2009年06月14日

コミック感想 ONE PIECE(ワンピース) 巻五十四 “もう誰も止められない”

 インペルダウン編が始まってお祭騒ぎな 54 巻。
 表紙はインペルダウンの守護神揃い踏みなんですが、サディちゃんとはまた別の意味でハンニャバルが生々しいな(笑)。

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スカルジョーク集→ イッツ・スカルジョーク!!


【ネタバレ注意!】




 まずは海賊女帝、蛇姫さまことボア・ハンコックさまの可愛すぎる大変貌。
 恋に目覚めた一途な乙女モード、勘違い妄想モードが楽しくってしょうがない。
 小動物を蹴っ飛ばす悪女っぷりはそのままに、ルフィに対してはとことん恋する乙女。
 はじらう表情、おもわず目を逸らしちゃうとことか、ブひゃ〜、たまんね〜(笑)。
 まわりから見ても、いつもにもまして美しさがほとばしっているらしく、やはり恋は女性を美しくするってことなんですね〜。

 結局ルフィの願いを聞き入れ、蛇姫様はルフィをかくまいつつ、海軍の船に乗って白ひげ戦に参加しに行くこと承諾したわけですが、つまりその道中、ずっとルフィは密室で蛇姫さまといっしょと。
 なんだこのドキドキシチュエーションはと思っていたら、蛇姫さまはすっかり妄想モード全開で胸いっぱい夢いっぱい(笑)。
 結局なにもできず、思いも伝えられずに終わってしまいそうで不憫と言うかなんというか、ああもう可愛いなぁコノヤローッ!
 ルフィの声が外に漏れたら、誤魔化すためにルフィを真似して

「ぶ……!!ぶへ――くったくった!!」

 とか(笑)。笑っちゃうけどいじらしすぎる。
 さらに、インペルダウンに潜入してからはとうとう本名で呼んでもらえた事を喜び、さらにルフィの 「ありがとう」 の口パクを 「愛してる」 と読み違えて卒倒。
 恋する蛇姫さま、まさに可愛さがとどまる所を知らない!
 今巻前半はすっかり蛇姫さまにやられてしまいました。


 さて、ついにというかようやっとと言うか。
 ルフィの仲間たちの行方が判明しました!
 みんなバラバラに、かなりの距離を飛ばされてしまったようですが、これがまたおかしなことに、それぞれのキャラクターにぴったりな場所ばかり。

 ナミは天候を科学する国、小さな空島“ウェザリア”へ。
 “風の結び目”という新兵器が波の新しい武器となりそうです。

 フランキーは“からくり島”と呼ばれる、天才が生まれた国 「未来国バルジモア」 へ。
 文字通り改造人間としての能力がアップしそうです。

 ウソップは謎の生態系の島、ボーイン列島のおいはぎの森 「グリンストン」 へ。
 そこで出会った謎の戦士ヘラクレスが、ウソップに新たな武器をくれそうです。
 
 ブルックはナマクラ島の貧困の国 「ハラヘッターニャ」 へ。
 儀式で召喚された悪魔王サタンと勘違いされるいきさつが実に笑わせてくれますが、“手長族”との戦いで何か得るものがあるのかもしれません。

 ロビンは“東の海”の橋の上の国 「テキーラウルフ」 へ。
 なんと奴隷として捕まっておりましたが、脱走の過程で新しく武器を手に入れるのか、それともポーネグリフに関する重要な情報を得るのでしょうか。

 チョッパーは“南の海”の鳥が人を支配する国 「トリノ王国」 へ。
 動物と話せるチョッパーが、そこに眠る宝をみつけてパワーアップを遂げるのでしょうか。個人的にはランブルボールの暴走をコントロールできるようになればいいなと思うのですが。

 そして個人的に一番ヒットしたのはゾロ。
 なんと同じく飛ばされて行方不明になっていたペローナとクライガナ島の 「シッケアール王国」 跡地にて合流!
 「ザマーミロ!!」 とか言いながら気絶中のゾロをしっかり寝ずの看病なんてしちゃってるペローナ様がかわいすぎです(笑)。
 ゾロってなんだかんだと女の子とフラグができまくるヤツですね。
 くいな、たしぎ、ボニーときて、今度はペローナさままで。
 ゾロナミ説も根強いものがありますし、実は作中いちばんモテてるのってゾロなんじゃなかろーか。

