前半はこちら。
後半の感想は、
・【読切】HACO
・いぬまる
・トリコ
・H×H
・リリエン
・バクマン
・サイレン
の7本でお送りいたします。
【ウィンタースペシャル新人読切】 HACO‐ハコ‐
斎藤修先生のSF読切。
2年ほど前に赤マルに掲載されていた 『タビネコ』 が、なかなか感動的な秀作で記憶に残っていたのですが、今回もちゃんと読ませてくれました。
不治の病のために強引にコールドスリープさせられた女の子ほのかが、目覚めてみたらそこは人類滅亡後の未来世界。
自分を守るために作られた犬人型ナノロイド 『HACO』 と共に、謎を解きながらのサバイバルという趣向。
HACO の能力を解放するキーワードである、“偉人の最期の言葉”を総当りするというアイデアがなかなか面白く、またそれがお父さんの最期の言葉につながって、加えて HACO を狭い世界から解き放つエピソードにもつながっているという巧妙さ。
また 「最期」 と 「最後」 の違いでひっかけたり、いろいろとギミックに工夫がありましたね。
HACO の忠犬っぷりもなかなか涙がましくてよし。
それに対してヒロインがしっかり感動しているところが嬉しいですね。
ヒロインほのかの、絶望にうちひしがれないタフさや、料理がしっかりできたり、学が身についているという、いろんな意味でのバイタリティ豊富さも面白いキャラ性でした。
ああいったことは、お父さんに教えられてたんですかね?
だとしたら、病気ってのは実はウソで、お父さんは前々からほのかを未来に行かせる訓練をしていたのかも? なんて妄想もできたり。
このへんは連載に向けての構造なのかもですね。
ちょっと新しいと思ったのが、HACO とほのかの関係性。
普通のマンガなら、女の子が頑張りながらも結局最後は助けられる側で、HACO がかっこいいところを見せるところ。
でもこの読切ではそのへんが色々ミックスされた関係なんですよね。
能力バトル担当は HACO ですが、“上官殿”という呼び名どおり、精神的に HACO を外の世界に導くのも、バトルの逆転を呼び込むのもほのかなんですね。
未来世界の孤独に打ち震えるのはヒロインの役目ではなく、むしろロボットのほうで、ヒロインはロボットを勇気付ける役なんですね。
普通の逆じゃないですか(笑)。
なるほど、これはいい関係かもしれません。
ヒーローとヒロインの関係って、大体はヒーロー側に能力も精神面も、「憧れ要素」 をすべて負担させてしまって、ヒロインがいなくてもいいような状態に陥りがちなんですよね。
その点、HACO が主に担当しているのはバトルの能力面と、共感しやすい臆病さ。
ストーリーけん引役など、その他の面をほぼすべてヒロインがキープすることによって、ヒロインが存在感をしっかり主張できるわけですね。
これはいい構図かもしれません。
ただ、その構図を活かしきれたかというと、まだまだちょっとかな? と言う感触。
いかにも、連載につなげますよという構成のためだと思うんですが、いろんな意味で全体に不完全燃焼な印象がありました。
斎藤先生はもっと凄いものを作れるはずなんだよな〜というのが、正直な感想なんですよね〜。
あるいは、『タビネコ』 のインパクトが、私にそう思わせるのかもしれませんが。
感動の大きさでは、あのレベルには達していない気がするんです。
総合的な漫画の完成度で言ったら、今回の HACO のほうが高いと思うんですがね〜。
難しいものですね〜。
いろいろ言いましたが、斎藤先生の事はとても期待しているんで、これからも引き続き応援して行こうと思います。
追記
そうそう、最初読んで、「あれ? 斎藤先生のキャラってこんな顔だったっけ?」 と、ちょっとした違和感があったんですが、そりゃそうなんですよね。
だって、タビネコは主役が猫だったんですから(笑)。
なんとなくですが、絵柄がちらほらミスフルの鈴木信也先生、エム×ゼロの叶恭弘先生に似ているような気がしました。
元アシさんですかね?
いぬまるだしっ
うわ〜、これはイラつくキャラがきたなぁ〜(笑)。
こいつらレギュラー化するんですかね?
