パロで、洋上で、それぞれにこれまでとまったく違う顔を見せ始める群像劇。
変化は徐々に、しかし確実に訪れ始めていた。
グイン・サーガ14話の感想です。
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【ネタバレ注意!(原作ネタバレは避けています)】
あらすじ
荒ぶる海は慈悲もなく、全てを飲み込む闇となる
寄る辺なき船上で剣を振るうは、儚(はかな)き望みを掴むため
眩き光が帳を引き裂き、希望の光を灯す
グイン達がアルゴスへ向けて乗船した船は海賊船「ガルムの首」だった。その夜、海賊たちは彼らの寝込みを襲い船上で争いが起きる。その最中、大きな光の船がどこからともなく現われ、海賊船めがけて突入して来る。衝突かと思われる光と衝撃。そして船は一瞬にして消え去りグインもその姿を消した。グインが衝突の前に発した「ランドック」という言葉を残して。(公式より)
はい、昨日の小説版グイン感想に引き続き、今日はアニメ版の感想です。
未来に行ったり過去に行ったり、脳が忙しいったらない(笑)。
■海賊イシュト、ここにあり
グインたちが乗り込んだ船が、実は海賊船だったことが判明。
それもそのはず。
こんなワケありのメンバーをおいそれと乗せてくれる船なんて、そっちもワケありの船しかないというイシュトの考えからでした。
このあたり、蛇の道は蛇というべきか、さすがは元海賊という感じで心強い。
ちょっとあぶなっかしいような気もするんですが、海賊船長らとのやりとりなんて、とっても手馴れた感じがして頼もしかったですね〜。
差し入れられたパンや酒に眠り薬が入れられていることを抜け目なく先読みし、今夜海賊達が襲ってくるぜとグインらを引き締める。
ここのところすっかりイシュトがリーダーです(笑)。
■洋上戦
読みどおり、寝込みを襲ってくる海賊たち。
その裏をかいて船長を人質にとるグイン。
しかしその船長も人望がないですね〜。
あっさり手下に裏切られてます(笑)。
まぁこういう露骨な下克上こそ海賊らしいですね。
というわけで、なしくずし的に戦闘開始。
ところが今回は時間がなかったのかあっさり終了。
これはちょっと残念。
なにが残念って、アクション場面があまり堪能できなかったということもそうなんですが、「きりがねーな」 というイシュトの言葉にあまり説得力を感じられなかったところですね〜。
こういう時間のない中で敵を印象付けるテクニックといえば、そう、第一話の 『忍者モンゴール』 という例のテクがあると思うのですが、監督、あれもう使わないのかなぁ〜。
こういう甲板上のパイレーツ立体戦闘でこそ、ああいう忍者アクションは映えると思うんだけどな〜。
なんにしろ、ちょっと尺が足りなかったかもですね。
原作では、たしかここでグインが額を負傷するシーンがあったと、かすかに記憶しているのですが、それも割愛ですね〜。
もしかして、別のところに再編集されるのかな?
■光の船!
そこでグイン、双方の折り合いをつけるため、なんと自ら海に身を投げると言い出す!
なんて物分りがよすぎる男!
自己犠牲精神激しすぎですって!
そんなことしなくたって、グインが頑張れば海賊達なんてかたっぱしからブッ倒せるような気もしてしまうんですけどね(笑)。
いや、まぁそんなことをしたら漂流間違いなし。
この時代の船舶の航行には、数十人っていう人手が絶対必要でしょうからね、グインらとしては実際窮地だったはずです。
倒してしまう事はできても、倒したところで命はないわけで。
ということで、グインとしては自分の身を犠牲にすることが、八方丸く収まる一番の方法だと、物凄く回転の速い頭脳で結論をつけたのでしょう。
と、こ、こ、が!!
なんと、そこに突如として現れた光の船!!
その船体には 「ランドック」 の文字が!!
