今週はグイン一行はお休みで、主にパロ、モンゴール方面のお話。
各人のおもわくが複雑に絡み合い、嵐がまきおこるまさに前夜、といった趣になりました。
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【ネタバレ注意!(原作ネタバレは避けています)】
あらすじ
彼(か)の寵愛(ちょうあい)を受けし者、
彼(か)の導きを求めし者、彼(か)の威光(いこう)に溢れし者
それは全ての愛と美を司(つかさど)る女神にして
あまねく喜びと憎しみを見守る者なり。
モンゴール公子ミアイルは吟遊詩人マリウスの歌に自らの孤独を癒され、彼を実の兄のように慕い始めていた。またマリウスも彼に幼き自分の姿を見る。二人には敵国の間を超えた心の絆が生まれていた。しかしアルド・ナリスはマリウスにモンゴールの世継ぎミアイルを殺害せよ伝令する。マリウスはパロへの忠誠とミアイルとの友情の間で揺れ動く。そしてもう一人。殺害計画に取り込まれていく男、ナリスを狙うアストリアスであった。(公式より)
■ミアイルとマリウス
ああもうなんてかわいいんだミアイル。
美少年愛とかBLとかそっちのケはまったくない私ですが、ミアイルばっかりはもう別格。
なんて純真であどけなくてそして寂しそうなんでしょう。
14歳といったらもうちょっとは汚れたり斜に構えたりつっぱったりしてよさそうな歳なのに、まるで10にも満たない子供のように澄んだ瞳。
そして死という幻影にとりつかれてしまった孤独な心。
なんてまぁあわれなんでしょう。
グイン世界最強の美少年といったらミアイルをおいてほかにはありませんとも。
そしてそのミアイルに完全に虜となってしまったマリウス。
マリウスが見たのは、子供時代の孤独な自分。
って、なんておこがましい(笑)。
自分をミアイルほどの美少年と思うてか!(そこじゃないって?w)
今回のアニメではけっこう美青年として描かれているマリウスですが、原作でかわいいほうだと言われる事はけっこうあったかと思うのですが、少なくとも美少年つったら言いすぎな感じじゃなかったですかね(笑)。
美というよりは愛嬌とか、ひとなつっこさとか、そういった方面の魅力が主で、時にキッと決然となるとたま〜にナリスっぽい美しさが仄見えたりとか、ね。そんなかんじで。
つまりはナリスにくらべて普段はだいぶ劣っていたはずなんですがね〜。
まぁナリスと比べられる事が多すぎたってのも大きな不幸なんでしょうけれども。
そんなマリウスの元に、ナリスからの魔道士の使者が現れる。
その使者が告げたのは、ミアイルを亡き者にしろとの非情な命令。
ミアイルの枕辺で苦悩するマリウスが悲痛でしたね〜。
ここのミアイルがガード不能の愛らしさ。
まさか自分を殺せなんて言われたとは知らず、その当の本人の肖像画を大切そうに枕元にかざり、憧れの姉との結婚式を夢見てか、そしてマリウスとの幸せな日々を夢見…。
初めは自分も死んでミアイルの後を追おうとしたマリウスも、これは殺せようはずもなく。
翌日、マリウスはミアイルにモンゴール出奔をそそのかし、一緒に吟遊詩人になりましょうと提案。
それにまたほいほい返事しちゃうミアイルもミアイルですが、本当に心底自分の境遇がイヤでしょうがないんでしょうね。
だからこそ、死ぬ事ばかり考えちゃっているのでしょう。
さぁその出奔、はたしてうまくいくのか、といったところです。
■アストリアス
完全にヴァレリウスによって操り人形にされてしまったアストリアス。
その手に渡されたのは、ティオベの秘薬をしみこまされたモンゴールの剣。
これでナリスを串刺しにしてやると息巻くアストリアスですが、いやいや、それはまずいとヴァレリウス。
王族は暗殺を恐れて鎖帷子を着ているから、腕をちょっと切ってやればよいのだと。
そうすれば毒が回ってイチコロだからと。
そう言ってまたアストリアスに催眠術をかけたようです。
「本当ににお前はいいやつだよ」
このヴァレリウスの、ペットの犬っコロにでも言うようなセリフがたまらん(笑)。
悪そうなヤツだなぁ〜ヴァレリーは。
つか、どう見ても今パロのほうが悪役ですよね(笑)。
モンゴール大公や小姓のシドも悪役ですが、なんかそれに輪をかけてナリスやヴァレリーのほうがなんぼも悪そうです。
モンゴールは手を出してはいけないヤバすぎるヤツらに手を出しちゃったんじゃないでしょうか。
■錯綜する思惑
征服者モンゴール対、反乱軍パロという単純な構図でないのが面白いですね〜やっぱり。
モンゴールはモンゴールで大公の思惑とは完全にズレてしまっているのぼせあがりのアムネリスがいて、その恋心の行く末も見所ですし、アストリアスの操られっぷりもお見事。
また軍隊も一枚岩ではなく、白騎士隊長タイラン長官と黒騎士隊長カースロンの確執も今後キーとなるのは明白。
