アルド・ナリスが生きていた!
その衝撃がひとりの復讐者を生む。
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【ネタバレ注意!(原作ネタバレは避けています)】
あらすじ
悲しみの墓標、心の宿
燃え盛る炎が身を焦がす
狂おしく吹き荒れる嵐の中で、二人の心が結びつく
それは永遠を誓う契りにも似て…
愛するナリスとミアイルを失いモンゴールに戻った失意のアムネリスに衝撃の事実が伝えられる。パロ、クリスタルの反乱を指揮していたのは「死んだはずのアルド・ナリス」なのだと。裏切られたにも関わらずナリスとの甘美な思い出を捨てられない自らの惨めな女心を封印するため、アムネリスは自らの髪を切り復讐を誓う。そしてそのナリスへ魔道師が「占星盤が巨大な赤い星が勝利の宮から入る様をうつしている」と報告していた。(公式より)
■モンゴールの刺客、第2ラウンド
グインに迫るモンゴールの刺客。
第2ラウンドは小男の投げナイフ使いと、大男の力自慢の典型的な大小コンビ。
小男が投げナイフでグインを牽制し、その隙を突いて大男が突進してグインを締め上げるといううまい連携が決まり、グインはギリギリと締め上げられてしまいました。
しかし、この場面はどこかデジャヴーですね。
そう、グインはこれまでガブールの大灰色猿にも、ラゴン族の勇者ドードーにもこうやって締め上げられ、それをなんとか凌いできたのでした。
そのグインにしてみれば、所詮は人間レベルの大男の力などさしたるものでもなく。
いとも簡単に真っ向唐竹割りに斬り捨てて、小男もバッサリ切り捨ててしまいました。
たしかにキタイの暗殺者たちはいい連携でした。
しかしそれは人間レベルでの話。
グインを相手にするには“人間以上”という想定が必要なのだよな〜と、つくづく思い知らされた対戦でした。
グインの潜在能力を引き出すには、ちょっと遠い戦いでしたものね。
それを考えると、あの青騎士隊長マルス伯爵は凄かった。
人間でありながら、あそこまでグインの能力を引き出したんですから、たいしたものです。
さて、暗殺者の残りはあと2人。
ワイヤー使いの女とモグラ殺法のハゲ男のコンビですね。
次こそはグインをもっと追い詰めて、グインのカッコよさを存分に引き出して欲しいものであります。
■復讐の女神
いや〜いいじゃないですかいいじゃないですか。
パロ挙兵、アルド・ナリスが生きていたの報に衝撃を受けるアムネリス。
自分は裏切られていた。
いや、裏切るというよりも、最初からすっかり騙されていた。
愛はすべて虚構。
最初から全部ナリスの掌の上で踊らされていたに過ぎなかったのだ!
衝撃具合の演出といい、怒涛の栗本節を展開させるアムネリスの真情描写、長広舌といい、実にこれこそがグイン・サーガよ!と唸らされる名場面でした。
おかわいそうにと慰める気のいいフロリーに、「え!?私が泣いているって!? 何フザケたこと言ってんの!? こんなに酷い仕打ちをうけて泣けっつーの!?」 と泣きながら見事に逆上するアムネリスもよかったですし(注:そんなセリフじゃないですw)、暖炉で思い出のドレスを焼き捨てながら、「それでも私の中でナリスさまを愛する気持ちが死のうとしないのだ、それが許せないのだ」 というこの複雑でやるせない気持ちもすばらしい。
このぐちゃぐちゃ状態こそが人間なのですよね。
追い詰められた人間は、そんな理屈が通ったり理路整然なんてとてもじゃないけど出来ないものですよ。
こういうところが栗本文学のすばらしいところだと思うんです。
ぐちゃぐちゃでもしょうがないじゃないと。
ぐちゃぐちゃな人間を否定しないで、肯定もしないけど泣きながら抱擁してくれるような、ね。
決して 「こいつはダメなヤツだ」 と切り捨てない、どこまでも愛情深く慈悲深い、人間愛に包まれているのが栗本文学だと思うのです。
その根底にあるのが、栗本薫の 「人間心理の根底には物語欲というものがある」 という考え方だと思うのですが、それについてはここでは語らず、また機会があれば。
さぁ、復讐の炎に見事に燃え上がったアムネリス。
炎の中で睨み合うナリスとアムネリスの心象風景がいいですね〜。
「あなたが火をつけたこの炎が
あなた自身を焼きつくすまで
私はあなたから離れない。
私たちは憎しみによって
一生結びついたのです」
さぁ燃え上がったアムネリス。
