2009年09月16日

ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.86 “それぞれの空”

 週刊少年ジャンプ42号収録分の感想です。

【コミック派ネタバレ注意!】




 カブト、脳内で怪物と出会うの図。
 怪物は“ヨヨ”と名乗り、自分はカブトの無意識に潜むもう一人のカブトであることを明かしました。
 そして、今後脅威(メナス)が迫った時は自分を呼べと、そうすれば“眼”以外の力を貸そうと。
 おお〜、カブト、パワーアップっすな。
 つーか朧とはまた別方向でカブトも PSI の天才ですよね〜。
 希少なメナスの持ち主で、さらにプラスアルファの能力まで持てるとは。
 そーいや、なにげにアゲハたちってエリートっすよね。
 アゲハと朧は言わずもがなの天才で、雨宮さんも、あれは天賦の才ってのもあるでしょうけど、オッソロシイ殺意の波動の持ち主で。
 こうなってくると余計にヒリューくんが浮いてきますね(笑)。
 ヒリューくんもいつか自分の才能に目覚める日が来るのであろうか。いやない(反語)。
 まぁでもそれがヒリューくんの良さだから!

 
 目覚めたカブトにアゲハ、

「帰るよ 現代に」

 とあっけらかんと言いましたが、無理しちゃってますね〜。
 このちょっとだけ仄見える悔しさっつーか無念さがとてもいい。
 アゲハ、いいヤツだ。
 いつの間にかアゲハって彼らの精神的支柱っていうんですかね、しっかりしたリーダーになってきていますよね。
 

 さて、ネメシスQのルールが書き換えられたおかげで、ようやっと全てをエルモアキッズに打ち明けられたアゲハたち。
 しかし新情報はなかったですね。
 まぁこれ以上情報過多になっても読者がついていけなくなるかもしれませんし、そろそろアクションフェイズに入らないとリズムが落ちますから、この辺が潮時かもしれません。
 サイレンって、そういうリズムをけっこう大切にしているフシがあるように感じるのです。
 なにはともあれ、アゲハたちは3人で現代に帰還し、現代でやれることをやる。
 そしてエルモアウッドは未来で自分たちの世界を守る。
 それぞれがそれぞれのやるべきことをやるため、別れを選択いたしました。

 さばさばとした表情のアゲハですが、一方雨宮さんは暗い表情。
 パラレルワールドができてしまえば、もう二度と未来の子供たちに会うことはないかもしれない。
 その恐れと、それに気づいている様子のアゲハに心痛めているのでしょうね。
 なんとも甲斐甲斐しい奥さんだこと(笑)。
 
 しかしそんな雨宮さんをしっかり励ましてくれるエルモアばーちゃん。

「ワシらはワシら

 存在が消えるわけではない

 ワシらも あんた達も

 自分達の生きてきたこの空を守る為に闘っておる

 未来を変えることに

 何も迷う必要なんかないんだよ」


 素朴な言葉ですが、なんだか安心感がありますね。
 雨宮さんも落ち着くことができた様子。
 もしかすると、家族関係というものを失っている雨宮さんですから、こういうおばーちゃんの言葉に実はけっこう餓えているのかもしれませんね。
 なんかそんな気がしたワンシーンでした。


 そして、子供たちの力も借りて、あっというまに4thステージゴール地点に到達。
 いや〜、長かった〜。
 話数にしてここまで 27 話、コミックス3巻分にも到達する最長ステージとなりました。
 情報量もハンパじゃなかったですし、移動距離もイベント数もすべてが最大級。
 特盛状態のステージでしたね。
 シャイナとドルキに追い詰められた大ピンチ、パーティ崩壊に始まり、エルモアキッズ登場の感動、文明崩壊の真相、九州編での碓氷帝国との戦い、ネメ姉さんが明かすサイレンゲームと天戯弥勒の正体などなど。
 ほんとおなかいっぱい。
 しかも朧もヒリューくんも終わっていないというオマケつきですもんね。
 そっちもとても気になるわけですが、とりあえずはひとまずゲーム終了。
 アゲハ、雨宮さん、そしてカブトも、お疲れ様でした!


 ひとりひとり、別れの言葉がまたよかったですね。
 ゲームが進めばまた会えるはずさと、カイルはちょっと男らしく。
 なんかアゲハと感じが似ているような気がしてきました。憧れているのかもしれませんね。
 そして、いつでも修行魔人のシャオくんはまだ修行し足りないのかと(笑)。
 一方、世界崩壊後に好きなものを存分に食べられなくなったヴァンは、今のうちに死ぬほどケーキを食べておけと、やっぱりヴァンらしいのん気さですね。
 そして、結局気持ちを伝えられなかったマリーは、最後の最後に過去の自分頼りと(笑)。
 過去の自分よもっと勇気をだしてって、またかわいい事を言ってくれちゃって。
 さらにもう一度会えたら、私……と、言いかけたところでさすがにフーちゃんのストップ(笑)。
 で、そのフーちゃんは

「フン んじゃまたね」

 とさらり。
 いいですねーこの 「またね」 って言葉。
 もう会えないかもしれないけど、「またね」 ですもん。
 そこにフーちゃんの想いが詰まってるんですよね。
 短い言葉ですが、ちょっとこれはグッと来ましたよ。

