ほっとしましたが、どうやら岩代先生が風邪をひいてしまったようですね。
どうかくれぐれもお体にお気をつけくださいませ。
というわけで、サイレン、週刊少年ジャンプ2010年11号収録分の感想です。
ジャンプ本誌感想はこちら→前編、後編
【コミック派ネタバレ注意!】
感想小タイトル
■ゼロ距離ファイト!
■雨宮さん復活!
■アゲハの覚悟
■決着!攻撃モード“裂弾”!
■ゼロ距離ファイト!
さぁ、アゲハ対遊坂の最終決戦。
飛び込むアゲハに対し、遊坂お得意の空蝉戦法。
しかしそれをちゃんと読んでいるアゲハ、やっぱり只者じゃないですね〜。
一度見た相手の戦法は、しっかり覚えていて対処する。
一度受けた技は二度とは通用しない!
たいした戦士だぜーィ。
殴られることは覚悟の上。
痛みを恐れぬ勇気。
その上で、直接毒を注入してくることすら読んでのディスク作成。
これは気持ちいいくらいアゲハの作戦が嵌りました。
アゲハ、強くなったなぁ〜。
いや、もとから機転が利くほうでしたけど、なんだか急激に貫禄が出てきたような気がします。
そしてキメ台詞。
(そんなんでトブわけねーだろ!!
俺にライズを教えてくれたのは
あの雹堂影虎だぞ!!)
うほほほほ〜。
そりゃ〜そうだ!
あのスーパータフガイ影虎さんの弟子なんですからな!
いろんな人の思いを背負ってきたアゲハ。
大切な出会いひとつひとつが、しっかり強さに繋がっているアゲハ。
なんだかちょっとこれはカッコイイのと同時にジーンときちゃうセリフでした。
ああ、アゲハってば深い意味でカッコイイぜ!
あとそうそう、防御型ライズっつーたらヒリューくんじゃないですか!
アゲハってば、ヒリューくんの見せ方を奪うとは、なかなか容赦ない(笑)。
つか、こういう時はヒリューくんの名前も出してくれたっていいのにね!
そういえば、ヒリューくん最近見てないですね〜。
すっかりご無沙汰してますもんね。
今頃あっちで何をしてるんでしょ。
ああ、今頃ってのもヘンですね(笑)。
■雨宮さん復活!
ザックリ決まったディスク攻撃。
しかし遊坂も凄まじい。
攻撃を避けきることを放棄して、次の攻撃態勢を最優先。
アゲハとはまったく別の意味で、こいつも自分のダメージを覚悟できるヤツなんですね〜。
遊坂の場合は、後先考えず、とにかく目の前の“殺し合い”をとことん楽しむためにやってるような気はしますが。
とにかく狂喜乱舞しちゃいそうな遊坂の魔の手がアゲハに迫る。
そこに割り込みカットイン!
待ってましたよ我らが雨宮さーん!!
「ただいま」
おーよかった。
とりあえずアビスは撤退して、もとの雨宮さんに戻れたんですね〜。
問題が先送りされただけかもしれませんし、また、アゲハを殺す気になったかもしれないアビスがまた出てきた場合、今度はアゲハという抑止力を持たないアビスが人殺しを平気でしちゃうかもしれないっていう問題はありますが。
あとは、アビスでいた時の記憶が雨宮さんに残っているのかどうか、そこん所が気になりますね〜。
まぁでも、ホント戻れてよかったよかった。
しかし、失血のダメージはでかかったか、いとも容易く遊坂に捕らえられてしまう雨宮さん。
そのまま毒を注入されて大ピンチ!
「先に天国にイキたいのはお前か?
お嬢ちゃん」
ってセクハラかコノヤロー!(笑)
よく見りゃ、襟元と同時にスカートの股ぐらなんてトコ掴んじゃって!
とすると、グイイってコマは雨宮さん、掴まれてるのが右フトモモ内側だとすると、大股開きになってるってことカ!!?
遊坂、許ッさーーん!!