その船は常識ハズレのスピードで接近してきたかと思うと、あわやぶつかる!というところでUターンしたのか、掻き消えるように消え去ってしまう。
そしてその後には、グインの姿が消えている……。
驚くべき事件です。
ここまで、グインの失われた記憶についてはほとんど情報といっていいものはなく、ただ 「グイン」 という名前と、「アウラ」「ランドック」 ぐらいが手がかりという放置プレイが続いていましたが、いきなり大ヒントが実体を持って飛んで来ちゃったーッ!っていう衝撃的事件。
ひとつの大きな転機でもありますね〜。
またこの船、どういう描かれ方をするんだろうとちょっとワクワクしていたんですが、なんとでもとらえられるような不思議な描かれかたでしたね〜。
流線型で、優美なシルエットで、異国の船舶ともとれるし、神々の御座船のようにも、宇宙船のようにすら見えるという……。
ずいぶん気を使って描かれているな〜というのが印象でした。
つか、これいったいなんだったんでしょうね!!
グインの飛び降りを感知して飛んできたってこと?
それとも、ごくごく偶然の気まぐれ的な遭遇だった?
もしグインの飛び降りを察知したのだとしたら、もしかしてずっとグインをどこかで監視してたってこと?
だとしたら、いったいそいつ(もしくはそいつら)って何者!?
いや〜、いろいろ考えがグルグルまわっちゃいますよね〜。
■ヴァレリウス登場
さて一方、パロ方面。
アムネリス、すっかり恋にのぼせてないですか?(笑)
着慣れないドレスに身を包み、フロリーに賞賛されて悪い気もしていない様子。
というか、すでに頭の中はナリスさまで一杯か。
もうすでに完全にアルド・ナリスの術中といったところでしょう。
なんというか、だんだん憐れに思えてくるから不思議ではあります。
もう一方、こちらは哀れすぎるアストリアス。
マリウスことアル・ディーンの手から解放され、あらためてクリスタルの門を叩く。
って、そこで自分の名前を名乗るか、ドアホウが(爆)。
おぼっちゃん育ちつくづくだなぁと、呆れてものが言えんです(笑)。
そこに登場したのは、うは〜怪しげ! 怪しげ過ぎるぜヴァレリウスさん!
「見りゃ分かるだろう。こんな格好の鍛冶屋がいるか? 魔道士だよ」
いいな〜、このどこか飄々としながらも人を小ばかにしたような、それでいて低血圧な渋い声。
若干想像よりも大人の男って感じではありましたが、すごくヴァレリウスでした。
それに、この声とキャラ性なら、今のいろんな意味で変化したヴァレリウスもピッタリなんじゃないかなぁって思えますね〜。
うむ、このキャラで“ぐらちー”と丁々発止の陰険漫才とかやって欲しい(笑)。
かくして、すっかりていのいい傀儡としてパロ入りを果たしたアストリアス。
その操り糸を握るのは、ヴァレリウスと、その後ろにいるアル・ディーンなんでしょうね。
なんだか、モンゴールが哀れに思えてきてしまった(笑)。
アムネリスといいアストリアスといい、主従仲良くいいように操られちゃってるじゃないですか。
どちらが支配国で、どちらが敗戦国だか分からなくなってきてますよ。
なんだか、悪役はパロのみやびな陰険チームで、かわいそうなのがモンゴールの田舎者の純情達って、そういう構図にすら見えてきてます(笑)。
■レムスの名場面!
さて、一夜明けた洋上にて、イシュト、リンダが目覚めないのをいいことに 水を口移し!!
ついにやっちまったなぁ! このドスケベめ!!
つか犯罪者め!! 変態め!!(爆)
相手は 13 か、この頃やっと 14 の小娘じゃねーか!!
名実共に晴れてロリコン決定!!
その罰か、リンダ、目覚めのひと言に、
「グイン……」
これはイシュト痛恨(笑)。
しかし、目覚めた彼らは一難去ってまた一難。
ふたたび海賊達との戦いが始まってしまう。
その戦いを最後に制したのは、なんとあのレムス!
や〜来ました来ました、レムス名場面!