 いいですね。
 こうでなくっちゃ、と思います、時の旅は。
 いつ永久の別れとなるかわからない、そういう切ない一期一会の繰り返し。
 それが時の旅なんですよね〜。


「じゃあな みんな

 W.I.S.E のヤツらをブッ潰そうぜ

 互いの未来のために――」


 最後、しめっぽくならず、希望と、闘志をかきたてる形にしてくれたのが効果的でしたね。
 うむ、なんかまた会えるような気がしてきましたぞ。
 一度別れたからって、もう二度と会えないなんて決まりじゃないですもん。
 歴史を破壊的に変えたらもう会えないだけで、次のゲームまでの間にそうそう簡単にそれだけのことができるとは、ちょっと思えませんもんね。
 また彼らと次のゲームで会えることを楽しみにしています。

 まぁでも、だからといって現代でやることに手を抜けはしませんよね。
 可能な限り迅速にかつ慎重かつ大胆に、天戯弥勒を追い詰めその計画を阻止せねば。
 そのためには、実は碓氷さんの力が役に立つんじゃないですかね。
 とりあえず近くをウロウロしているであろう碓氷さんをとっつかまえ、天戯弥勒の別荘の残骸なりなんなりからキャツめの情報を引き出すのが一番の近道だと思うのですが。
 さぁ、現代に戻ったアゲハたち、次はどういう作戦に出てくれるのでしょうか。


 

■PSYREN‐サイレン‐の謎
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その08 「灰化する死」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その07 「薄明るいサイレン世界の夜」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その06 「タツオの放浪期間」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その05 「現在と未来の同調性」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その04 「ゲーム主催者」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その03 「ニセ刑事の正体」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その02 「電話の声」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その01 「噂の発生源」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 【序文】


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・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.82 “記憶”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.81 “対面”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.80 “微笑”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.79 “左手”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.78 “檻(ケージ)”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.77 “円”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.76 “家(ホーム)”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.75 “生ける島”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.74 “脳獣(ブレインビースト)”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.73 “偽帝”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.72 “夢喰島へ”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.71 “SOS”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.70 “転生の日B”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.69 “転生の日A”
・ジャンプ感想別室 PSYREN(サイレン) CALL.67 “根(ルート)”
・PSYREN(サイレン)感想 CALL.66 “戦士” 第1回キャラクター人気投票結果発表!
・コミック感想 PSYREN‐サイレン‐ Vol.6 “突入作戦(フレイム)”
 


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posted by BOSS at 21:54| Comment(3) | TrackBack(0) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
 ああ、カブトが卍解してしまうw
 いやだって、自分の心象風景で自分の力の具現体と会話して、『ピンチになったら名前を呼べ』なんですもの!
 まぁしかしこれは、ネメシスQみたいな使い魔作成・使役能力のフラグですかねぇ? 単純に能力が付くより主人公チームとしてバリエーションが持たせられるし、何より自分以外に頼るってのが実にカブトらしいと思うのですがw

 そして注目はカブト×フレデリカ。いやこれ、カブトがマリーに言ってるのをフレデリカがインターセプトなのかな? うーん、いい組み合わせだと思うんだけどなぁ、カブト×フレデリカ。

 で、ふと思った。未来改変が激しいとパラレルになって断絶されて『時の流れから切り離される』。という言い方だと、ヒリュー・タツオ・朧が未来にいるままでそうなったら戻れなくなりそうですよねぇ? まぁ大幅改変できるとしてもまだ先の話だろうけども。
Posted by DISK at 2009年09月17日 16:39
はじめまして、いつも拝見させて頂いております。
ふと思ったんですがアゲハ達が歴史改編によりパラレルワールドをつくったらタブー化によって現代に戻れない朧とはもうあえなんじゃないでしょうか?それに、ヒリュー達がやろうとしていることも歴史が変わる事で意味がなくなってしまいそうです。
まぁきっとその辺も何か仕掛けがあるのかもしれませんね。今後の展開に期待です。
Posted by まいたけ at 2009年09月17日 19:10
 そして今更のように先週の感想にいただいたコメントへレスしてみるw

>DISKん

 そうか、なんかデジャヴーな感じを覚えたと思ったら、卍解だったのね!(笑)
 カブトは自分のスタンドと会話しながら戦うスタイルがあってるかもですね。
 カブトは・・・、どうなんだろう、女の子なら誰でもいいっつーようなタイプに見えてしまう(笑)。
 基本お調子モノだしね〜。
 それで痛いメ見るのが彼らしいっつーか(笑)。
 時間の流れを破壊して別ルートを作るのは、それが成功したときが最終回って感じかもしれませんな。
 だから、それまでは朧もヒリューくんも安心と思っておいていいんじゃないのかな。
 なんか、そういう感じなんじゃなかろうかと思えてきました。


>まいたけさん

 パラレルワールド化は、人類滅亡を阻止するようなでっかい改変を起こさない限りは起きないようなので、そのブンではまだまだ別れ別れになる心配はしなくっていいのかもですね。
 ヒリューくんのやろうとしていることは、それが何なのかによって大きく意味が違ってくると思うのですが、ここはヒリューくんの仕事具合に期待したいところです。
 それがちゃんと現代で意味を持ってくれば美味しいし、逆に意味を失ってしまえばそれはそれで美味しいし(笑)。
Posted by BOSS at 2009年09月24日 23:21
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