ありがとうございました!!<馬鹿か!!
■アゲハの覚悟
「夜科…
迷惑かけてばっかりで
ごめんね…
私もっと…
強くなるから」
とうとう動けなくなってしまった雨宮さんの口から出るのは、「助けて」 という甘えでも、「頑張って」、という願いや祈りでもなく、謝罪と誓い。
もっと強くならなければいけないと、こんなにも自分を追い込む、痛々しいほどの生真面目さ。責任感。
ちくしょうこの、涙が出てくるじゃないですか!
雨宮さん、もっと甘えていいんだよ、雨宮さんは!
そんなに自分を追い込んで、追い詰めて、どんどん自分でなにもかも背負おうとして。
ほんとはそんなに強い人じゃないのに。
だから、処理できない感情がどんどんあふれちゃって、アビスが生まれちゃうんだっていうのに。
あまりにも痛々しすぎる。
その雨宮さんの言葉から、アゲハもそういうところを悟ったのでしょうか。
ヒトコマの沈黙。
しかし、アゲハの、歯を食いしばった表情が物凄く雄弁。
前回、自分への 「好き」 という感情さえ外に出せず、処理しきれずに心の闇に捨てざるを得ない雨宮さんの悲しみを知ったアゲハ。
私の解釈は、アゲハは、自分が雨宮さんの“重荷”になっているのではないかと、衝撃とともに“勘違い”してしまったのではないかというものでした。
雨宮さんが、「好き」 という感情に身を任せることで、脆くなることを恐れているのではないかと。
地獄のような戦いの日々に、恋などは、足かせにしかならないと。
アゲハとともにいると、雨宮さんの心が揺れてしまうのではないかと、そういう“勘違い”を抱いたアゲハが、これまでまったくそんなことは知らなかった己の愚かさを悟り、何かヘンなことでもしでかさないだろうかと。
そういう怖い想像を膨らませていたのでした。
ところが、どうでしょう!
この沈黙の間、狂ったように考えをめぐらせたのでしょうね!
覚悟の言葉!
これがまた感動でした!
「心配すんな
ずっと俺がそばで 守ってやっから」
えらーーーい!!
えらいぞアゲハ!!
それでこそだ!!
アゲハは、なんでもかんでも背負っちゃう雨宮さんを、恋することさえ恐れてしまう雨宮さんを、「心配すんな」 と!
「ずっと俺がそばで守る」 と請け負ったんですよ!!
全肯定ですよ!!
お前はなにも心配することはない。
そんなに無理して背負い込むなと。
処理しきれない感情なんてクソくらえだと。
そんなものをおっかぶせてくる世界からも、すべてからだってお前を守ると!
すげー。
すげぇなぁアゲハは。
こんなクサいセリフなのに、アゲハほどに覚悟を背負った上で、壮絶に言われると、泣けてくるくらいに感動ッスよ。
今週のサブタイ“覚悟”は、当然一発殴られる覚悟であったり、毒の手にあえて掴ませる覚悟でもあるでしょうし、遊坂の覚悟でもあるでしょうが、なにより私には、このセリフの覚悟と読めました。
マジデカッコヨスギル。
ねぇ、雨宮さん聞いていた!?
これって凄い愛の告白なんだぜ!!
最ッ高ーの告白じゃないですか!
しかしやるせなきかな。
雨宮さんの意識がある様子がない……。
このコマから雨宮さん、気を失っちゃってるみたいなんですよね〜。
ああ、またいつか改めてこのアゲハの覚悟を聞かせてあげたいですよ。
てゆーかアゲハ、雨宮さん聞いてないって知ったらちょっとズコーッて感じでしょうね(笑)。
ま、そんなコトかんけーなしに、でっかい覚悟なんだと思いますけどね!
男の覚悟を、アゲハに見ました。
■決着!攻撃モード“裂弾”!
そして決着をつけたのは、なんと“暴王の渦(メルゼズ・ボルテクス)”の応用技。
攻撃モード“裂弾(スプラッシュ)”!
