2010年02月02日

ONE PIECE(ワンピース)感想 第572話 “The Times They Are A-Changin'”

 時代は変わってゆく…。
 ボブ・ディランかな?
 いや、洋楽には疎いのですが。
 ワンピにしてはめずらしく洋楽タイトルが冠された572話。
 週刊少年ジャンプ2010年号掲載分の感想です。

【コミック派ネタバレ注意!】




 ルフィのエース救出成功に、歓喜に湧く海軍本部広場。
 そんななか、広場に降り立ち、隣り合って戦いの構えをとるルフィとエース。

 ドドン!!!

 おおおおおお!
 なんだこのかっこよさは!
 高揚感は!
 不思議と巨大な熱いものがこみ上げてくるじゃないですか!
 この感動は凄いものがありますね〜。

 一気に襲い掛かってくる海兵たちをものともせず、息のあったコンビネーションで戦い始めるルフィとエース。
 いや〜なんかもう、天井を突き抜けた感じがしてしょうがない。
 苦しいところは抜けちゃったから、あとは大丈夫だっていう安心感。
 困難を極めた上にもさらに極めたこの戦いが、ついに大目的を果たし、あとは駆け抜けるだけって感じがしちゃいます。
 いや、気を抜いちゃいけないってことは、まったくもってエースの言うとおりなんですが、もうね、こんな最高のゴールデンコンビを見ちいますとね〜。
 どうしたって幸福感にひたってしまいます(笑)。
 なんつーか最高だオマエら!
 この戦いの後、間違いなく“新しい伝説”となる、兄弟タッグ誕生の瞬間ですよ。


 と、そこに飛び込んでくる、大将青キジ。
 まだルフィではかなわないということで、青キジにはエースが。
 青キジの強大な氷の力を、真っ向から炎で受け止めるエース。
 おー、やっぱエースつええ〜。
 というか、やっぱりロギア系はそれだけで別のランキング領域ですよね。


 さて、そんな戦場に突如突入してくる白ひげ海賊団最後のパドルシップ。
 誰かと思いきや、それはあのスクアード!
 スクアード率いる大渦蜘蛛海賊団でありましたー!
 来るぞ来るぞと思ってはいましたが、ここで来ましたかー。
 償おうにも償いきれないことをしでかしてしまったスクアードとしては、当然こうくるでしょう。
 あの罪を背負って生きるくらいなら、死をもって報いたいと思っても当然。
 とてもよくわかる心境です。
 
 しかしこのケースは、ちょっとイカンと思うんですよ、スクアードさん。
 仲間達との熱い結束があったのだろうということは想像に難くないのですが、でも仲間達を巻き込んでいるというのはどうもいただけない。

 また、この戦況は、スクアード海賊団ひとつが殿軍をつとめたからって、どうにかなる戦場ではありません。
 よくて大将ひとりを相手にするので手一杯。
 だだ漏れに漏れた海兵たちに、白ひげ海賊団本体は背後からギタギタにされてしまうことでしょう。
 贖罪の捨て身戦法というのは、その一身を投げ打つことで、決定的に戦況を変えられるところにこそ投下するものではないでしょうか。
 そのアツくたぎる志、衝動はよっくわかりますが、でもそういう時こそ、生涯最高の集中力を要する時だと思うのです。
 本当にココゾ! という時しか、そういう捨て身はやってはいけませんよ。
 そう、リュウさんがハモンさんのマゼラトップに突っ込んだように。
 そう、スレッガーさんがビグザムに特攻したように。
 それしか方法のない究極の刹那にこそ、自己犠牲は光るってもんじゃないですか。
 でなければ、キツい言い方になってしまいますが、生きて贖罪の苦難の道を歩むより、安易に死んで犠牲の美名に逃避してしまったようにも見えてしまうのですよ。
 いやいや、そんな気など毛頭ないのはわかっていますが。
 少なくとも、オヤジさんを悲しませるような、無駄な命の捨て方をしちゃあいけない。
 ここはそうするしかなかったという、本当に 「悲しいけどこれ、戦争なのよね」 という最後の最後しか、やっちゃあいけないことですよ。

 あとそうそう、

「オヤジ!!! みんな逃げてくれェ!!!

 この戦場 おれ達が請け負ったァ!!!」


 って言ってますけど、そもそもそのパドルシップがないと、みんな逃げられないんじゃねーのか!?(爆)
 いやもう、よしあし云々の前に、スクアードったら前提を間違えまくってないだろうかという考えで頭がイッパイになっちゃいまして、いや〜どうにもこうにも(笑)。
 私の中では今、スクアードがどうしょうもなく頭弱い子になっちゃってます。
 もし本当にそうだったら、スクアードちょー可愛いヤツですなぁ(笑)。
 白ひげもきっとバカな息子ほど可愛いと思っていることでしょう。


 ということで、船を片手で止めた白ひげの説教には、ドーンと胸を打たれてしまいました。

「子が親より先に死ぬなんて事が

 どれ程の親不孝か…

 てめェにゃわからねェのかスクアード!!

