2009年06月26日

ドラマ感想 必殺仕事人2009 最終回

 必殺仕事人最終回、観ました。
 仲間の1人が老中の屋敷に捕まり、過酷な拷問にかけられる大ピンチ。
 はたして小五郎たちはどうするのか!
 いや〜面白かった〜。

【ネタバレ注意!】



 必殺シリーズには 『伝説』 と呼ばれる最終回がありまして、それが 『新・必殺仕置人』 の 『解散無用』 という話。
 仕置人(そのシリーズでは仕事人のことを仕置人と呼ぶ)のメンバーが奉行所に捕まり、壮絶な拷問にかけられて廃人になり、それを助けに行った者も捕まり、仕置の武器である腕を黒コゲにされてしまうという凄惨なスジ立て。
 主人公チームの瓦解に加え、悪役仕置人チームの台頭による裏世界秩序の崩壊と、怒涛のように舞台設定が崩れてゆく終末感。
 その最後で、それまで身を隠していた中村主水がついに乗り出し、普段はサポート役に徹しているの火野正平(今回ゲスト出演!)らも参加して悪を切り崩すという痛快なカタルシス。
 今思い出しても身震いするほどのショッキングさを覚えたものです。
 そのあまりの出来の良さに、後の必殺シリーズの最終回には強烈な影響を与え、あるいは呪いとしてのしかかり、二匹目のドジョウを求めて何度も同じような作品が生まれたそうなのですが、今回の2009もその伝説にあやかった、あるいは正当な後継者を目指したというべきでしょうか。


 前回ラストで捕まった経師屋の涼次(松岡昌宏)が壮絶な拷問を受け、それを助ける形で仕事を請けた渡辺小五郎(東山紀之)たちが悪人たちをバッサバッサと、本当にこれでもかと言うほど斬って斬って斬りまくる、痛快無比なクライマックス。
 仕事人たちの最後の仕事に向かう覚悟、如月(谷村美月)の胸に熱く響く思い、なんだかんだと言いながら涼次を信頼している小五郎、ボロボロになりながらも最後はしっかり決めてみせる涼次。
 腹をくくった全員の思い、覚悟が綺麗に渦を描いてひとつに収斂し、クライマックスを大いに盛りたててくれました。
 それこそが、「仕事人」「仕事にかける覚悟」 であり、「仕事へのプライド」 なのでしょう。


 今回意外な正体を現した大河原伝七(福士誠治)の気持ちもよくわかるのですが、それはただの暴走した身勝手な正義感にほかなりません。
 手前勝手な正義は、どうしても自分の正義を相手に押し付け、悪を一面的な側面のみで裁くことになります。
 前回、遊び人の亭主を勝手に斬り殺し、その妻を悲しませることになったのがよい例でしょう。
 伝七さんの奉行所としての無力感もわかります。
 仕事人として、裏からでも世を正していきたいという正義感もよくわかります。
 しかしそこには、やはり悪を勝手にさばこうと言う自分もやはり、所詮は悪なのだという自戒の念がなければ、どうしてもどこかで道を踏み外してしまうのが人なのでしょう。
 仕事人はそこで、報酬としての金を受け取る 「仕事なのだ」 という割り切りを自分に課しているのです。
 今回伝七たちが起こした素人仕事人による騒動は、ラストの物語を動かす大きな要因となると共に、民衆から見た仕事人への憧れと、本当の仕事人とのギャップを大きく浮き彫りにしたように見られました。

「仕事人を、桃太郎かなんかと勘違いしているんじゃないのか?」


 このセリフは、かなり前の話で出たセリフですが、これはこの作品に潜むひとつのテーマだと思うのです。
 仕事人は決して桃太郎のようなヒーローではない。
 むしろ鬼を退治する鬼なのだよと。
 そこを勘違いしたら、伝七のように手前勝手に人を斬るばっかりになってしまうのだと。


 今回のラストがよくできているなぁと思ったのは、最後までしっかり 『仕事』 として話をまとめていたことですね。
 仲間を救うためとか、仲間の仇を討つために敵を倒しに行くのではなく、あくまで 『仕事』 として、人を殺す。
 徹底していますよ。
 それこそが仕事人なのです。

 
 また役者さんたちもすばらしかった。
 まずはベテランの拷問吏としてゲスト出演の火野正平さんがさすが。
 今回は敵の首魁を完全に食い、すっかり敵の親玉クラスの存在感でした。
 かつては仕置人チームの正八として奔走し、男泣き必至の熱いドラマをいっぱい魅せてくれた火野正平さんが、今度はにっくき敵となって仕事人をこれでもかと拷問するんですからね。
 これは往年の必殺ファンにはたまらない趣向でした。

 そしてこれは掘り出し物だな〜と思ったのは仕立て屋の匳(田中聖)の寂しがり屋演技。
 死を覚悟した匳は、仕事の前に文鳥を逃がし、命からがら帰ってきたらなんと文鳥が帰ってきている。
 ここの匳の喜びようは、なんだかこっちまで思わずホロリとさせてしまう素朴ないい演技でした。
 仕事人としての孤独、基本的に実は人恋しい性格の匳らしいいいラストでしたね。

 涼次の最後の仕事もすばらしいキメっぷり。
 ですが個人的には血みどろになりながらも涼次を応援し、自分の命なんか気にするなと気丈に拷問に耐える如月がステキすぎ。
 この子の演技は飾らない人柄のまっすぐさみたいなものが見えてとても好感が持てます。
 涼次はこれで仕事人引退かもしれないけど、次回作があったら如月だけは出てくれないかなぁ(笑)。

 お菊姉さん(和久井映見)はあまり出番はありませんでしたが、最後からくり屋の源太(大倉忠義)の墓参りをしたことで源太の映像が出てきてちょっとウルッと。
 お菊姉さんグッジョブだ。
 ほんと源太はいいキャラだったなぁ。
 最期の散りザマは必殺史に残る名場面でしたよ。


 ラストはとことん悪を切り倒し、仕事人チームは誰も死なずに堂々完結。
 いや〜面白かった。
 これはできたら続編を期待したいですね。
 最初はちょっと好きになれなかった渡辺小五郎も、その妥協のない厳しが出てからは惚れ込みましたし、新参入の匳がこれまたいい演技。
 涼次はこれで引退だと思うのでここに誰か、そうですね〜、ちょっと三枚目系を入れるとバランスがいいんじゃないでしょうか。
 来年あたり、『必殺仕事人2010』 に会えることを楽しみにしてます。



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posted by BOSS at 23:22| Comment(0) | TrackBack(1) | ドラマ・アニメ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Excerpt: は夏休み後2週間を何度も繰り返し判明の展開も 今回は3度目の新作も夏休み最後の2週間だけを リセットし15498回での色が違うなどあり 何かヤリ残してる事にキョン関係が確実も分からんし 必殺仕..
Weblog: 別館ヒガシ日記
Tracked: 2009-07-07 16:01
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