2009年08月20日

スティール・ボール・ラン感想 #50 弱点の証明

 ウルトラジャンプ2009年9月号掲載。
 ジョジョの奇妙な冒険 Part7
 SBR #50 弱点の証明
 の感想です。
 ついに、その時がやってきた。
 Dio & ホット・パンツ組と大統領の最終決戦!
 激烈な攻防は最後に驚愕の結末を迎える!?

【ネタバレ注意!】




 さぁ、ケリをつけようぜ。 (扉アオリ文)


 ということで、ついに来ちゃいましたぞこの時が!
 Dio & ホット・パンツ組と大統領の最終決戦。
 今回は、そのビッグネームにふさわしいテンションの高さと、かけひきの緊張度、攻防の回転力、などなど、さまざまな面で最高にレベルの高い回となりました。
 いや、そんな冷静な分析なんてブッ飛ばすくらい、めちゃめちゃ興奮させられてしまいました!

 なんと言っても、冷静冷徹に大統領の能力すべてを先読みし、的確に戦いを進める Dio がかっこいい。
 壁に叩きつけたり、拳と拳ではさみ込んだりすれば大統領の能力が発動してしまうなら、徹底してチョップ、チョップ、チョップ!
 鋭いツメで切り裂くのみ!
 なるほど、その手があったかと。
 シンプルですが確実ですね〜。
 ちょっとかすっただけの大統領の口元が唇から顎にかけてパックリ割れちゃってるのがゾクリときました。
 しかしこの手でも油断はできません。
 これはジョジョですから、「切断された体はすでに自分の体ではない」 とかなんとかいって、自分の切り飛ばされた体と体で挟み込んで能力発動!とか平気でやりそうですからね!(笑)

 と、思っていたら、大統領が隙あらばモノを使って体を挟もうとするたびに、ホット・パンツが巧妙に邪魔をする。
 おおー、これはなんというコンビネーション!
 Dio がスピードと破壊力を活かし、メインとなって攻撃を担当し、ホット・パンツがその利便性を活かして大統領の能力発動阻止を担当する。
 即席コンビでありながら、実に相性のいいコンビじゃないですか。

 ここはなんか読んでてウズウズくるものがありました。
 上手い!って思いつつもなんか、本来の主人公チームになりかわって嫉妬するような、ね(笑)。

 いや、でもライバルチームがこうやって大活躍するってのも、やっぱり実に面白いですね!
 読者は、ライバルチームはボス敵には負けるものだと思ってるもんじゃないですか。
 でも、そのライバルキャラが好きなら心のどこかでは応援していて、善戦してくれればいいなと思ってたり。
 そういう微妙な心理が働いていて、さらに死ぬのか? 生きるのか? なんてスリルもあったりするもんだから、ライバル対ボスってのは非常に面白いテーマなんですよね。
 シーザー VS. ワムゥしかり。
 リゾット VS. ディアボロしかり。
 だからここまで大活躍、大健闘してくれたら万々歳なわけでですよ。
 

 しかし、今回はここからのシーソー・ゲームが本当にアツい!
 Dio と大統領のゼロ距離の攻防から、まさかの水滴での能力発動。
 そして、戻ってきた大統領はなんと3人!
 3対2の恐怖の戦いとなり、どうなるのかと思いきや、それすら Dio の計算のうち。
 というか Dio はこの時を待っていたとばかりにホット・パンツの肉スプレーで大統領化!!
 いや〜これはまいった。
 大統領の心理の裏を見事に突いたトリック。
 しかも、そのトリックを一瞬もひきずらず、即座に大統領2名を即死させる一手の早さ。
 この、有無を言わさぬばかりの即断即決即死亡なスピード感は惚れ惚れしちゃいました!
 さすがディオ様、一手一手が理にかなっていて輝きまくっております。
 あのどうやって対処したらいいんだかわからなかった大統領の能力を、まさかこんなに完璧なまでに攻略してしまうとは。
 いまや一方的に押せ押せじゃないですか。
 やってみせてもらえば実にシンプルな作戦ですが、しかしそこはコロンブスの卵ですよね。
 これまでの差し迫った状況で、これだけの爆発的な発想力はさすがとしか。
 シビレて憧れざるを得ませんわ!
 

