2009年08月09日

アニメ感想 グイン・サーガ 第18話 「さらば愛しきひとよ(後編)」

アムネリスさま!

 陰謀篇クライマックス。
 パロとモンゴールの策謀うずまく婚礼が、ついに始まった!

過去感想 → 1 , 2 , 3 , 4 , 5 , 6 , 7 , 8 , 9 , 10 , 11 , 12 , 13 , 14 , 15 , 16 , 17

【ネタバレ注意!(原作ネタバレは避けています)】



あらすじ
うたかたの夢は露と消えゆき
断ち切る想いに心が揺れる
鈍く光りし刃の先は過去を映して虚ろに光る
響き渡る旋律を悲しみの色に染めて…。

マリウスが目を離した隙に、モンゴールの公子ミアイルは暗殺されてしまう。全てに絶望したマリウスは、パロを捨て、王子の地位も捨てて旅立ってしまう。時を同じくして、パロではアムネリスとアルド・ナリスの婚礼が始まるが、リーナス卿配下、ヴァレリウスに操られたアストリアスの乱入により、ナリスは殺されてしまう。ミアイルもアルド・ナリスも失い、失意のうちにモンゴールへと帰国するアムネリス。しかしアルド・ナリスは生きていた。ナリスは身代わりをたてて暗殺を回避していたのだ。ついに自由を手にしたアルド・ナリスの反抗の時が始まる。(公式より)


■ナリスの演説かっこよすぎ!

 暴徒と化す寸前のパロ民衆を前に、堂々と演説を始めたナリス。
 いや〜かっこいい。
 そしていい声してる。
 広場に響き渡るようないい発声してますよね。
 まさに王者という風格が備わっていました。

「ナリスの行動を決めるものは、ナリスの意志だけ!
 私を愛するなら信じるがいい!」


 カリスマ性の高さがいかんなくほとばしったその瞬間でしたね〜。
 ここは名シーンです。
 そしてまた、ナリスに王を見てしまう民衆の素直さ。

「アルド・ナリス陛下!万歳!!」

 期せずしてナリスを陛下と呼ぶ大歓呼の嵐。
 それを聞くナリスの思いはいずこにあるものか。
 かっこいいシーンでありながら、どこか未来の暗雲をも垣間見せるような、そんな不吉なシーンでもあり。
 これぞグインの 「運命」 のドラマですよね〜。
 いや、これは印象的なシーンでありました。


■ミアイルの不思議とおだやかな死に顔

 恐ろしい運命はついにミアイルを捕らえてしまいました。
 まるで眠るように息絶えてしまったミアイル。
 それに話しかけ、呼び起こそうとするマリウスがあまりにも哀れ。
 こんなことをしたロルカも、指示をしたアルド・ナリスもマジで許せね〜ッてなりますよね。

 これまで兄に対して複雑な屈折をもち、吟遊詩人として諸国を放浪しながらも、やはりパロのために動いていたマリウスも、これにてついにパロと、ナリスと決別する決意を決めました。
 考えてみれば、アストリアスを最初にたぶらかしたのはマリウスですし、そういう隠密的な陰謀の片棒を自分だって担いできたんですが、やっぱり自分の子供時代とあまりにも似ていたミアイルの死は、これだけは許せないと、そう思ったんでしょうね。
 あまりにも大きな傷が、マリウスの心奥深くえぐられてしまいました。

 ラスト、湖畔でミアイルの声の幻聴が聞こえてきちゃった時はたまらずこみ上げてきてしまいました。
 白鳥じゃないですか。
 そう、ナタールの川に白鳥は浮かぶよですよ。
 死んだ魂は白鳥となってナタール川に現れるのですよ。
 自分が死ぬ事ばかりを考えていたミアイル。
 死んで白鳥になれたら、自由に飛び回る事ができるんだねと喜び、夢見ていたミアイル。
 ああもう、なんて悲しい、辛い話なんだ。
 ただただ、ミアイルくんの魂がやすらかに、世界を自由に飛びまわれていることを祈るしかないです。
 
