2009年09月07日

週刊少年ジャンプ41号感想 前編

 新連載、『保健室の死神』 が表紙を飾る41号。
 CGっぽい塗りのせいか、お店で一瞬ジャンプを見失ってしまいました(笑)。




 前半の感想は、

・【新連載】保健室の死神
・ナルト
・ワンピ
・ブリーチ
・銀魂
・トリコ

 の6本でお送りいたします。



【新連載巻頭カラー】保健室の死神

 『MUDDY』藍本松先生が帰ってきました。
 今回は前回とは打って変わって学園ホラーモノ。
 『病魔』 と呼ばれる、人の心の弱みにつけこみ人に取り憑く存在を、吸い込んで除去する左手を持った保険医先生を主人公に、学園で繰り広げられるホラー事件を追っていく物語になるようです。
 若干話運びとか、キャラクター同士のかけあいにぎこちなさは感じたものの、それはまぁ第一話にありがちな違和感かもしません。
 読者側が慣れればすむ事ではないかと。

 それより私、この設定が好きなのですよ。
 まず人の精神的な弱みにつけこむ存在ってのが大好き。
 まぁ、自分でもナイトメア・ハンターなんてゲームを作ってるくらいですしね。
 人間の精神面に深く踏み込んだダークな話が出来る反面、そういうディープな問題に魔物を倒すことで一定の解決をはかってしまう、ある種の安直さがいいのです(笑)。
 本来、人間の精神の問題は魔物を倒したところで解決できるはずはないのですが、こういう作品では魔物を倒すことがひとつの通過儀礼となり、犠牲者の精神的成長や、トラウマを越える事につながったりするのですね。
 そういう作品構造が、わたし大好きなのですよ。

 で、その魔物的存在に 『病魔』 っていうごくありふれた名前をつけたところがさらにグッド。
 ここで妙に捻った独自の名前をつけるより、現実にある名前をつけたほうがよっぽどリアリティが出てきますからね。

 というわけで、主に設定方面から惹きつけられた私でしたが、作品としてはちょっと地味めかな〜?という印象が正直なところ。
 キャラ、ストーリー、見せ方などなど、「ここが売りだ!」 と言えるところに欠けている気がしました。
 まぁこういう作品は派手にならず、地味にちょいダークめの話をオムニバスでやっていくのがいいと思います。
 そういうマイペースさが合っていると思いますしね。
 でも、それだとアンケが厳しいんですよね〜。
 早々にバトルに移行してしまうのか。
 それとも最初からそれは想定の範囲内なのか。
 ちょいとしばらくは見守ってゆこうかと思っております。



NARUTO-ナルト-

 先週雑な戦い方をすると言われていた忍者たちですが、なんのなんの、意外といい連携してるじゃないですか。
 サスケチームの互いが互いの攻撃を陽動に使い、攻め込む隙を突いてゆく波状攻撃はうまいと思わされました。
 しかし雷影さん強いなぁ〜。
 サスケも危ないんじゃないだろうかと思えてきました。
 いかに写輪眼の瞳術がすごかろうが、瞳でとらえられなかったらどんな究極忍術もかけられないわけですからね。
 異常なスピードはただそれだけで究極の忍術たりうるということでしょうか。
 それに、さらに奥の手があるみたいですしね〜。

 さて一方のナルト。
 マダラが語る驚きの昔語り。
 なるほど、ナルトとサスケはご先祖が六道仙人で繋がっていた遠い遠い兄弟だったのでした。
 これはたしかに運命的なんだけど、このタイミングでマダラが語るっていうことは、これもまた大きな詐術の一つなんじゃなかろうかって疑ってかかっちゃうんですけどね。
 いや、たぶんマダラが語った過去の流れや、ナルトとサスケの血が遠く繋がっているってことは事実でしょう。
 でも、たとえばナルトが火の意思をついでいて、サスケが復讐の系譜をついでいて、だから戦わなければいけないのだっていう運命観は、マダラの詭弁、というか幻術みたいなものなんじゃなかろうかと。
 ナルトをそう思い込ませる事で戦いにつっぱしらせようとしてるんじゃないでしょうか。

 そもそも六道仙人の子のうちの、兄の 「平和には力が必要」 という考え方をサスケが持っているとも思えませんし、うちは一族だって引き継いでいるとは思えません。
 いや、マダラはもしかするとそうなのかもしれませんが。
 そしてナルトもそうですが、木ノ葉の火影一族だって、「平和には愛が必要」 と思っていたとはちょっと思えないんですよね〜。
 そういった面から、ちょっとこのマダラの言ってることはこじつけなんじゃなかろうかと。
 ナルトたちをだまくらかす詐術なんじゃないだろうかと思えてきたのでした。

 まぁそれはさておき、そもそもこの戦いの発端となったのが六道仙人の継承問題であることだけは確かっぽいですね。
 力こそが平和をもたらすと悟った兄と、愛こそが平和をもたらすと悟った弟。
 なんかキン肉マンの黄金のマスクと銀のマスクみたいじゃないですか。
 結局、どちらかだけではダメってことなんじゃないですかね。
 愛だけでは世界は平和にならなかったのは、その後の歴史が雄弁に語っていますし、力だけでも平和にならないのは、その力をもってしても勝利を得られなかった兄の一族の末路を思えば容易に想像がつくというものです。
 要するに、愛だけでもダメなら力だけでもダメ。
 両方そろって初めて政治が成り立つというものではないんですかね。
 すなわち、金銀のマスクの融合です(笑)。
 六道仙人は死の間際、「どちらかを選ばなければ」 という先入観に陥り、大いなる過ちを犯してしまったのではないでしょうか。
 その過ちを正すのが、ナルトとサスケの仕事となる、というのがこの作品のしめくくりなら、おお〜と私は拍手を送ってしまうかもしれません。
 でも、今の段階でナルトが愛で、サスケが力で、どちらも平和を求めている、とはちょっと言いがたいと思うので、それはちょっと期待しづらいですかね。