回転する無数の暴王を、瞬時に解放して散弾のようにあたり一面に撒き散らす大技!
防御の陣のエネルギーがそのまま綺麗に攻撃に転じる。
これは物理的に美しい。
なんか理科の実験でも見ているようですね(笑)。
そして、軌道上のもの、全てを削り取る、あまりに危険な新技ですが、これはまた密閉空間と言う戦場をうまく利用しましたね〜。
しかも味方は毒ガスから守りつつ、軌道半径内に納めておくことで攻撃範囲からも外すことが可能。
毒ガス使いの敵に完全有利な密閉空間かと思いきや、それを綺麗に逆手に取ったようなこの戦法。
上手すぎです。
瞬時にこのような使い方を閃くとは、オマエは戦闘民族サイヤ人か!
これには遊坂さんもさすがに脱帽。
胴体に二発、大穴をあけられ、ブッたおれながら賞賛の言葉を送ってくれました。
「フザケやがって
なんだその能力…柔軟でその多様性…
似てるぜ…ゲホッ
あの男の能力と…!!」
能力の使い方を試行錯誤しながら、手探り状態であれこれ苦労してきたアゲハですが、そのひとつひとつが今、しっかり目的の異なる有用な武器になっているんですね。
流星に、円盤に、渦に、裂弾。
それらまったく異なる技を使いこなすことで、変幻自在、応用力を持った際立つ PSI 戦闘能力に結びついたわけですよ。
これはちょっといいじゃないですか。
ここまで悩み、苦労してきたことは、このためだったのかって。
なんかすごく報われた感じがしました。
そしてまた、その柔軟さ、多様性が弥勒に似ていると。
なるほど、弥勒も一つの能力でありながら、様々に試行錯誤して使い道をいくつも増やしていったのかもしれませんね。
実力では遥か彼方、遠く及ぶべくもない差がある二人ですが、これだけ評価されるのであれば、アゲハの苦労してきた道は間違ってなかったんだなと思えてきます。
こうやって努力を積み重ねていけば、もしかしたら、いつかは弥勒レベルにまで到達できるんじゃないだろうかと。
まだまだ暗闇の向こうの一点の灯り程度ですが、なんとなく希望が見えた気さえしてきました。
それと、これまで繰り返し触れられてきた、アゲハと弥勒の類似性が、ここでも念を押されることになりましたね。
この類似性は、いつか大きな意味を持ってくるんでしょう。
「でも俺は…嫌いじゃないぜ…
“守る”だの“救う”だの叫んで…
何もしない奴よりは…手を汚せるだけ…
いくらか…マシ……だ」
今回の戦いは、アゲハにあらためて大きな決意を持たせる意味合いがあったのかもしれませんね。
ただ漠然とした、世界を変えなきゃという決意から、キッカリ目標を見据えた覚悟に切り替えさせ、そして明らかに変わったアゲハを、私達に視覚化して示してくれた戦いだったように思えます。
どこか危なげな雰囲気を漂わせるアゲハが、もしかしたらさらに危ない方向に行っているのかもしれませんが、私はこの傾向、いいと思いますよ。
守りたい人のためなら、何だってする、一瞬もためらわないという一直線の覚悟。
己の肉をそぎ落としてゆくような、まるで修行僧の苦行のような、自分に厳しすぎる覚悟ですよ。
ああ、こういうところ、実はアゲハって、雨宮さんとよく似ているのかもしれないなぁ〜と、ちょっと思いました。
どちらも、自分ひとりで背負い込もうとして、相手に頼るってことを知らないんですね…。
ちょっと、悲しい二人だなぁと思ってしまいました。
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■PSYREN‐サイレン‐の謎
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その08 「灰化する死」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その07 「薄明るいサイレン世界の夜」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その06 「タツオの放浪期間」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その05 「現在と未来の同調性」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その04 「ゲーム主催者」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その03 「ニセ刑事の正体」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その02 「電話の声」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その01 「噂の発生源」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 【序文】
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