 
■死の婚礼

 そして、ついにやってきた死の婚礼。
 アストリアスの乱入、倒れるナリス、アムネリスの驚愕。
 そしてリーナスやヴァレリウスの崩れてゆく思惑。
 はたして真犯人はいずこに?
 などなど実に密度の濃い怒涛の展開。
 陰謀篇クライマックス、ついにそれぞれの思惑が噴出して結果を結びます。
 その勝者となるのは、はたして誰なのか。

 という展開はおいといて、やはりアストリアスくんがなんとも無残。
 すっかりストーカーが板についた上に、ヴァレリウスにまで操られて狂っていたとはいえ、その純情だけは本物だったのではないかと思うと、あのアムネリスの反応を目にした絶望は、やっぱり悲しいものがありますね〜。
 愚かなのは愚かですが、なんともかわいそうなヤツだと思いますよ。
 
 アムネリスの反応も酷いものでしたね〜。
 愛する人を傷つけた男の正体が、なんと自分の信奉者アストリアスだったとわかったとたん、

「よ、寄るな! 目障りだ! 連れてゆけッ!」

 って。
 もうちょっと言い方があるでしょうにと。
 むしろもうちょっと言う事、聞くことがあるでしょうにと。
 このあたり、やはりアムネリスという女性にどこか肩入れできないところなんですよね〜。
 女だてらに将軍やってるところとか、アルド・ナリスに手もなく騙されちゃうところとか、そういうところはカワイイじゃないかと私なんかは思うんですよ。
 でもね、こういう言葉の端々に見えてしまう本質の人柄の部分に、タチの悪い身勝手さを感じてしまうんですよね〜。
 悪い女性じゃないんだけど、大事なところじゃ人の気持ちを察する事を放棄してしまうような感じがするんですね。


 完全拒絶を受け、連れ去られてゆくアストリアス。
 その叫びがなんとも悲痛でたまらない。
 バカな男でしたけど、いろんなヤツに利用されて、この陰謀篇でミアイルくんに続いてかわいそうな被害者だったのかもしれませんね。
 
 その後牢屋内から謎の女性に助け出され、今度はいったい何に利用されようというのかということですが……。


■そして全てのタネあかし

 そしてなんとというか、当然というか、やっぱり生きていたアルド・ナリス。
 牢屋内からアストリアスを救い出したのは、ナリスの女装だったのでした。
 とすると、ダルブラに毒がすりかえられていた剣を持ち去ったのも、やはりアルド・ナリス。
 あの時点でナリスは身代わりを婚礼に立て、自分は女官として側からこっそり覗いていたのですね〜。
 これにて、モンゴール側の政略結婚および暗殺計画も見事に出し抜き、リーナス&ヴァレリウスの計画も出し抜き、さらに何者かわからない真の暗殺計画も出し抜き。
 まさに八面六臂の大活躍でナリスが陰謀篇に完全勝利を収めたのでありました。
 いや〜かっこよすぎですよナリス。
 この幾つもの勢力を相手どっての完全無欠な大勝利は見事としか言いようがない。
 死ぬ死ぬ詐欺を得意技とするナリスですが、これは彼の最高傑作といっていいほどの立ち回りだったんじゃないでしょうか。

 最後に、ナリスはルナン侯と乾杯。

「となれば、いよいよでございますな」
「ああ乾杯だ。今こそ始まる復讐の一戦のために」
「尊い祖国の誇りのために」


 さぁきました。
 陰謀篇はこれにて終了。
 ついに戦乱篇の始まりです。
 いかなる手段をもってしてナリスが復讐戦にのぞむのか。
 そのときリンダは、レムスは、グインは、イシュトは。
 そして今はナリスが死んだと思い込んで失意のどん底のアムネリスの反応は!
 否が応でもテンションが上がってくるではないですか。


