2009年09月10日

ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.85 “失踪”

 週刊少年ジャンプ41号収録分の感想です。

【コミック派ネタバレ注意!】




 ということで、朧とヒリューくんの行方がわかったところで一旦中継はルートに戻ります。
 悔しがるアゲハ、ヘッドバット!
 激しいですが、それ一発で悔しさを飲み込んでしまえるアゲハ。

「ヒリューも朧も…

 一緒にゲームを切り抜けてきた俺の仲間だ

 でも見つける手掛かりが無い以上…

 今は 二人を探さない

 二人が生きてると分かっただけでも

 マシだと思わなきゃな」


 悔しくてたまらないのだろうに、なんてプラス思考。
 恐らく自分で自分に言い聞かせるようにして、煮えくり返っているハラワタを騙し騙し冷ましているのでしょうね。

 ふと気づいたんですけど、今ジャンプの主人公の中で、アゲハって明らかに珍しいほどの忍耐派ですよね。
 誰よりも辛い状況に次々と放り込まれながら、苦労し、悩み、辛酸を舐め、苦しんでいる場面がやたらと多く感じます。
 まぁ当然、『巻き込まれ型』 の強制イベントでストーリーが進行する PSYREN ならではという事もありますが。
 しかしそんな色々な場面で、意外とアゲハ、大人な結論を自分からちゃんと出せている気がするんですよね。
 初めてサイレンのゲームに放り込まれた時、ヒリューに暴言吐かれた時(懐かしい!w あの頃のヒリューくんは…)もブチ切れる寸前で踏みとどまり、「今はこの状況を切り抜けるのが先決」 と大人でした。
 アゲハは、本当に辛いところでグッと耐えられるヤツなのですよ。
 乱暴者の無茶属性のようでいて、そういうところがなんというか、切ないいいヤツなんですよね〜。
 私はアゲハのそういうところが好きですね。
 いや、もちろん子供みたいに雨宮さん相手にドキドキしたり振り回されたりしてるところも好きですが(笑)。


 と、そんな話をしていたら、ヴァンがいることをすっかり忘れていた二人。
 おいおい、大丈夫かよと(笑)。
 そもそもこの場面は、ネメ姉さんにヒリューくんたちを探してもらうところから始まってるわけだから、ヴァンがネメ姉さんをキュアしているところから一連の会話は始まってるのだろうに(笑)。
 雨宮さんは途中から部屋に入ってきたんだから、悪いのはアゲハってことになりますな。
 このヌケサクめ。
 しかしドキッとしているかわいい雨宮さんを拝めたので許す(笑)。

 まぁしかしこれではからずもルートのみんなには真実を話せるようになったわけで、これは動きやすくなるのとともに、気が楽になりますね〜。
 と言っても過去に戻ったら話せないのは一緒だから、歴史改編の手助けを頼めるってほどには楽にはなりませんが。
 もう一度洗いざらい情報交換したら、思わぬ手掛かりが出てくるかもしれませんね。


 落ち込むアゲハをどなりつけるフレデリカ。
 これまたベタなツンデレ応援、ごちそうさまでした(笑)。
 しかし、そのツンデレもアゲハの野暮天具合にははるかに及ばないようで。
 素直に 「感謝」+「フー」 の合わせ技で一本。
 フレデリカここに陥落いたしました(笑)。
 もう、とっとと語るに落ちるような告白でもしちまえと(笑)。

 でも、なんかこういう場面見せられちゃうと、そろそろお別れが近いのかな〜なんて寂しく思えてもきます。
 そしたら、もう二度と会えないかもしれないんですよ?
 アゲハが歴史改編に成功したら、フレデリカたちの時間軸とアゲハたちの時間軸は二度と交わらないわけで。
 ここで、ネメシスQの制約がルートに限って改変されたというのが、ここで活きてくるかもしれませんね。
 フレデリカたちがサイレンゲームの内容を聞かされたら、アゲハたちとの別れが永遠の別れになる可能性があるという事に気づいてしまうかもしれません。
 その時、彼らはどういう顔を見せるんでしょうね。
 いや〜、時の旅というのは、やっぱ切ないテーマだよなぁと思うのですよ。


 そしてネメ姉さん、一足先にとんずらグッバイ。
 ランにタダ乗りしてどこかへ去っていってしまいました。
 その去り際、アゲハだけにメッセージを残して。
 聞きようによっては、そのメッセージはアゲハへの応援とも取れる内容ですね。
 歴史改ざんはネメ姉さんの目的ではなく、それは勝手にアゲハたちがやるならやれと。
 しかしそれをするなら、時間軸にはこれまで以上に大きな修復を加えなくてはならない。
 それはもう修復というよりも、あらたな創造のようなものだと。

