2010年01月07日

ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.101 “ウイルス”

 明日のジャンBANGサイレンのヴォミックですぞ!
 しゃべってるアゲハやスーパークール&アナーキーな雨宮さんの声が楽しめますぞ!
 必見!!
 ということで、こちらは週刊少年ジャンプ2010年05・06合併号収録分の感想です。

【コミック派ネタバレ注意!】




 うはー、なんか予想が当たっちゃいました。
 やっぱり遊坂は、弥勒の息がかかったサイキッカーだったんですね〜。
 バール片手に、返り血を浴びた白衣で人を引きずる姿はまるっきりサイコホラー。
 しかもその能力はウイルス感染ときましたか!
 あの、未来の歴史の祭先生を追い詰めた謎のウイルス感染は、この遊坂が元凶だったんですね。

 先週、遊坂がちょっと不自然にマツリ先生の手を握った場面がありましたね。
 あれが既に攻撃だったわけですか。

 未来のアレは、カプリコあたりの仕業かと思っていましたが、まさか6人目の能力とは思わなかったですよ。
 これはしてやられました。


 またマツリ先生としたことが、敵の攻撃に気づかなかったとは。
 これはマツリ先生が探知系能力に秀でてないせいなのか、あるいは遊坂のウイルス能力がそれだけ隠匿性に優れているのか。
 おそらくは後者なんでしょうね。
 知らず知らずウイルスを接触感染させる。
 即効の破壊力こそありませんが、好きな時に爆発的に発症させて行動の自由を奪ったり、なかなかおぞましい能力のようです。


 まぁ今のところは感染拡大力はなさそうなので、アゲハはウイルスの心配はしなくてよさげですね。
 ただ、自衛隊ひと部隊を、有無を言わさず殲滅させてしまったりと、遊坂の戦闘能力はなかなかのもののようです。
 アゲハにはあのチート能力的な“暴王の円盤”があるとはいえ、油断すると触れられてウイルス感染⇒一発マヒってことになりかねません。
 ま、円盤暴走させちゃえばそれで終わりかもですが、それだと情報引き出せなくなりますしね〜。

 アゲハがいったいどんな戦いを見せてくれるのか。
 今回ちょっと思うところがあったようですし、その思いがどう形と出るか。
 またまた危うい感じではあるのですが、それがよいほうに出てくれることを期待しましょう。
 まぁ、それがいつかは悪いほうにも出るのかもしれないよなぁと、それもまた楽しみだったりするのですが(笑)。


「強くなりてェ

 有無を言わせねェ 世界を変える力が欲しい」

「――… 守る力じゃないのか」

「そんなものはどっちだっていい」



 これだけ悲劇を目にしてきて、アゲハは 「守る」 ことではなく 「変える事」 を求めるんですね。
 どっちだっていいと言っていますが、どっちかというと 「守る」 という言葉には実感を持てないんじゃないでしょうか。

 「守る」 って、いったい何を守るのか。
 アゲハには、これは守らなきゃいけないと思う、大切なものがとても少ないんじゃないでしょうか。
 それこそ、この物語が始まった頃、アゲハは生きている実感を持てず、ただ日々おのれのエネルギーをもてあます困った少年でした。
 暴れている時だけは、自分が生きているとかすかに感じられるような。
 そのアゲハが、苦難の旅のなかで得ることができたのが、大切な人々。
 雨宮さんはもちろん、エルモアウッドの子供達や、ヒリューくんたち、マツリ先生や影虎さんといった人たちでしょう。

「世界を変える」

 それはアゲハにとっては、彼ら数少ない、アゲハにとって大切な、かけがえのないものになった人たちが、「苦しまない世界を作りたい」 ということではないでしょうか。
 だから、「守る」 ではない。
 今の世界では、彼らは苦しみから逃れられないかもしれないから。
 こんなに今の世界は、いろんなところに苦しみがあって、だからこそ弥勒という怪物を産んでしまったのだから。
 
 もしも苦しみのない世界があるとして、それが今とはまったく違う世界なのだとしても、それはそれで構わない。
 漠然とではあるかもしれませんが、そんな感じなのではないでしょうか。
 極論を言ってしまえば、アゲハにとって大切な人たちが苦しまない世界であれば、人類は滅んでしまっても構わないとすら。 
 まぁさすがにそこまではそうそう行かないでしょうけど、のちのち 「人類」 か、「大切な人たち」 か、どちらか一方だけを選べと言われたら、アゲハは大切な人たちをためらわず取ってしまうんじゃないかと。
 なんとなくですが、そう思える危うさが、アゲハにはどこか漂っているような気がするのですね。
 もしも……もしも雨宮さんも誰もかも、アゲハにとって大切な人がみんないなくなってしまったとしたら、そしたらアゲハは、まだ世界を変えたいと思うのか。
 それとも……ちょっと怖いイフだと思います。
 