なんかちょっと嫌だなぁ〜と思っている自分がいます。
まぁ、こういうヤツらもだんだんギャグ化してゆけば慣れていくんでしょうけどね〜。
今のところリアルに嫌な感じがしてしまいます(笑)。
トリコ
美食會におけるバリーさんの役割は、調理器具の調達だったんですね〜。
伝説レベルの食材を調理するには、調理器具のほうだってそれ相応に凄いものを使用しなければならず、それがやっぱりそれ相応に入手困難ってことなんでしょうね。
なかなか美食會もしっかりした組織作りをしているじゃないですか。
そして、バトルが実に壮絶。
マッチの脱力を完成させる3分を、決死の覚悟で稼ぐ仲間達。
まさに凄惨。
徹底的なミンチ描写。
ここまでの血みどろバトルは、ジャンプでもひさびさに見た気がします。
実際にはもっと血の出るバトルはあっちこっちでやられているはずなんですが、見せ方の問題なんでしょうね。
圧倒的な強者に歯向かう弱者が、予想通り一方的にメチャクチャにされてゆく行程が、これでもかと見せつけられました。
そして、それがマッチの怒りに静かに静かに火をつけてゆく。
だからこその、この大爆発。
いや〜素晴らしい。
怒り大爆発を火山の噴火で比喩するなんて、普通だったらギャグにしかならないような描写なのに、なんでしょうこの迫力と痛快さは。
見開きど真ん中にマッチの凄まじい形相を爆発させ、右に火山のイメージを配し、左には三段で、物凄い勢いで交錯する二人を配置。
これらのイメージが、すべて一瞬で目に飛び込んでくる見開きにまとまっていることで、衝撃的なスピード感が生まれているんですね〜。
これはすごかった。
そして、勝負のついたところで、初めて明かされるマッチの刀の秘密。
勝負のつく前に、お人よしにも意気揚々と自分の能力解説を始めてしまったバリーさんとは大違いじゃないですか(笑)。
いや〜、素晴らしい爽快感のエピソードでした。
三人の仲間たちは、さすがに可哀想でしたけどね〜。
スープの力で生き返ってくれると信じています。
【センターカラー】 HUNTER×HUNTER
ゴンの凄みがとんでもねえ(笑)。
元から、思いつめたらテコでも動かない頑固一徹。
勝つためには腕を捨てることすら平気でやってのける覚悟バカな子ではありましたが、こうなってくるとホントすごいですね〜。
その凄さを、超レベルのプフやピトーに認識させることで、さらに実感させてくれるエピソードでありました。
腕っ節や、機転よりも、なによりも覚悟の強さ、ゆるがぬ意志をこそ畏れるプフ。
そして、実際よりも過大に評価してしまい、虚構の恐るべきゴン像を作ってしまうまでにプレッシャーを感じているピトー。
彼らの感じているゴンからの圧迫感が、ジリジリと伝わってくるようでなんだか息が詰まってきちゃいました。
いや〜、ゴンすげーなぁ〜。
ピトーが恐れるように、本当に王にまでその牙は届くのでしょうか。
実力から言ったら、遥かに届くわけがないんですが。
そして、ついにピトーがゴンを殺す決心をしてしまったというのも面白い展開ですね〜。
てっきりこの二人のバトルは解決したものとばかり認識していたのですが、このままだと、ピトーがコムギという足かせをどうにかできた瞬間、バトルがスタートしてしまいそうです。
その時、ゴンはどうするのか。
ピトーを倒すことが出来るのか。
これは見ものですね〜。
ああでも、そうするとカイトは治らないことになっちゃうんでしょうか。
うーん。
そして一方、傑作なのがイカルゴ方面。
ウェルフィンに背後をとられて万事休すとなったイカルゴが、なんとここで覚悟の相討ち上等攻撃。
驚いたのはチキンのウェルフィンの方でしょうね〜(笑)。
来週、あっけなくウェルフィンが死んじゃってたりして。
賢い犬リリエンタール
暗黒魔人編エピローグ。
あの大災害でもたいした被害者は出てなかったようで、めでたしめでたし。
でも、やっぱりごむぞうは元に戻らなかったんですね〜。
ライトニング光彦に治してもらおうということになりましたが、そもそも光彦と会うことが狙って出来ることではないですからね〜。
ま、でも治るかもしれないという可能性が示されたことで、ちょっと安心。
一方、本屋では宇佐美ちゃんの勘違いが解かれてこちらもめでたしめでたし。
なにげに桜くんとも普通に話せるようになったみたいですし、事件がいいほうに転がったみたいですね。
こちらもよかった。
そして日野家では、能力に悩めるリリエンタールを囲んでみんなで相談。
なるほど、昨日は能力を自発的に発動できちゃいましたが、そうそう自分の意思で自由にはできないみたいですね。
それはそれとしてしかし、リリを気絶させちゃえばとにかくなんでも解決してしまうという構造だけは、早くなんとか対処しておいたほうがいいと思うんですよね〜。
一応出来るけど、最後の手段ですから、みたいにしとかないと、緊張感が削がれちゃいますもんね。
ということで、赤い階段を調べてゆくうちに新しいことが判明。
イラストでその場の皆のイメージを統一することで、より確実に物質化させることができるように。
ああ、もしかして、あのスーパー宇宙猫事件もこれと同じことだったのかもしれませんね。
イラスト化によって、リリとてつこの両方の思いが統一化され、具現化したのかも。
だとすると、これは赤い階段内だけじゃなく、外でもできるかもしれないですね〜。
ふむ、なかなか面白い。
あと、思ったんですけど、今回新しい部屋でテレビを出したんですから、そこでみんなで光彦を観ればいいんじゃないでしょうかね?
そしたら意外と簡単にごむぞうが復活するかもしれませんぞ?