まさに炎の女。
憎しみで人を殺せるものならば、今のアムネリスはパロ全土を焦土と化してしまうでしょう。
そういえばアムネリス、ナリスに騙された当初、私を裏切ったらパロを滅ぼしてやりますからね、なんてことを言ってましたよね。
奇しくもアムネリスは予言者の力を発揮してしまったのですね(笑)。
なんとも皮肉な話です。
さて、出陣のアムネリスですが、折悪しくそこにあらわれるスカール軍。
なんともKYなスカさんですね〜(笑)。
悔しさに地団太を踏む思いのアムネリス。
わかるぞ〜、その思いわかりますぞ〜。
「これもあの人の策略か!」
って(笑)。
いや、違うんだけど、それでもナリスは 「え? そう思うかい? 貴方がそう思うならそうなのかもしれないねぇ」 なんてふてぶてしく言いそうではあります(爆)。
アムネリス、どこまでも哀しいやつよ。
それはそうと、鎧姿のフロリーがかわいかった。
ここんところずっとアムネリス姫さまに付き従って優しく従順なところを披露してくれているフロリーですが、いや〜やっぱりかわいいですね。
グインにはリンダとかアムネリスとかリギアとか、いずれ劣らぬ女勇者があまた出てまいりますが、やっぱり私みたいな普通の男子としては、フロリーみたいな娘が一番魅力的に見えますね(笑)。
しかし原作でこんなにフロリーって出番多かったかな。
けっこう目立たせてくれている若林監督も、実はフロリーのことが好きなんだったりして(笑)。
■イシュトの転職活動
さすがは《紅の傭兵》、転職活動も早い早い(笑)。
双子護衛の仕事が終わったら、今度はパロの聖騎士団!
転職するたびに給料が上がる理想的な転職屋ですね(笑)。
冗談はさておき、やっぱりここはかっこいい。
グイン世界のいい男ランキング1、2フィニッシュを飾るナリスとイシュトの初対峙ですもんね。
しかも後々の展開を考えたら、考えられないくらい運命的な出会いでもあります。
しかし大貴族ナリスを目の前にしてまったく物怖じせず、
「俺が欲しいのは入り口だけ。
あとは手柄を立てて自分の力で出世します!」
な〜んてビッグマウスなイシュト。
気概に燃えまくってますね〜。
実に健やかで気持ちのいい、日本男児の心意気です(笑)。
ナリスもそんなイシュトの心意気に惚れたのか、二つ返事で聖騎士団の、それもナリス側付きにイシュトを抜擢。
戦場でまるで兄が弟に教えるようにイシュトに戦争のなんたるかを教えます。
しかし作戦がどうこうって言いますか、その魔道士団は反則ですよ(笑)。
モンゴール兵に身をやつしたヴァレリウスたちがいつのまにかタイラン長官を囲んでいて、あっという間に抹殺完了。
後々考えてみれば、これって素人に対して魔法を使って著しく政治に介入したのですから、魔道士の戒律である《魔道12ヶ条》に思いっきり違反しているんじゃねーのか? とか思うのですが、まぁ魔道士の塔も時々特例を出して許可を出すってこともあるとどこかで読みましたし、そういうことだったのでしょう(笑)。
つか、そういう特例中の特例だったんだからヴァレリウスさん、
「お前らは、かの有名な魔道士部隊を知らんのか?」
はないですよ(笑)。
タイラン長官だって、魔道士くらいは知ってますが、それがまさか直接人を殺すなんて思ってもみないでしょうよ!
■さていよいよラストスパート
パロ・モンゴールの戦役も最終局面。
グインの対刺客戦も恐らく残すはあと1戦。
イシュトの遍歴も次でひとつの結論を見る事になるのでしょう。
さぁいよいよクライマックスが近づいてまいりました。
どんな最後の盛り上がりを見せてくれるのか楽しみです。
そうそう、今回ちょっと気になったのが、ゴホゴホ言ってたヴラド大公殿下ですね〜。
咳き込むたびに小姓のシドが介抱して、薬を飲ませておりましたが、いや〜、あの薬が怪しいなぁ〜と。
つか、そもそも暗殺者に薬の世話を頼むなよと(笑)。
絶対暗殺されちゃいそうじゃないですか。
今回キタイの暗殺者とシドというキャラ自体がオリジナルの存在なので、そのあたりにもオリジナルの展開が待っているんじゃないのかな〜なんてキタイ…じゃなかった、期待しちゃいます。
そして、そのシドの後ろには……かの○○○○・○○○が―!―とかね(笑)。
そんなことをほのめかす引きをしてくれたりしたら、原作ファンとしては嬉しいんですけどね〜。
はてさて。
ともあれ残すはあと4話!
