【コミック派ネタバレ注意!】
電力はどうなってるのか、もしかしてハルヒコの“電磁’n(ショッカー)”ってことはないよな?って思ってたら、マジでそうなんですかィ(笑)。
「“根(ルート)”の生活を守る真の救世主…夢路晴彦様をよう!!!」
まぁ、たしかにね!
何年も潜伏生活を送る人たちにとっては、戦闘力の高さよりも電力のほうがなんぼもありがたいですからね。
でも、それで救世主を自称しちゃうのは痛々しいぜぃ(笑)。
で、マリーにちょっかい出して千架にブン殴られるハルヒコ。
あんた幾つだ。
もう30近いか、下手すると越えてるくらいだろうに(笑)。
そして明かされる、マツリ先生たちのその後。
アゲハや雨宮さんが未来から戻らなかったことで、単独でワイズを探索。
宣戦の儀の前日に戻ったマツリ先生はボロボロ状態。
背中に謎の発症を起こしていたと。
これは、五星将の生物研究担当カプリコあたりの仕業臭いですね。
一月眠っていたマツリ先生は、地獄と化した地上で救助活動。
巻末の作者コメントでもありましたが、ここ数回のサイレンはアシさんの仕事がすごいことになってますね。
破壊描写、廃墟描写が大好きな私としてはたまらんものがあります。
そこで遭遇してしまったのが、グラナとシャイナ。
おおっ、なんかホストみたいなかっこしとる。
かっこいいじゃないですか。
でも、結局このスーツも脱いで、最終的にはあのヘンな服になっちゃうんでしょ?
元々ちゃんとした美的感覚を持っていた人たちだったってことがわかってしまうと、余計にかわいそうな気がしてきます(笑)。
皆を逃がすため、身を挺して戦おうとするマツリ先生を制して、影虎さんここでキ〜ッス!!
「愛してるって…何万回言ったら俺を頼ってくれるんだ」
おおお、やるな影虎さん!
ここは本気で痺れました。
最近影虎さんカッコよすぎだって。
そしてついに心が通じたか、マツリ先生は影虎さんとともに死に行く決意。
茫然自失でその光景をみとどけるイアン。
いろんな意味で敗北感に打ちのめされているんでしょう。
別れを告げて、戦いの中に消えていった二人。
これは、普通の漫画だったら生きているフラグなんですが……これはサイレンですからねぇ。
死にましたね〜。
少なくともこの歴史上、二人は確実に死んでますよ。
ふたりを生き延びさせるには、歴史を変えるしかないでしょう。
ところで、マツリ先生が背中に謎の発症を起こしたところで、
「あれ? もしやこれでマツリ先生がネメシスQの本体で確定?
タイムトラベルに耐えられない体になった原因って、もしかしてこれ?」
とか思っちゃったんですが、でもそうすると、サイレンゲームを生み出す原因としてサイレンゲームが必要になるという、完全なループが発生しちゃうんですよね(笑)。
さすがにそれはないかな〜。
もしそうだとしたら、『サイレンの謎』 なんてものを書いている私としてはもうパニックになっちゃうんですが(笑)。
そして、己を責めるように治療に全てをなげうち、自殺するように永遠の眠りについてしまったイアン。
これは悲しすぎる。
マツリ先生をめぐる戦いでも負け、そして人々を救う戦いでも置いてけぼりを食らい、何もかもに敗北してしまった気持ちになってしまったんでしょう。
まるで後追い自殺をするようなものじゃないですか。
世界は滅び、希望だったマツリ先生たちも死に、怪我人を治癒できるサイキッカーもいなくなり、まさに夢も希望もない暗黒の世界の到来。
その窒息しそうなほどの重苦しさのなかで、目覚めたのは少年サイキッカー・ヴァン!