ここ大好きなんですわー。
これまで姉の影でただおびえ、自分というものを押し殺してきた気弱な少年が、ついに自我を勝ち得て、一本立ちして立派に世の荒波を渡ってゆこうとする、その記念すべき瞬間です!
これが男子として心踊らずにいられましょうかってーの!
実は今回初めて気づいたんですが、レムスはイシュトらが目覚める前から目覚めていて、何をやっていたかって、これ、たぶん油と火種を調達していたんですよね。
そんなものが都合よく甲板にあるわけもないですし、戦闘中に取りに行って帰ってきてマストに登るようなことも難しいでしょう。
そもそも、イシュトらが目覚める前、レムスがイシュトたちをほったらかしにしてボーッとしてたとも思えない。そんな損得の帳尻のあわないこと、頭が切れるようになったレムスらしくないのです。
むしろいち早く気がついたレムスは、海賊達の危険を先読みし、イシュトらを起こして物音を立てる危険を冒すより先に、自分ひとりで油と火種を調達しに行ってしまったのではないでしょうか。
そう考えると、すごく先を見通しているし、冷静で、勇気があるなぁ〜と、あらためてレムスの才覚に惚れ込んじゃいますね〜。
さらに、周りのものを信用せず、イシュトすら当てにしてない自信家っぷりが素晴らしい。
や〜レムス、かっこえかった。
レムスの今の基礎は、誰をも信用せず、何事も信じない、ただあるがままをあるがままに見抜こうという、冷徹な実際家の心なんですね〜。
なんか、そういうように見えてきましたよ。
■闇の瞳の見据えるもの
ナリスの元に突然訪れたのは、モンゴール兵の門兵に自らの身体を犠牲にして与え、ナリスをクリスタル入りさせた女騎士リギア。
颯爽と聖騎士の鎧に身を包んだリギアは、これはまたすばらしい女騎士っぷりですね〜。
つか、すごい大柄だわ。
長身っぽいナリスと同じくらいの身長がありますもんね。
しかもこれは鎧のせいなのか、ナリスよりもガタイがよさそうだし(笑)。
まぁ、遥かあとあとの話で剣闘士大会で歴史に残るような大決勝戦をやっちゃうような女騎士ですからね〜(笑)。
このくらいガタイがよくって当然でしたね。
つか、同じくけっこう大柄だと思っていたアムネリスより、頭半分くらいも身長が高いとは。
むしろアムネリスが思ったよりも小柄で、これはこれで萌えた(爆)。
なんか、アムネリスって 『モンゴールの大女』 なんて自嘲気味に言ったりする事があったもんですから、すごく大柄なのを想像してたんですよね〜。
意外とそうでもないじゃんと。
入れ替わりに入ってきたアムネリスは、リギアを見て嫉妬にかられたか。
「覚えているだろうな。私を裏切れば…」
「あなたは炎のように熱い。あなたになら焼かれても構わない」
「では、心の底まで焼き尽くしてやろう」
いや〜、なりきってます。
すっかり炎の恋する女になりきっちゃってます。
よく言えば一途。
悪く言えば、完全にアルド・ナリスに乗せられちゃった単細胞。
あわれなりアムネリス。
相手が悪すぎたのですよ。
でも、アムネリスのこの気持ちはウソじゃないんですよね。
この恋心は決してウソじゃない。
アルド・ナリスの言葉はすべが偽りの演技でも、アムネリスは真剣も真剣。
だから、私は苦笑いは出ても、嘲笑することはできません。
なんだか物悲しいような気持ちになるばかり。
むしろ、こんな政略結婚という不幸な出会いをするしかなかった、ふたりの運命こそが恨めしいと言うべきか。
時と場所が違えば、まったく違う運命が待っていたのかもしれないのにね。
え? アストリアスくん?
いや〜、あれはどうかな〜。
あればっかりは、ちょっとねぇ(笑)。
ということで、ラストは口付け合うふたり。
だが、口づけのさなか、アルド・ナリスの瞳は見開かれ、遥か彼方を見据えるように……。
ぐおお、かっこよすぎだ!!