 で、さすがなのはサンジ。
 恐るべきくまの陰謀か、なんとそこは 「カマバッカ王国」
 すべてのものが乙女の心をもつカマばっかな地獄でしたと!!
 いったいこれでどんな修行せーっちゅーねんと。
 いやぁなんというか、サンジはいろんな意味で美味しいなぁ(笑)。

 しかし、こうなってきますと、やはりバーソロミュー・くまは意図的に彼らを飛ばしたようですね。
 ルフィをアマゾン・リリーに飛ばしたのだって、どう考えても意図的ですもんね。
 もしかしてくまは、海賊専門のトレーナーだったりするのかもしれません(笑)。
 黄猿にも戦桃丸にも勝てない彼らじゃ、このままでは新世界に出てもいずれ遠からず死ぬだけだと。
 ならば各人それぞれ適正の場所に飛ばして修行させてやろうと。
 素直に言って聞くようなタマじゃないだろうから、ここは強制的にやってしまえと、そう考えたのかもしれませんね。
 いや、くまが何を目的としてルフィたちにそんなことをしたのかは、あいかわらずまったく分からないのですが。
 どうも敵ではないらしいということがこうやって判明してくると、ではそのくまの目的とはなんなのか、そこが気になってきますね。
 革命家ドラゴンと知り合いらしいというところが、関係してくるのでしょうか。
 もしかするとくまは、王下七武海でありながらドラゴンと地下で繋がっているのかもしれませんね。


 そして、あからさまに修行パートといいますか、成長パートに入ったルフィたち。
 これだけ明確なパワーアップパートというのは、バトルもののワンピでも初めてですよね。

 思えば、青キジに大敗北を喫して以来、ルフィは悩み、ギア2と3を編み出し、悪戦苦闘を繰り返してきました。
 でも、いずれこのような戦い方では身体に無理がかかってしまうことは、スリラーバーク編でウソップが危惧していたことです。
 たしかにギア2、3はかなりの戦果を上げています。
 しかし既に、これまでの技とギア2、3の組み合わせは、もうほとんど出してしまって残っていない――つまりもう、伸び白が残っていないというところが、ルフィの今の限界を如実に語っているように思えるのです。
 
 そして、シャボンディ諸島編では、たくさんの強力なライバルルーキー達が描かれ、ルフィたちが決して特別な存在ではないことが明確に示されてしまいました。
 その結果描かれたのが、スリラーバーク編で裏テーマとして伏線を張っていた「敗北による全滅」です。
 特別ではないルフィたちは、成長しなければ本当に全滅するしかないのだと、ここからの海は本当に次元が違うのだよと、そういう事を表現していたのが、これまでの大きな流れだったのではないでしょうか。

 つまり、今彼らがさしかかっている修行パートは、グランドライン前半戦の総決算的、卒業式であり、後半戦に乗り出すための巨大なターニングポイントなのではないでしょうか。

 だとすると、それぞれ劇的なパワーアップを遂げた彼らが再会を果たすとき、私たちは今までとは全く違うワンピースをそこに見ることになるのではないでしょうか。

 しかし、それにしてもサンジが謎すぎる(笑)。



 さて、中盤からは嵐のような展開速度が気持ちいいインペルダウン突入編がスタート。
 次々と登場するインペルダウンの看守たちが個性的で楽しいですね。
 副署長ハンニャバルと署長マゼランの漫才とか、本来なら退屈になりそうな新キャラどうしのかけあいなんですが、これが妙に面白い。
 「毒吐きやがった!!!」 とか 「早く署長になりたい、あ、まちがえました」 とか、漫才がなかなか小気味よくってニヤニヤが止まりませんでした。

 しかし、なんと言っても今回の目玉は、なつかしのライバルキャラたち怒涛の再会オンパレード!!
 いやもう懐かしすぎて楽しくってしょうがない。
 ワンピースでは決して敵を殺さず、その心を打ち負かす戦いをしているんですと尾田先生が言った事があるそうですが、そうやって殺さないからこそこういう楽しみがあるのだなぁとも思えてきます。
 次々と集まってくる意外な面々のドリームチームに今回は終始ワクワクしっぱなし。
 騒がしいバギーはあいかわらずウザハイテンションで楽しいし、Mr.3 はやっぱり計算高いくせにどこか抜けてて親しみが湧きます。
 そして誰あろう、あの Mr.2 ボンちゃんことボン・クレーとの再会!!
 これは涙なくしては語れない!
 あの命を賭してルフィたちをアラバスタから逃がしてくれたボンちゃんと、またこうやってここで肩を並べて戦えるなんて!
 がしい!!と抱き合い、再会を喜び合うふたりに思わずこちらまで泣けてきちゃいました(笑)。
 こんなに熱い(暑苦しくもあるけどw)友情物語は見たことねーッ!