 つけ上がるなよ

 お前の一刺しで揺らぐおれの命じゃねェ…!!

 誰にでも寿命ってもんがあらァ…」


 バカ息子よ、よく聞けよ〜。
 そしてこの言葉を、後世まで語り継げよ〜。
 白ひげは、最後までスクアードの心の負担を軽くしようとしてくれてるんじゃないですか。
 なんてでっかいオヤジさんなんだ。
 親を刺しておいて、「つけ上がるなよ」 なんて言われちゃうんですよ。
 想像の埒外ですよ。
 凄い人だ。
 親を刺すなんて、大したことないじゃねーかって、言ってるんですよね。
 そんなこと、チンケなことだから、気にするなと。

 それより、明日生きることを考えろと。
 失敗したと思ったのなら、明日から失敗しないよう教訓とすればいいじゃねーかと。
 自分が足を引っぱったと思ったのなら、明日から仲間達を助けて、その力となればいいじゃねーかと。
 そういう生き方をしてくれたら、おれは満足だと。
 仲間達と一緒に、仲良く力いっぱい生きてくれたら、おれは満足だと。
 私には、白ひげの言葉はそう聞こえました。
 ああ…かっこよすぎるぜ白ひげ!

 
 そして、全軍に出される白ひげ最期(最後ではなく、最期!)の“船長命令”!!

「お前らとおれはここで別れる!!!!

 全員!!

 必ず生きて!!!

 無事 新世界へ帰還しろ!!!」

「おれァ時代の残党だ…!!!

 新時代におれの乗り込む船はねェ…!!!」

「行けェ!!!!

 野郎共ォ〜〜〜!!!」



 別れの言葉は、新しい時代への出航の号令。
 老いた戦士から、たくさんの息子たちに送られるはなむけの言葉。
 まるで豪快で壮絶な祝砲のようです。
 ああ、白ひげ、ここでついに終焉の時を迎えますか。
 そうですよ、この戦い、殿軍をつとめられるのは白ひげ以外にはないでしょうとも。
 そして白ひげ自身もそれをよっくわかっていて、誰にもその役を任せたくないでしょう。

 船長命令に動揺を隠せない海賊達。
 その彼らを見送って、白ひげ

(振り返るな

 時代は変わる!!!)


 その目に見ているのは、未来への希望か。
 なにか確信を掴んだのか。
 ニッと笑う白ひげの表情がまたいい。
 なんとも満足げ。
 もはや 「我が生涯に一片の悔いなし」 の心地でしょう。


「ずいぶん長く旅をした………

 決着(ケリ)をつけようぜ

 …海軍!!!」


 
 海軍本部の牙城をいともたやすく粉砕しながらこの宣言。
 さぁ白ひげ、最後にどんな華々しい花火を上げてくれるのでしょうか。
 そして脱出組みは、見事脱出できるのでありましょうか。
 マリンフォード戦争編は、ついにラストスパートへ突入したようです。

 いや〜、今回は全編ちょっと感動しっぱなし。
 ルフィ&エースのタッグにグッと来て、わくわくして、スクアードの思いつめた感じには、バカだなぁ〜と思いつつも感動し、そして、白ひげの“最後の船長命令”には、こみ上げてくるものがさすがに止まらなく。
 この壮大だった戦争編が、いよいよ終わってしまうんだなぁ〜という、なんだかちょっとよくわからない切なさも感じたりしつつ。
 ほんと、面白いったらありゃしない!


 しかし、尾田先生もストーリーテリングうまいなぁ〜と、毎度毎度思うことですが、今回もまた予想を軽く上回られてしまいました。
 てっきり、スクアードは捨て身の切り札的存在だと思っていたら、むしろ白ひげの白ひげたるゆえんを表現するための、前準備担当だったとは。
 こちらの予想の上を、華麗に飛び越えて行かれちゃった感じでしたわ。
 最近のワンピはホント凄すぎです。



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posted by BOSS at 22:19| Comment(3) | TrackBack(1) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
タイトルは指摘の通りディランの名曲ですね、新しい時代がくる、古き世代は邪魔するなっていう曲の内容からして今のワンピースにピッタリ。終盤の白ひげの台詞と共に脳内再生されてグッとくるものがありましたよ
Posted by つよし at 2010年02月02日 23:02
後半、オヤジィィィィと叫びそうになってしまいましたww あと、Mr.3がのびてましたがルフィはちゃんと回収してくれるのでしょうかw エース解放の決め手になった彼を放っておいて再度3が捕まったらルフィが一気に薄情者になってしまうw
Posted by P at 2010年02月02日 23:53
>つよしさん
>新しい時代がくる、古き世代は邪魔するな

 おお!
 まさに今回の話にピッタリですね!
 動画サイトで曲は聴いたんですが、歌詞の翻訳がみっかんなかったんでどういう意味なんだろうな〜と思っていました。


>Pさん

 ほんと、今回は激しくアツかったですね〜。
 Mr.3 は何とかして欲しいですよね。
 あのままほったらかしはさすがに可哀想過ぎです(笑)。
Posted by BOSS at 2010年02月05日 23:57
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