■次回予告
さっそくグインが出てきてフイた!
タイトルがタイトルだからバレバレだけど、そんな予告でネタバレせんでも!(笑)
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いやあ、原作でとっても気になるあの箇所だっただけに・・・・・・「光の船」でなくて「光の公女」のほうについて、ですね。原作を読んでたときにつくづく思ったのです。
「パロに攻め込んできたのがモンゴールで本当に良かった。ユラニアじゃなくて本当に良かった。政略結婚の相手がアムネリスで本当に良かった。これがもしユラニアだったら・・・・・・ユラニアだったら・・・・・・いや、見てみたくないといったら嘘になってしまうけれども・・・・・・」
――とてつもなくくだらないことを書いて申し訳ありません。そばに話の通じる相手がいないもので、つい。
私は、「おお、イシュトヴァーン、死んではいや〜」が無かったことのほうがショックです。それこそ島でも似たようなシーンがあるからそちらにまわされるのかな?(実は、15話も見た後です)と思って我慢してたんですが、あれではまるで、一番頼りにしていたグインがいなくなったからイシュトヴァーンに心を許したようにもみえる演出…
もっと細やかな女心のわかる人をスタッフに入れておいてほしかったです。
ヴァレリウスがかっこよすぎるw風采の上がらぬ小男だったはず。好きだからいいけどww
「グイン・サーガの鉄人」という、クイズ・ブックでましたね!早速買って16話までのところやりました。わからなかったの1問だけです。途中あんまり自信ないんですけど、70巻以降も子どもが大きくなってからまとめて読んだので、結構覚えてるはずですよwしばらく、そちらで楽しみたいと思います。
>これがもしユラニアだったら・・・・・・ユラニアだったら・・・・・・
おぐはぁ!
なんじゃその妄想は(笑)。
いや〜想像だにしておりませんでしたよそんな光景は(笑)。
恐ろしすぎる。
しかし、それだったらアルド・ナリスのお相手はどれ(爆)なんでしょう。
立場的に行ったら長女なんでしょうけど、そこはやっぱり我らが猛女、ネリイ様のほうが楽しいなぁなんて(笑)。
野心的なネリイ様と陰謀家のナリス様、意外と意気投合して陰謀結託しちゃうかもしれませんぜ!
いや、でもネリイは美男子嫌いかもしれないなぁ。
そんなことを言ってたことがあったかも…。
>――とてつもなくくだらないことを書いて申し訳ありません。
>そばに話の通じる相手がいないもので、つい。
いえいえとっても面白いです(笑)。
うちでよろしければいつでもお願いします。
グインは同好の士をみっけるのが大変ですもんね〜^^
>原作読み子さん
>「おお、イシュトヴァーン、死んではいや〜」
うむ、そのシーンは大好きな名場面だっただけにちょっと残念でしたね〜。
ただまぁこればっかりは最後まで観終わってみないことにはどうまとめられるか分からないので、今結論を出しちゃうのは早いかなと思っております。
どう再編集されるか分かったもんじゃないですもんね。
鉄人わたしも買いました〜!
しょっぱなからマルス伯を焼き討ちにしたセムの村は何族の村かって問題で間違って自信を失いましたが、これは面白いですね〜。
まとめ本としてかなり楽しめます。
まだ最初しか読んでないんで、私もこれからゆっくり楽しんでいこうかと思っております。
ところで・・・・・・彼女たちの画像は、なつかしの『封神演義』の三姉妹でよろしゅうございましょうか?フジリュー先生、絶対『グイン』読んでますよね。
むしろ「なになに?どういうヤツらなの?」みたいに知らない人の興味を引く系の紹介的ネタバレなら、よい宣伝になるのではないかと(笑)。
>封神演義
わたし封神は飛ばし読みだったのであまり覚えてないのですが、画像検索で改めて探してフキ出しました(笑)。
フジリュー先生これはぜったい読んでますね!