そして反抗軍側のパロすら一枚岩ではなく、ナリスは独自に妙な動きを始め、側近のルナンにすら秘密。
だもんだからヴァレリウスや今回初登場のリーナス侯も独自の動きをはじめ、「我々がお仕えするのはナリス様でもレムス様でもない(中略)祖国パロ、それだけだ」 なんて言い出しちゃうんですよね。
この全体にただようカオスで不穏な雰囲気がまさに《陰謀編》ですね〜。
誰もが腹に一物をかかえ、あるいは誰かの手によって操られる、ある種滑稽ですらある宮廷劇。
この構図は後のケイロニア編において円熟を迎えるわけですが、その前段階としてのこのパートも充分に面白いものがあります。
というのもやっぱり、その陰謀の余波によってゆさぶられる小船であるところの、ミアイル&マリウスがいるからなんだと個人的には思うのですが。
小さな人間など一顧だにせず打ち砕いてしまう陰謀の巨大な波。
その非情さが彼ら2人の存在によって余計に引き立つように思うのです。
しかしこのパート、アニメで初めてグインに触れた方たちにはどう見えているのでしょうか。
ちょっと心配にはなりますね〜。
ぽんぽん新キャラばっかり出てきてみんなそれぞれ深刻そうな顔ばっかりしていてつまらんな〜って感じちゃってたらそれは残念なことです。
少なくともミアイル&マリウスに感情移入できなかったらこのパートはあまり面白くないかもしれませんね。
■DVD買いました!
へへ〜い、DVD1巻買いました!
もちろん初回限定版。
栗本先生書下ろしの短編小説 「前夜」 が目的ですが、まだ読んでないんであとでじっくり楽しもうと思ってます。
しかし、栗本先生よくまぁ23ページという薄さで我慢できましたね(笑)。
50枚で書いてくれって言われたら100枚書き、400枚で書いてくれと注文されたら1000枚書いてよこす栗本先生が、ですもんね!
きっとこれ、本来は10ページ分の注文だったんじゃなかろうかと、そんな妄想でニヤついてしまいました。
また、意外とと言ったら失礼ですが、あまり注目していなかったので本当に意外と面白かったのが、オマケの若林監督による第1話絵コンテ(全128ページ)。
リンダとかレムスとかはそれなりに似ているのですが、グインがすばらしくか〜わゆいのです(爆)。
どう見ても 「くまたん」 とか 「わんちゃん」 としか見えない、モフモフ系のグインさん。
少なくとも猫系ではない。
なんかこのまま誰か四コマ書いてくれないだろうかと思ってしまうくらいのかわゆさです。
しかし、よくまぁこれ見て原画マンさん、あのカッコよすぎるグインを描けたもんですな!
尊敬しますぞ(笑)。
あと、グイン・サーガノートという、設定資料集もよかった。
私、昔からこういう設定資料集をただただ眺めるのが好きなんですよ。
昔、雑誌ニュータイプを買っていた頃を思い出すなぁ〜。
ガンダムのメカニック資料集とか隅から隅まで穴が開くほど眺めてましたっけ。
美麗なグイン世界の背景画もいいですし、ノスフェラスの生き物のことこまかな設定や、いかにしてイシュトが牢から脱出したかの裏設定(それを作中で描写して欲しかったww)などなど、ひとつの作品を作るのに膨大な労力が注ぎ込まれている事がよくわかる小冊子でした。
2巻は2巻で、今度は栗本先生の超ロングインタビューがありますからね〜。
これも買いですね!
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誰もが腹に一物をかかえ、あるいは誰かの手によって操られる、ある種滑稽ですらある宮廷劇。
こういうの大好きです。25分短すぎてあっという間です。続き知りたくてうずうずしますがじっと我慢の子です。NHKのグインサイトで登場人物復習してますwもう少しわかりやすい図にしてくれるといいのですが。
ところで最近あの黒いナリス様に興味が出てきました!
外伝にナリス様の若い頃のお話があると聞き、読んでみようかと思っていますw
おお、あの陰謀劇に惹かれましたか!
同じファンとして嬉しく思います^^
ナリスは、実に複雑怪奇で他に類を見ない魅力の持ち主ですね〜。
残酷なのか人情豊かなのか達観しているのか子供っぽいのかほんとよくわからない。
そしてそのよく分からないところがまた魅力なのかもしれませんね。
ナリスを主役にした外伝短編はとても多く出ていますので、とりあえずそのナリス道の出発点とも言える 「外伝7 十六歳の肖像」と 「外伝8 星の船、風の翼」 がかなりオススメです。
なが〜い本編に比べて、短編はそれのみでも楽しめるので、原作入門にはうってつけです。
ちょっと前まではネットででもないと手に入らなかったのですがね〜。
最近だとグインの特集コーナーを作っている書店さんもありますし、以前よりかなり入手しやすいと思いますよ。