 さらに大統領を追い詰める Dio。
 逃げる背中にまず一発。
 さらに窓から飛び降りた大統領を追い、能力発動の道具になりそうなガラス破片も除去して今度こそ致命傷をドスッ!
 さぁ、これはマジで決まったか!?
 というところで次号へつづく、な、わけですが……いや〜これはどうなるんでしょうか。
 気になりますよね〜!
 このまま Dio は勝利して、遺体を手に入れてしまうのでしょうか。
 これにて大統領の能力は完全攻略されたということで、ディオ勝利! というのはマジでアリなのかもしれません。
 それはそれで面白くなりそうですし、やっぱりラスボスはディオ様なのか! と嬉しくもなるのですが、しかしそうは問屋が卸すのでしょうか。
 ちょっと思ったのですが、大統領が“3人”とは、決まってないんじゃないでしょうか。
 どこかに“4人目”が隠れていて、それこそが“基本”の大統領だとしたら……。
 まんまとハメられたのは Dio のほうだったかもしれませんよね。
 さぁ、ほんとうにどうなってしまうんでしょう。
 一寸先は闇のこのレース最終局面。
 またまた来月が待ちきれない状態になっちゃいました。


 しかし今回は、非常に理解しずらい大統領の能力“D・4・C”について、いろいろ謎が解かれた回でもありましたね。
 まずは大統領の傷が、となりの世界に行くと治っちゃう謎については、なんと大統領が隣の大統領と入れ替わっていた事が判明。
 単に入れ替わるのではなく、記憶も性格もまったく“基本”と同じになるようで、さらにD・4・Cのスタンド能力もついてきちゃうとのこと。
 つまり、魂が入れ替わっちゃうって理解でいいのでしょうか。
 これでルーシーに首を刺された大統領が、戻ってきた時には無傷だった事も理解できましたし、まぁあとメタボ気味だった大統領が最近すっかりイケメンマッチョになっちゃった謎も解明されましたね(笑)。

 そして、これは私の思い込みだったのですが、隣の世界の大統領たちはスタンド能力を持っていないと思っていたら、なんとみんなD・4・Cを出してきたじゃないですか。
 ただまぁこれは見た目だけという可能性がありますね。
 隣の世界の Dio たちはD・4・Cの能力を知らないはずだと先月大統領が言ってましたし、また、遺体のある世界のD・4・Cこそが“基本”のような表現がされてました。
 パラレル宇宙の自由な行き来ができるのは基本のD・4・Cだけであり、残りのD・4・Cはただ見た目が同じだけの 「近距離パワー型スタンド」 ってことかもしれませんね。
 あ、でもそうすると、なぜパラレル世界でも大統領みんながスタンド能力に目覚められたのかという問題は残るのか。
 基本の大統領がスタンドに目覚めたのは、遺体の心臓を手に入れたからということでしたもんね。
 これは推測ですが、遺体のかわりに隣の世界で奪い合っているダイヤとかその他のものが、微弱ながらスタンド能力を引き出す力を持っているのかもしれませんね。

 それはさておきやっぱりD・4・Cは強力ですよ。
 今回は3人で済みましたが、パラレルワールドは無限にあるわけですからね。
 今回みたいに時間のない攻防なら2人くらいを呼んで来るのが限界だったでしょうけど、時間があるなら何百人何千人っていう近距離パワー型で徒党を組めるわけですからね!(爆)
 そんなもん、立派な軍隊ですわ。
 マジでタチの悪い能力だなぁ。


 ところで、これはどうでもいい話なのですが、Dio が途中で

「ブッ殺してやるッ!!」

 と、叫んだ瞬間、プロシュート兄貴が頭に浮かんだのは私だけでしょうか(笑)。
 「あ、Dio がマンモーニになっちゃった。こりゃ Dio 負けたな〜」 ……って思っちゃったのですが。
 メメタァとか、ズキュウウンとか、色々とファンサービスが出てくる SBR なものですから、これももしかして?って思っちゃうんですよね(笑)。
  


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