「世界を守る」

 と言う人は、おそらく世界に大切なものがいっぱいある人です。
 あるいは、世界に大切なものがいっぱいあると想像できる人です。
 アゲハには、それが実感できないのではないでしょうか。
 もしかすると、そういうところが、弥勒と共振してしまえる危うい部分なのではないかと、そう思ってしまうんですね〜。

 そして、この 「実感のない」 感じって、今の時代、アゲハのような世代にはけっこう多いんではないですかね?
 いや、実際その世代の何を知ってるってわけじゃないですが、なんか物の本やいろんなメディアでそういう声を聞きます。
 また、私自身もそういう覚えってたしかにあるんですよね〜。

 生きている感じがしない。
 大切なものがみつからない。
 何をやっても嬉しいとか悲しいとか、濃いものがない。
 すべてが色あせている感じ。
 ジャンプの主人公としてそれでいいのかいって言われそうな個性かもしれませんが(笑)、でもけっこう共感を呼ぶ 「感覚」 なんじゃないですかね。
 どうなんでしょう。


 さて話を戻します。
 アゲハにとっての目下の問題はしかし、とりあえず目の前に自衛隊が来ちゃったことですよね。
 アゲハにはマツリ先生ほどの戦闘力はまだなく、相手を傷つけずに気絶させるほどの腕前があるのかどうなのか。
 ちょっとそのあたりが心配です。
 しかも、倒れたマツリ先生を後ろに守らなきゃいけないときている。
 これは意外とピンチかもしれません。
 サングラスも外しちゃいましたし、指名手配とかされちゃったら大変だ〜っていうオマケもありますしね。
 う〜ん、意外と重要な転機がいろいろやってきちゃった予感。


 ところで、遊坂についていくつか疑問があるんですが、まずひとつ、こいつはいつからPSI能力を手に入れていたんですかね?
 元々なのか、それとも、グリゴリ関連施設の人間として改造を受けたのか。
 それとも弥勒脱走後、本物の遊坂と入れ替わった誰かなのか。
 まぁどういうプロセスで遊坂と弥勒がつながったのかとか、射場にとりいったのは意図的なのかかとか、人間が入れ替わったのかとか、そのあたりの手順がちょっと気になります。

 まぁそのへんは脳内保管でもかまわないんですが、もうひとつ気にかかる事がありまして、そっちのほうが重要じゃないかと思うんですが……。
 彼は、自分のことを W.I.S.E と言ってますが、未来の“五星将”には入ってないって事なんですよ。(未登場の元老院メンバーである可能性はありますが、とりあえずそれはおいといてと)
 では、あっちの歴史で、彼はどうなってしまったのか。
 マツリ先生がウイルス攻撃をくらいながらもなんとかして倒したのでしょうか。
 だとすると、ちょっと心配なのは現在のマツリ先生ですよ。
 もしも遊坂を倒しても治らないウイルス感染だとすると、イアンのキュアも効かなかったわけですから、今回の感染も治らない事になってしまいます。
 これはち〜っとばかり厳しい状況じゃないでしょうか。
 今後どれだけアゲハが未来に行って帰ってを繰り返して歴史を改変しても、「マツリ先生の感染」 という歴史は動かないことになってしまうわけで。
 う〜ん。
 ちょっとこれは心配だ。
 マツリ先生は未来ではひと月で昏睡から醒めたとはいえ、その後の状態はかなり悪かったようですからね。
 大きな戦力喪失になってしまうのでしょうか。


 まぁそれはそうと、マツリ先生の胸元はやっぱり地肌だったことが判明してしまいましたな!<こんな時に何を!!



■PSYREN‐サイレン‐の謎
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その08 「灰化する死」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その07 「薄明るいサイレン世界の夜」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その06 「タツオの放浪期間」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その05 「現在と未来の同調性」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その04 「ゲーム主催者」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その03 「ニセ刑事の正体」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その02 「電話の声」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その01 「噂の発生源」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 【序文】


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・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.72 “夢喰島へ”
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・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.70 “転生の日B”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.69 “転生の日A”
・ジャンプ感想別室 PSYREN(サイレン) CALL.67 “根(ルート)”
・PSYREN(サイレン)感想 CALL.66 “戦士” 第1回キャラクター人気投票結果発表!
・コミック感想 PSYREN‐サイレン‐ Vol.6 “突入作戦(フレイム)”
 