試してみて欲しいなぁ〜。
とまぁ言った感じでリリの能力が少しずつ判明しつつ、てつことの仲もかなりよくなったようで、めでたしめでたし。
しかし、なんか色々と小悪魔なゆきちゃんが美味しいところを持っていってますな〜(笑)。
そういえば、まだゆきちゃんはメインの回がないんですよね。
せっかく魅力的なキャラなんですから、もっと活躍させてあげたいですね。
バクマン。
吉田さんの平丸さん操作がすでにマインドコントロールの域に達してますね(笑)。
毎度のことですが、このコンビの漫才は実に楽しいです。
ぐぐぐぐぐ…って、渾身の力が入った駆け引き。
これはやるから原稿書けよといったところですか(笑)。
吉田さんは、現在のところ、私の中では服部さんと並ぶ「神の手」を持つ編集さんですよ。
こういう人にまんまと操られる漫画家さんは、それはそれで幸せなような気がするんです。
さて、ひさびさにアトリエ新妻に集まった一同。
そこへ登場の岩瀬さんがまた素晴らしい反発っぷり。
しかしみんなの反応がまたさらに素晴らしいじゃないですか。
昔の蒼樹さんにそっくりって(笑)。
なんでしょうねこの安心感。
なんだか、この瞬間に岩瀬さんが立派な福田組の一員になったような感覚に陥りました。
ああ、この子はもう大丈夫だなって。
もうちゃんとした仲間になれるなっていう安堵感です。
蒼樹さんという、ツンツン娘の前任者がいてくれたおかげですね(笑)。
きっと岩瀬さんも、蒼樹さんと同じように色々あった末に、ちゃんと仲間になってゆくんだろうなっていうあったかい予感がしてくるんですよ〜。
うむうむ。
そして新妻エイジ、皆の反応に改めて服部さんの言葉を思い返し、思い切った宣戦布告。
文句があるなら自分より面白い漫画を描きなさい。
話はそれから聞きましょうということですね。
これは見事に全員のハートに火をつけましたね〜。
服部さんの作戦通り。
そして同時に、新妻エイジの本懐でもある訳で。
いや〜これは熱い。
最強の敵が、さらに最強状態になって待っててくれるんです。
主人公が頑張らないわけには行かないじゃないですか。
そんなまぁ、両親への挨拶も大切でしょうけど、今からだって第一話を手直ししたっていいんじゃないですかね?
そんな場合なのか?って感じですよ。
今頃、サイコーはすっかり火が入ってすごい事になってるかもしれませんよ(笑)。
一方、ベタに報われない平丸さんも最高でした(笑)。
そのかたわらで、その気もないのに蒼樹さんとタンデム走行をゲットする福田さん。
巨乳さんとタンデムって、ライダー最高の憧れじゃないんですか?(いや、よく知りませんがw)
見よ、この残酷な格差社会(笑)。
ところで、ちょっと思いついたんですが、エイジが 「一番になったら一つ作品を終わらせる権利をください」 と言ってたあの言葉ですが、終わらせる作品がわかったかもしれません。
それは、他でもない、『CROW』 なのではないかと。
今回、岩瀬さんとのタッグが結成されたことで、コンビ漫画家という形で亜城木コンビとの対称形が完成したわけです。
これまでがハンデというわけではないですが、形の上でフェアーな勝負になったんですよね。
そこで燃え上がった亜城木コンビが本当に面白い漫画を描くようになり、新妻エイジの地位を脅かすようになったとしたら、それでもエイジは二作品描きつづけるでしょうか。
作品数でもフェアーにしなければいけないんじゃないですかね?
また、そのような状態で亜城木コンビが勝ったとして、読者が納得できないですよね。
そこで出てくるのが、例の 「終わらせる権利」。
あれを、エイジはクロウに使用するんじゃないですかね。
亜城木にあと一歩で追いつかれそうになった時、エイジはついにその権利を使用し、クロウを切って真のライバルとしての力を振り絞りだすわけです。
あの新妻エイジが、自分の作品をモノのように粗末に扱うとは思いにくいですから、そこはしっかりとした大団円にした上ででしょうけどね。
むしろ、いつ大団円を迎えてもいい状態のクロウを、編集側が引き伸ばそうとしてたりして、そこで権利を使ってエイジが切る、という形が一番しっくりくるでしょうか。
なんか、そういう気がしてきました。
いやまぁ、ちょっとした思いつきに過ぎませんが(笑)。
人の漫画を勝手に終わらせるという、なかなか過激な話で、ちょっとどういうオチになるのかいろいろ空想してはいたのですが、そういう落ち着き方あたりがしっくり来る気がするんですよね。
やっぱり、人の漫画を終わらせるって、相当のことですからね。
PSYREN−サイレン−
別エントリーにて。
まとめて
今週はもうとにかくワンピの展開が凄すぎ。
完全に油断し切ってたところをドカンと思いっきり殴られた感じでした。
いや〜、エース、マジでどうなっちゃうんでしょうか。
早く次のジャンプが読みたくってしょうがないですよ。
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