繰り返された悲劇が、ついに閉ざされた少年の心を開き、口を開かせたのでしょうか。
あまりにも辛い現実に、もう黙っているわけにはいかなくなったんですね。
自分にも何か出来るはずだと、何か少しでも役に立てるはずだと。
これは感動です。
こみ上げてくるものに耐えられませんでした。
あのギャグかと思われてたヴァンの豹変ぶりは、実はこんな感動の逸話を隠していたんですね。
マツリ先生たちの思いをちゃんと繋げるため、人々の希望とならんため、少年は次世代を背負う決意をしたのでしょう。
サイレンの物語で心をつき動かされたことは何度もありますが、感動で目が潤んだことはこれが初めてかもしれません。
地球崩壊のマクロ部分はダイナミックな破壊劇で描ききり、ミクロ部分は、ちゃんと小さなコミュニティの窒息しそうな終末感と、残された小さな光をしっかり描いています。
たいした漫画だと思いますよ。
まさか少年誌ジャンプでここまで世界崩壊を描いてくれるとは思っていませんでした。
さてしかし、色々と分かってきたこの未来世界。
宣戦の儀から転生の日の世界崩壊、その後の人々のドラマまで一気に物語のミッシングリンクが埋められてきたわけですが、ではこれからアゲハたちはどうすればいいのでしょうか。
とりあえず、ヒリューや朧を回収しないことには現代に帰れないと考えたいところですが、かといってワイズたちが警戒している地域をうろつくわけにもいきません。
これはちょっと困ったことになってきてはいませんかね。
それとも、帰還はヒリューと朧各自にまかせて、とりあえず現代に帰っちゃうのでしょうか。
しかしそれはそれで、ひとつマズイことが起こってしまいます。
アゲハたちが現代に帰ると、アゲハたちが帰還しないことが前提で動いているこの未来の歴史は、また変わってしまうことになります。
エルモア・ウッド側もマツリ先生側も、また行動が少しずつ変わって行って歴史が動いてしまうんですよね。
つまり、このマリーやフレデリカたちとは、これで永久のお別れということ。
もう一度アゲハたちがサイレンゲームで未来に来たとき、やっぱりマリーたちはそこにいるでしょう。
でも、そこで会うマリーたちは、厳密には違うマリーたちであるはずです。
そのマリーたちは、2008年7月にアゲハたちが失踪しなかったバージョンのマリーたちなんですよね。
そして、現在顔を合わせているマリーたちがいる並行世界では、二度とアゲハたちがやってくることはないのです。
ちょっと、悲しいですよね。
そこが平行世界概念をともなうタイムトラベルものの悲しさでもあるんですよね。
ところで、この間友人の Musha とサイレン談義をしていたんですが、彼が凄いアイデアを出してくれました。
「今度歴史が変わったら、マリーとフレデリカの乳の大きさが逆になってるんですよ!」
たまに Musha の天賦の才には嫉妬を覚えてしまいます。
■PSYREN‐サイレン‐の謎
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その06 「タツオの放浪期間」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その05 「現在と未来の同調性」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その04 「ゲーム主催者」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その03 「ニセ刑事の正体」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その02 「電話の声」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 その01 「噂の発生源」
・PSYREN‐サイレン‐の謎 【序文】
■関連記事
・ジャンプ感想別室 PSYREN‐サイレン‐ CALL.69 “転生の日A”
・ジャンプ感想別室 PSYREN(サイレン) CALL.67 “根(ルート)”
・PSYREN(サイレン)感想 CALL.66 “戦士” 第1回キャラクター人気投票結果発表!
・コミック感想 PSYREN ―サイレン― Vol.5 “幻視(ヴィジョンズ)”
・コミック感想 PSYREN 4 “暴王の月”
・コミック感想 PSYREN 3
・コミック感想 PSYREN 2
・コミック感想 PSYREN 1
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これまでずっと、歴史は一本道で、過去を変えることにより未来も徐々に修復されていくのかと思っていたのですが。
えーと、つまり、今のマリーたちがいる未来は消えて、新たな未来が創造されるのかと。
いや、SFはほとんど読まないので解らないんですが。
アゲハがネメシスQに、異次元みたいなところに連れ込まれたときに、ラジオから出てきた言葉ですね。
「10年前の平行時間軸へ」
現状このセリフしか判断材料はなく、こじつけようと思えば「一本軸」でも「枝分かれ」でも「多重並行」でもどれでも行けそうなんですけどね。
登場人物の言っていることが全て正しいとは限りませんが、とりあえずは信じておいたほうが素直かな?というのが判断理由でした。