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posted by BOSS at 21:58| Comment(4) | TrackBack(0) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>あっちの歴史で、彼はどうなってしまったのか
転生の日にその他の人々とともに死亡した、という可能性もあるのではと思います。(何故ミロクに見限られたのかは置いておくとして)
祭の斑点模様が消えたのも転生の日直後ですし、遊坂死亡が解除条件なら辻褄があうのではないかと。

グラナ戦での不調は、1ヶ月間の昏睡による体力低下+救助による過度の疲労、でも説明できそうですし。


術者死亡が解除条件だとすると、アゲハが現実で人殺しをしてしまう可能性が出てきてしまうのが心配ですが……
黒化フラグが立ってるのも併せて心配です。


Posted by ライン at 2010年01月07日 22:21
ジャンプの主人公としてそれでいいのかいって言われそうな個性かもしれませんが、でもけっこう共感を呼ぶ 「感覚」 なんじゃないですかね。>そう思います。
今週のBOSS様のアゲハに対する考察は目頭が熱くなるものがありました。
彼は成長しましたよね。
まだ危うい揺らぎを持つ少年ですが、祭先生やフブキ姉様やエルモア’Sの愛
そして支えあう存在である雨宮さんとの愛!で彼らしい強さを備えた大人になって欲しいです。

…色んな意味で(笑)
Posted by 如月宵姫 at 2010年01月08日 01:23
どうも!いつもPSYREN感想楽しませて貰ってます。

この先どうなるんでしょうね。
PSIウィルスに感染した祭にメルゼスを封じられた?アゲハ。
アゲハや祭に迫る自衛隊員や遊坂
自衛隊員はライズで大丈夫そうですが
やっぱり遊坂戦は祭から離れて戦うことになるんでしょうか?
祭先生のPSIウィルスにメルゼスが反応しそうな気がします…ディスクでも5M以内にいると危険ですよね?

離れて祭が無防備になる状況になったら何かありそうで恐ろしいです…
今週黒アゲハ面でてきてますし

それはそうと9巻購入したんですが本誌では誤字なかったのに何故か単行本で誤字が…(※本誌確認済み)

CALL.77゛円゛のプログラム説明部分
『その場に留まれたという俺の加えたプログラムと』
何故か単行本では余計なモノ(た)が…

本誌で間違ってなかった部分が単行本で…なんてこと有り得るんですね…
気をつけて欲しいです…

PSYRENは先に進むほど面白くなっていってるので円満終了して欲しいですね!
Posted by 界師 at 2010年01月08日 16:24
>ラインさん

>転生の日にその他の人々とともに死亡した、という可能性もあるのではと思います。

 それが一番ありそうで、いろいろ辻褄があってくるいい説明ですよね〜。
 私もそれがいいと思います。
 なにより遊坂を倒せばマツリ先生が助かるならそれが一番!
 ああ、アゲハが遊坂殺さなきゃいけないんじゃないかという危惧は残りますがね〜。
 そこはなんとか解除宣言させるとか……できないですかね…。

 ただ気になったのは、遊坂死亡説だと、なぜ遊坂が転生の日付近で死んだのか、その描写が今後作品中ではしにくいかもな〜という気持ちもあって(ヒリューくんがそれを偶然調べ出す可能性はあるカモ?)、こんな説もありかな?って感じで提案してみました。
 できるだけそういうダークなことにはなって欲しくないんですけどね〜。


>如月宵姫さん

>目頭が熱くなるものがありました。

 ああ、ありがとうございます。
 なんかこういうの、凄く嬉しく思います。
 ほんと、彼は変わったんですよね。
 まだまだ危なっかしくてどっちに転ぶか分からないけど、大切なものが出来るたびに強くなっていく。
 とてもいい、熱いテーマだと思います。
 

>界師さん

>祭先生のPSIウィルスにメルゼスが反応しそうな気がします

 あああ!
 それは盲点!
 つかそれ危険!
 そうか〜、いくら祭先生がPSI解除しても、体に浸透したウイルスが反応しちゃダメかもしれないんですね〜。
 かといって、動けない祭先生から離れて戦うことも危険だし。
 なるほどアゲハ、これでディスクを封印されたのかもしれませんね〜。
 でも遊坂と接近戦するのはやっぱり危険すぎるし。
 ここはひさびさのメルゼス・ランスでしょうか?
 撃つ暇があればいいのですが……。

>単行本で誤字が…

 な、なんでだ!(笑)
 それはひとえに編集の写植ミスでしょうね〜。
 ほんとなんでじゃ(笑)。

>円満終了して欲しいですね!

 まったくです!
 みなさんアンケ送りましょうね!
Posted by BOSS at 2010年01月13日 00:21
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