このまま盛り上がってって欲しいですね〜。
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グインサーガ
なつかしかったので、ちょっとコメします。
【原作ネタバレあり】
アムネリスの最後を知ってるだけに、なかなかかわいそうな、人生だなあと、こんなにきれいなのに。
でも、ナリスにしても、イシュトも、みんな成就しないのよね。
リンダだって、結局は近しい人達をみんななくしてしまうんだし、誰が幸せになったんだろう?
グインはいつまで立っても、謎のままだし。
なぞのままで、栗本薫は逝ってしまったし、どうなるんでしょうね?
おじゃましました。
ほんと、運命の流転の不思議、ロマンをつくづく感じさせてくれるドラマだなぁと思います。
そこがグイン・サーガ最大の魅力だと、私なんかは思ってるんですけどね。
あと、勝手ながら杏仁豆腐さんのコメントに【原作ネタバレあり】のコーションを入れさせていただきました。
当ブログはそのあたりを気をつけて管理してゆこうと思っておりまして、ご理解ご了承いただけたらと思います。
今後ともよろしくです^^
>魔道士の戒律である《魔道12ヶ条》に思いっきり違反しているんじゃねーのか?
私もこの点が気になって、原作のその箇所を探してみたんですけど、原作では、魔道師服姿で空間からわき出てきて、短剣を出して「司令長官タイラン殿、お生命、頂戴つかまつる」でした。生命を奪うのが魔道以外の方法なら抵触しないということでしょうかね?ミアイルのときもそうだったし…
それから、ふと思い出したのですが、若林監督がHPかなにかのインタビューで、「原作ではグインも剣で戦うシーンが多いけれども、アニメで剣でバッサリやると残酷に見えるので格闘技を増やした」とおっしゃってました。それでここも魔法をかけた演出にされたのではないかと…アニメだけ見ている人は、十二条のことはご存じないですからねw
なんか、とってもパロ的ですわ(笑)。
おっしゃるとおり、たぶんアニメ的に演出したのだと思われますね。
アクションも、設定も、背景も、アニメとして出来るだけ見栄えがするようにいろいろと気を配っているのが分かりますもの。
イシュトを気絶させて宮殿に連れ込んだ時だって、煙幕がやたらと派手でしたもんね(笑)。
先日は配慮の無い書き込みをしてしまって、すみませんでしたm(_~_)m
以後、気をつけます。
アニメを観てから、原作をもう1度読んでみてるんですが、
ナリスがイシュトヴァーンを自室に招待するまえに、
気絶している間に、ナリス様、ちゃんと密書のなかみをチェックしてるんですねw
そして元どうりの場所に戻して、気が付いたイシュトと何食わぬ顔で話をしてるw
アムネリスの裏切られても嫌いになれない(どころか、まだ好きでいる自分を再認識さえしてしまう)心理、そして、そんな自分がどうしようもなく嫌だという気持ち、すごく理解できます。
原作だと、愛と恨みの気持ちが何度も行きつ戻りつしてるあたりが、よりリアルです(^^;
本当に栗本さんは、こういう人間のもつドロドロになりかねない心理をうまく表現しておられて、共感や愛しさえ感じてしまいます。
>先日は配慮の無い書き込みをしてしまって、すみませんでしたm(_~_)m
いえいえ〜、こちらがちょいと面倒な決まりを作っているだけなんで、お付き合いさせてしまって恐縮です。
>ちゃんと密書のなかみをチェックしてるんですねw
うむ、そのぬかりのなさというか、身も蓋もなさが好きです(笑)。
でもちゃんと元にもどしておいて、イシュトが起きたらさも初めて読むようなフリしちゃうのがナリスさまの品のよさというか。
まぁ人によってはそこが人の悪いところだと言われるのかもしれませんがね(笑)。
ちなみに削除希望とのことなのでコメントをひとつ削除させていただきましたが、わたしまったく不快とか思ってないので大丈夫ですよ^^
これからも遠慮なしにばしばしコメント入れてくださいね。