『時の流れの破壊と断絶

 そして新生

 恐らく 新たな時間軸が生まれ

 お前達はその未来を生きていくことになるだろう』


 おおー、きましたきました。
 歴史改ざんは、新たな時間軸を創造することだという訳ですね〜。
 でも逆に言えば、これまでのような改ざんの程度であれば、時間軸の創造には至っていないということになりますよね。
 つまり、時間軸というのはある程度の広さをもった領域で、その領域の中でならちょこちょこ動くものなのかもしれませんね。
 しかし、世界の崩壊を食い止めるならば、その領域を飛び出るくらいの改ざんが必要であると
 そしてそれをやってしまった場合、それは現在の時間軸を 『破壊』 し、『断絶』 させることとなり、直角にまげて領域を飛び出るようなエネルギーが生み出され、新たな時間軸が 『新生』 するのかもしれません。
 これはなかなか面白い概念です。
 一本型とも、多重並行型とも違う、新しい可能性があるかもしれません。
 ちょっとこれまで出てきた伏線と照らし合わせる作業が必要ですが、なかなか興味深い概念だと思いますよ。
 ふむ、ひさびさに最初から読み返してみるか。


 最後に、ネメ姉さんがこれまでなぜアゲハを特別扱いしてきたのか。
 その謎が解かれました。

『なんでお前を見ていると

 私の心がざわめくのか

 少し分かってきたような気がする―…

 お前と弥勒は…………

 似ているのだな

 ―…お前も姉は大事にしろよ…』


 なるほどね〜。
 外見というか、これは内面の事を言っているんでしょうね。
 弥勒とアゲハが実は血縁とかの可能性もなきにしもあらずではありますが、まぁ突飛な話しなのでそれはとりあえず次にもし補強材料が出てきたら考える事にします。
 ネメ姉さんの言っているのは、主に性格の話しでしょう。
 アゲハには、元々虚無的なところがありました。
 そういうところが、似ているのかもしれません。
 また、アゲハは何よりも仲間を大事にしますが、弥勒も元は姉を想ういい弟だったんだろうなと、ネメ姉さんの言葉からは読みとることができます。
 弥勒が世界を崩壊させたのだって、もしかした姉さんを閉じ込め、心を崩壊させたことの復讐だったのかもしれませんしね。
 だとしたら、弥勒は優しさゆえに世界を崩壊させたってことになるわけで。
 なるほどね〜。
 ネメ姉さん、なんだかんだ言いながら、そういう事を感じる心、しっかり残ってるじゃないですか。


 これにて、ネメ姉さん編終了。
 なんかちょっと、最後はしんみりしましたね〜。
 ネメ姉さん、いいキャラでした。
 またどこかで会えることを楽しみしてますぜぃ。

 しかし、これからネメ姉さん、もしかしてネグリジェひとつで野外生活?
 ムチャやるのう。
 あるいは夢喰島に戻ってゆくんですかね。
 なんにしろかなり厳しいサバイバルになるんじゃないかと。
 今度会うときはむちゃくちゃ野生化してたりして(笑)。


 さて、次からはどうなるのでしょうか。
 めずらしくアゲハパートがひと段落ついたんで、ここはひとまずヒリューくんを見てみたいかな〜。
 ヒリューくんが調べたい事というのが気になって気になって。

 

■PSYREN‐サイレン‐の謎
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その08 「灰化する死」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その07 「薄明るいサイレン世界の夜」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その06 「タツオの放浪期間」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その05 「現在と未来の同調性」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その04 「ゲーム主催者」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その03 「ニセ刑事の正体」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その02 「電話の声」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その01 「噂の発生源」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 【序文】


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・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.81 “対面”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.80 “微笑”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.79 “左手”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.78 “檻(ケージ)”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.77 “円”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.76 “家(ホーム)”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.75 “生ける島”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.74 “脳獣(ブレインビースト)”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.73 “偽帝”
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・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.71 “SOS”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.70 “転生の日B”
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.69 “転生の日A”
・ジャンプ感想別室 PSYREN(サイレン) CALL.67 “根(ルート)”
・PSYREN(サイレン)感想 CALL.66 “戦士” 第1回キャラクター人気投票結果発表!
・コミック感想 PSYREN‐サイレン‐ Vol.6 “突入作戦(フレイム)”
 


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posted by BOSS at 23:08| Comment(2) | TrackBack(0) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
>アゲハは忍耐派
 確かに最初から自力で歯止め掛けてましたねぇ。まぁサバイバルゲームを前面に出している作品なのでそこら辺が適当な主人公だったらと即行死んでそうですなw
 そして他作品主人公だったらを考えてる途中、ブリーチverを考えたら私の厨二脳が暴走して大変だったんだぜ!w いや、ブリーチはやばいね。厨二脳を刺激してやまないよ。

>ルート民に話が出来る
 となると、『いつ・どこで・何が起こるか』の情報が入るって事ですねぇ。それは随分強力なカードですな。まぁ直ぐに歴史が変わってずれていくんでしょうけど。

>ヒロイン戦線
 相変わらずフーちゃんは萌え萌えです。そして雨宮さんはもっとエキセントリックでいてくれないとダメだと思いますw
Posted by DISK at 2009年09月11日 01:48
 もしPSYRENの主人公がルフィだったら、ナルトだったら、一護だったら……。
 考えていくと面白いネタができそうだなぁなんて。
 ブリーチバージョンは特に世界ごとポエムでオサレになりそうで楽しいですな!(笑)

>ヒロイン戦線

 立派な雨宮中毒患者ですなっ!
 あれは次第にどんどん強い刺激でないと刺激と感じられなくなるヒジョーに危険な中毒ですぞ!(笑)
Posted by BOSS at 2009年09月13日 15:09
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