2009年12月25日

スティール・ボール・ラン感想 #54 正義と邪悪

 ウルトラジャンプ2010年1月号掲載。
 ジョジョの奇妙な冒険 Part7
 SBR #54 正義と邪悪
 の感想です。
 ついに、最終決戦、開幕!

【ネタバレ注意!】




 列車から乗り出してきた大統領。
 その姿はなんだかわからない、直線的なベールのようなものにつつまれて、これが空間のスキ間というヤツですか。
 や〜これはとても映像的でカッコイイ。
 シュゴーッとすごい勢いで空間のスキ間がはためいているように見えます。
 鋭角的な細いスキ間なのに、その中にとんでもないエネルギーが荒れ狂っているように見えるんですね。
 荒木先生はほんと、こういうところの表現力がスゴイですよ。
 誰も見たことのない映像を、まるで見てきたかのように表現しちゃいますもんね。
 

 さぁ、大統領が正面からジョニィに迫る。
 無謀なほどの正面攻撃ですが、さもあらん。
 ジョニィの攻撃はスキ間にすっ飛ばされ、パリの建設現場で大事故を発生させてしまいます。
 うへぇ、こりゃヒデェ。
 大統領のこの能力、単に防御としても完全無欠ですが、その被害状況を攻撃者にも見せるというのがとんでもなくヤらしいですな。
 大統領を攻撃したら、罪のない誰かが死んでしまう。
 それじゃまるで、全人類を人質に取っているようなものじゃないですか。
 ほんと、どこまでもえげつない男!


 追い詰められたジョニィに、大統領の魔の手が迫る。
 と、間一髪で飛んでくる鉄球!
 おおー、そうか、大統領は攻撃するときにはスキ間から出てくるのか。
 そこを狙えばいいわけですね〜。

 しかし大統領もすばやい。
 すかさずスキ間に退避。
 追いかけて撃ったジョニィの爪弾は、今度はベトナムの子供を撃ち殺してしまう……ってこれ、この兵士が撃ち殺したんじゃないの?
 ジョニィ関係なくない?

 しかし、ジョニィは自分がすべて悪いと思ってしまった様子。
 そうか、黒い炎を目に宿したジョニィも、無関係の一般市民が犠牲となると知っては、やはり心が折れるのか。
 ここらへんはやっぱり主人公ですね〜。
 目的のために完全に非情になれるわけではなかったのが、逆にホッとしました。
 これまでのジョニィは、もしかしたら無辜の民が犠牲になったとしても全然構わないんじゃないかと思わせるものがありましたもの。


 さて、ジャイロに迫る大統領の攻撃。
 すんでのところでかわしたジャイロでしたが、その腕にちっちゃい傷が。
 その傷が、どんどん腕をさかのぼり、しまいに心臓へ!
 吐血!
 おおー。
 こういうシチュエーションはジョジョでは何度かありましたね。
 第四部では、吉良が猫草によって動脈内に空気を打ち込まれ、第五部ではブチャラティがペッシに釣り針を打ち込まれたのでした。
 あの時と違うのは、今度はどうしたって除去不可能ってとこですね〜。
 たとえ傷を抉り出したとしても、もしかしたらそのえぐった傷自体が心臓までさかのぼりかねません。
 なるほど、これはエグい能力だ。

 大統領を真の意味で倒すには、挟むような攻撃を使ってはならず、それも完全に即死させないと何をされるかわからない。
 一方の大統領はちょっとした傷をつければそれで十分ってことになりうるわけですか。
 こりゃ〜割に合わない。
 完全に一方的ゲームの始まりですね〜。


 列車の連結を破壊し、なんとか大統領と距離をとった二人。
 しかし、ジャイロは心臓をやられ、ジョニィは過去の重みにふたたび襲われて完全負けムード。

「倒す方法は何もないッ!

 あいつが「正義」で!

 ぼくらの方が『邪悪』なものなんだッ!!」


 ジョニィの叫びが実に悲壮。
 ここまで負け犬ムードただよう最終バトルも珍しいです。
 ジョニィの過去が重いだけに、なんかこれは辛いなぁ〜。
 リアルなんですよね、彼の負け犬ムードってヤツが。
 ジョニィパパの、

「神よ…あなたは連れてゆく子供を間違えた…」

 って言葉が重過ぎるんですよ。


 だがしかし、だがしかし!
 大きなマイナス描写は、それ以上に大きなプラスへの最大の伏線なのです!
 ジャイロがなんと、“馬の力を利用した回転” をマスター!?
 ためしに投げてみたところ、鉄球に大統領のあのクルクル髪の毛が!

「何もわからない……

 「結果」だけがある

 事実は…スキ間の中のヤツの

 「髪の毛」を抜いたという「結果」だけだ」


 ついに来たか〜。
 何が起こったのか、ジャイロもわかってないようですが、何はさておき何かが起こった様子。
 とうとう、最終能力の発動が迫ってまいりましたね〜。

 でも、いったいどういうことなんでしょう。
 害悪なるものを弾き飛ばし、吉良(笑)なるもののみを残すあのスキ間が、鉄球の攻撃をはじけなかったというのがまったく解せません。
 善も悪も超えた、害悪も吉良も超越した攻撃ということでしょうか。
 もうそこまでいっちゃうとほんとワケワカラン状態なのですが。
 一応ジャイロの推測によると、本来この投球方法は、鎧や盾で体を守った騎士の時代に、そのガードを突き抜けるために開発されたもののようです。
 ってことは、内部破壊系?
 いや、それだと今回の髪の毛の説明がつかないか。
 空間を飛び越えるとか、そういう奇想天外系ですかね?
 なんにしろ、我々の想像も及ばない空前絶後の戦いが待っているようです。


 さぁ、大統領とルーシーの待つ客車に、二人の戦士が立ち向かう。
 次号、どんな 『結果』 が、待っているのでありましょうか!



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