりしたらシーズン2に突入したいと思います。
紹介してくれた Wao 、ありがとーう!
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X-MENやPSYREN(の序盤)のような能力バトルではなく、出てくる能力も地味(しかし登場人物たちの人生を狂わすには十分なものばかり)な感じですが、人間ドラマやサスペンスに見ごたえがありますね。
ちなみにBOSSさんは字幕派ですか?ヒロやアンドウ、彼らと絡むネイサンらのおかしな会話は絶対オリジナルがお勧めです。
さっそく友人Wao氏に感想を伝えたら、とっととSeason2を見ろ!と言われました(笑)。
あ、私はとりあえず吹き替えで見ちゃいましたね〜。
ここ最近の字幕は、一画面に表示できる文字数制限が厳しくなったとかで情報量が大きく減ってしまったそうで、それを聞いてからは洋画を最初に見る時は吹き替えが多くなっていますね〜。
なるほど、オリジナルのほうが面白かったんですね。
よし、二度目は絶対オリジナルで楽しむことにします!