 しかしサスケ、本当に憎しみに囚われて復讐の鬼と化してしまっているんでしょうか。
 私にはどうしてもサスケは、マダラに操られて(それこそダンゾウさんに操られた侍大将ミフネみたいに)、それがまるで自分の意思で決めたかのように思い込み、すっかり操られてしまっているようにしか思えないのですが。
 そこんとこどうなんでしょう。
 そういう可能性ってないんでしたっけ?
 コミックスを持ってないんで、細かいところを忘れているのがかなり痛いなぁ〜。
 そのうちネカフェにでも行ってナルト合宿でもしてこようかしらん(笑)。



ONE PIECE

 別エントリーにて。



BLEACH

 スタークさんのあまりの孤独さに泣いた。
 バラガンの死の衝撃から立ち直るために、その昔自ら作り出した第二の人格に励ましてもらうあまりの哀しさ。
 これ、考えてみたらただの一人芝居ですよね。
 孤独に耐えかねた OL が、マンションの自室で一人会話をしているようなものですよね。
 なんて哀しいッ。

 そして最後は、あまりの寂しさについに耐えかね、仲間を大量に召喚してしまう!
 第二人格を作るだけでは飽き足らず、まさか無数の分身を作り出して孤独を埋めようとは。
 それはまるで、咽喉の渇きに苦しみぬいた末、思わず海水に口をつけてしまうがごとき悲痛さ。
 そんな所業をすれば、より己の孤独感を深めるだけ。
 広大すぎる屋敷に、たった一人で永遠に住みつづけなければならない呪われた少女が、無数の人形だけを友達として暮らすがごとき、まさに暗黒の孤独。
 スタークさん、あんた、悲しすぎるぜ!

 ああ、でもスタークさんはその孤独を魂の本質とする虚。
 つまりはそういう行為によって、さらに己の本質を高め、高位の存在として磨き上げているのかもしれません。
 おお、なるほど、それが虚というものか!
 今週は、虚という存在の本質の悲哀を存分に考えさせられたお話でした。

 ……あ、あれ? 間違ってるかな?
 


銀魂

 シ モ ネ タ す ぎ る !(爆)

 冒頭、あまりの怒涛のシモネタにマジで心配になってしまいました。
 PTA見てないよね?(笑)
 よい子は絶対今週の銀魂をお父さんお母さんに読ませないでね。

 しかし、銀さん猫かわいいじゃないか。
 ブサイクなんてとんでもない。
 こんな猫ならうちで飼います。
 たぶんエサはチョコパフェとかでいいよね。
 チョコパフェに鰹節とかふりかけると完璧よね。

 途中このまま実は猫的なイイハナシ短編で終わるのか?と思いきや、まさかの桂乱入、そして爆笑のゴリラ登場。
 いや〜ここは声出して笑っちゃいましたわ。
 ここまで猫、猫、猫ときて、なんでそこでゴリラかよと(笑)。
 しかもスパイダーマン的な別件ってなんだよと(笑)。
 空知せんせーにはいつもながら騙されますわ。

 ところで銀魂はこういう話が意外長編化したりするから気が抜けない。



トリコ

 ごめんなさい、私にも言わせてください。
 たぶん今週はあっちこっちで言われているんだろうけど、私だって言いたいです。

 しまぶー! 謹慎中に FFXI やってたろ!!

 今週の美食會の会話で出てきましたレベルの“壁”という概念、そしてそれを打ち破るキーアイテムの存在。
 これって FFXI の限界突破クエストそのまんまなんじゃなかろーかと。
 いやまぁレベル限界システムは FFXI に限った話ではありませんが、クエストによってそれを突破していくっていうのを聞くとどうにもそれを連想しちゃいますわ(笑)。

 しかしこれ、けっこう便利なシステムですよね。
 たいがいのバトルものでは、主人公たちがやたらと成長が早いのに対して、敵側はどうしてその間に成長しないんだろうという、素朴な疑問ってよくあると思うんですよね。
 敵って大体成長しないもので、中にはごくまれに主人公たちと競うくらいに成長する敵もいたりするものですが、大体は主役達に凄い勢いで抜かれてゆくのが敵の役割なわけで。
 普通はそういうのは漫画のセオリーだからだよとか、敵が油断してたんだよとか、そういう脳内補完で済ませるものですが、この“限界クエ”システムならそれにしっかりとした説明がつくわけです。
 しかもその“限界クエ”自体が新たなミッションを生み、次なる対決を生む原因ともなるわけで。
 さすがしまぶー。
 転んでもタダでは起きないとはこのことよ。

 そーいや、冨樫先生もそろそろゲームやめて帰ってこないかなぁ〜(笑)。

(注:今週のトリコ感想は純度100%BOSSの妄想によって出来上がっております)



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posted by BOSS at 22:20| Comment(0) | TrackBack(5) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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