 しかし、これにてミアイル暗殺が無駄になってしまったというのが、なんとも皮肉な話ではあります。
 無駄にならなければミアイルくんが浮かばれるってわけでもありませんが、そもそも死ぬ必要がなかったとなってしまうと、なんともね〜。
 ナリスがミアイルを暗殺させたのは、その前にヴァレリウスが指摘していたように、ナリスはモンゴール大公の座を欲しかったからなのでしょう。
 モンゴール憎しでやったことではないはずです。
 あの時点で、ナリスはリンダとレムスが生きている事を知っています。
 この分だと、ナリスはパロの王座を手に入れられそうもない。
 ならば、逆にモンゴールを乗っ取ってしまおうと。
 だとすると、第一大公位継承権を持つミアイルを亡き者にしなければならない。
 そういったことで行われた暗殺計画だったはずです。
 しかし、それはナリス暗殺計画によって婚礼が阻止され、はからずも頓挫する事となってしまった。
 ナリスの命を巡る攻防においてはナリスが完全に全ての勢力を出し抜きましたが、ひそかなナリスの野望においては、実はナリスは謎の暗殺首謀者によって計画を見事に阻止されてもいるんですよね。
 このあたり、実は原作でもちょっと分かりにくくなっていて思わず読み落としそうになるところなんですが。
 そういうところに気づくと、なおさらやっぱりミアイル君の死がいたたまれなく思えてくるのです。
 いったい、なんで死ななければならなかったのだと。
 もうちょっと暗殺の実行が遅れていたとしたら、暗殺する意味が失われて、生きていてよかったのかもしれないのにと。
 まぁ、つまらない繰言なのかもしれませんが。
 そう思わずにはいられません。

 ああ、でも一応、ケイロニア皇女シルヴィアとの婚礼を阻止するという意味もあったのかもしれませんね。
 それによってモンゴールのバックにケイロニア(中原で最大最強と言われる国家です)がつく危険を断ち切っておいたと。
 だとしたら、やっぱりミアイル君は死なざるを得なかったのかなぁ。


 ところで、煙とパイプ亭にマリウスがかくまわれるエピソードがカットされちゃったんですね!
 第2部が作られたとしたら、ちょっと困らないですかねえ(笑)。
 一応煙とパイプ亭はれっきとしたレギュラー陣で、後々非常に重要なエピソードがいくつも描かれる舞台なんですけどね〜。



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posted by BOSS at 23:06| Comment(2) | TrackBack(0) | ドラマ・アニメ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんばんは、お邪魔します。
私はちょっと今回の話は無いかな〜と思いました。
ミアイル君の死に方があっけなさすぎて、原作の衝撃とか喪失感をまったく感じませんでした。
けっこう監督さんはがんばってるかな〜と思ってたんですが、今回の話でかなり失望してしまった感じです。
グインサーガはアクションだけがウリじゃないと思うんで、今回のミアイル君の話もナリスの業を視聴者に印象付けるとても重要な話だったと思うんですけどねえ。
愚痴ってすみません。
思い入れがあるだけについ…。
Posted by yuki at 2009年08月10日 00:38
 こんばんわ〜。
 私もグイン・サーガ全編のなかでもミアイルくんの話には特に思い入れがあるので、ちょっと物足りない気はしたのですが、それはまぁファンの欲張りな願望なのかもなぁと思っておくことにしました。
 小説には小説の得意分野があり、アニメにはアニメの得意分野があるとも言いますし。

 むしろ私は、監督が得意分野だというアクション部分でもっともっと頑張って欲しいなぁと思いますよ。
 若林監督がてがけられたナルトの伝説回と呼ばれる話を観ましたが、あれはたしかに目を見張る素晴らしい仕事でした。
 グインでもそれ以上に凄い伝説回を作って欲しいって思っています。

 でもま、やっぱり人間の心理描写や情緒的な部分もしっかり頑張って欲しいですね!
 なにせ今回が初監督作品ですから、そういった意味では、これからの成長が楽しみな作品でもあると思っております。

>愚痴ってすみません。

 いえいえ〜(笑)。
 なにせ私はポジティブシンキングなので、このようなポジティブ思考がお役に立てれば幸いと思ってお返事させていただいております。
Posted by BOSS at 2009年08月13日 00:49
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