 最後はルフィ、バギー、Mr.3、ボンちゃんの合体技で、みごと獄卒獣ミノタウロスを撃破!!
 巻タイトルの“もう誰にも止められない”は白ひげや歴史のうねりのダイナミズムを言っているのですが、ルフィたちのこの破竹の勢いにもかかっているんでしょうね!
 いやもう今回は楽しすぎ!……って、最近こればっかか?(笑)
 だってほんとにそうなんだもん。しょーがないじゃんと(笑)。
 シャボンディ諸島編以来、テンションがまったく落ちないワンピース、いったいどうしちゃったんでしょう!

 さぁ、怒涛の快進撃で特攻野郎ルフィチームはレベル3を突破。
 迎え撃つマゼラン署長たちは、全戦力をあつめてレベル4で待ち受ける!
 インペルダウン編はしょっぱなっから最高潮!
 面白さはとどまる所を知らないッ!



■ WJ 連載時感想
 週刊少年ジャンプ掲載時のタイムリーな感想はこちらです。
 ちなみにこの巻最終話の話数が間違っているのはジャンプ掲載時の誤植だったりします。
 正しくはコミック収録のとおり532話。

ONE PIECE 感想 第523話 “地獄”
ONE PIECE 感想 第524話 “もう誰にも止められない”
ONE PIECE 感想 第525話 “海底監獄インペルダウン”
ONE PIECE 感想 第526話 “大監獄の冒険”
ONE PIECE 感想 第527話 “紅蓮地獄”
ONE PIECE 感想 第528話 “海侠のジンベエ”
ONE PIECE 感想 第529話 “猛獣地獄”
ONE PIECE 感想 第530話 “地獄へ地獄へ”
ONE PIECE 感想 第531話 “LV3 飢餓地獄”
ONE PIECE 感想 第526話 “獄卒獣ミノタウロス”



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posted by BOSS at 22:15| Comment(5) | TrackBack(0) | 漫画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
おーおー、私もハンニャバルとマゼランのコンビは大好きですぞ
最後のページで喜んでるMr.3の人可愛かったですな
Posted by ウル坊 at 2009年06月14日 23:54
個人的にはニョン婆さんが恋した相手が気になる。
オダッチなら今後の展開に絡む人物…とか有りそうだし
Posted by 地方民 at 2009年06月15日 23:38
>ウル坊さん

 あ、ほんとだカワイイ(笑)。
 ステキなところに気づきましたね〜。


>地方民さん

 おお、そう言われてみれば確かに気になる!
 意外と既出の人物だったりしたら面白いですね〜。
 年齢的には、ガープ、レイリー、ロジャー、白ひげなんてあたりがありえたりして。
Posted by BOSS at 2009年06月16日 23:11
ハンニャバル、ほんと衝撃的なキャラでしたね。
もうビックリしてしまいました。ウソでもいいから、こんなキャラの人間に会ってみたいですよ。

ほんと、修行パートですね。BOSSさんの記事を読んでいると、なんかFF6の世界崩壊に似ているなという気がします。

ゾロ…ほんとだ。一番モテてる気がする。
実際こういう人ってモテますよね。
なんていうか女の人が追いかけちゃう感じで。いいなぁ。
ペローナさん、寂しかったんでしょうね。
僕だったら恋しちゃいますよ♪

また最新刊が出るの、楽しみですね!そのときあたりにきまーす!!
Posted by 千石 at 2009年06月21日 18:22
>ウソでもいいから、こんなキャラの人間に会ってみたいですよ。

 ハンニャバル、ほんとにいたら思わず本音が出まくってすごくイヤなヤツかもしれませんが(笑)。

>ゾロ…ほんとだ。一番モテてる気がする。

 ゾロはモテて、サンジがモテない。
 世の中、上手くできているものです。
 そしてサンジはカマバッカにモッテモテと……。

>僕だったら恋しちゃいますよ♪

 あの正しくツンデレなペローナさまにはキュンキュンせざるを得ないッ!

 ほい、またのお越しをお待ちしてます^^
Posted by BOSS at 2009年06月22日 22:41
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