2009年05月14日

PSYREN‐サイレン‐の謎 その04 「ゲーム主催者」

 週刊少年ジャンプで連載中の漫画 『PSYREN‐サイレン‐』 の謎を追跡するシリーズ第4回。
 今回は、サイレンのゲームを主催する謎の人物について考えてみる。

 現時点での最新エピソードは 「CALL.69」 であり、そこまでの情報を元に考察を試みることとする。

過去の考察→序文 , 1 , 2 , 3

【ネタバレ注意!】





PSYREN‐サイレン‐の謎 その04
ネメシスQの本体、ゲーム主催者に迫る


 CALL.69においてだいぶ未来の荒廃の謎が解けたサイレン。
 かなり全体がハッキリ見えてきた感じはするものの、いまだサイレンのゲーム自体の謎は、さっぱり解明されていない。
 ヒントすらほとんどないのが現状である。
 しかしそこであえて、サイレンの主催者について考えてみたい。
 いったい主催者は何者なのだろうか。
 そしてどこにいるのだろうか。


 サイレンゲームは、スタート地点の公衆電話を取ることから始まる。
 声と映像がドリフト達にゴール地点を示し、また、公衆電話にテレカを挿すことで周辺地図を表示させることもできる。
 そして、ゴール地点に到達したものは、やはり公衆電話にテレカを挿すことで現代に帰還できるようになっている。
 キーアイテムはどちらも公衆電話なのだが、以上のような複雑なことを可能にするためには、何者かがPSI能力で公衆電話を操作しなければならないことが容易に推測できる。
 現代に戻れば、そこにまったく同じ公衆電話があるように、元は単なる公衆電話に過ぎない。
 その普通の公衆電話が、電源が切れているのに電話が鳴ったり、メッセージや映像を再生したり、テレカに反応して周辺地図を表示したり、テレカの残り度数をルールに従って書き換えるというのは、PSI能力の関与しか考えられない。
 そして、そのPSIは、ゲーム開始の直前に用意されたものと思われる。
 もしこれが何日も何週間も前に用意されたゲームだとすると、その間に公衆電話がサンドワームなどのタヴーに破壊されてしまう可能性があるのだ。
 そういったトラブルを回避するためにも、ゲーム開始直前にPSIをかけた公衆電話を用意したものと思われるのだ。


 では、誰がそれを?
 第一に容疑者として挙がるのはネメシスQだが、彼は違う。
 これらの公衆電話が未来世界にちゃんと残っていることは、現代世界のネメシスQには知ることは出来ない(ネメシスQ自身が現代と未来をしょっちゅう行き来しているなら別だが、現在のところその描写は無い)。
 絶えず歴史を改ざんし、変動させようとしているネメシスQにとっては、結果的にどこに公衆電話が残るのかは知るよしもないことなのだ。
 未来は不確定であることを前提として活動しているネメシスQならば、なおさらのことである。


 だとすると、犯人は未来にいる者でしかありえないことがわかる。
 CALL.47において、ネメシスQの本体は 「10年前の平行時間軸へ」 と言った。
 つまり、ネメシスQを送り出した本体は、現代からちょうど10年後、この未来にいることになる。
 順当に考えるならば、公衆電話に仕掛けを施したのは、ネメシスQの本体その人だろう。
 その人物は、ゲームのスタート地点と、ゴール地点を設定し、現代から送られてきたメッセージを再生し、周辺状況をマップとして表示し、ゴールすることで減少する度数を設定するなど、ゲーム運営を管理している。
 そう、サイレンゲームの未来の主催者は、実はアゲハたちのすぐ近くにいたのだ。
 アゲハらが注意深く行動することによって、その者の正体に近づける可能性は充分にあるのだ。


 では、サイレンの主催者はいったい何者なのだろうか。
 現在のところ、それを匂わすヒントは作中登場していない。
 CALL.47において声だけ登場したが、男か女かすらも判明していない。
 それでもあえて、冒険を承知で推理してみよう。
 当然、ネメシスQの本体はまだ登場していない人物である可能性は高い。
 しかし、意外な真相としてよくあるパターンは、実はネメシスQの本体は既出のキャラだったという展開だろう。
 もしそうだとするならば、いったい誰なのだろうか。


 ネメシスQの本体は、10年後の未来におり、宣戦の儀と地球滅亡を生き延びた存在である。
 年齢は、滅亡前の地球について造詣が深いことを考えれば、現代において少なくとも20代以上だったのではないだろうか。
 造形の深さの根拠は、テレホンカードと公衆電話への知識と、携帯電話への知識両方に精通していることが上げられる。
 2009年現在、街中の公衆電話は非常に少なくなっている。
 携帯電話があれば、公衆電話を利用することなどまずないだろう。
 もし、低年齢のうちに宣戦の儀、世界の破滅を経験してしまった場合、テレカ及び公衆電話への知識はかなり浅いものとなったと考えられるのだ。

 また、サイレンの謎第2回「電話の声」で言及したが、どうもこの人物、現代においてサイレンゲームの入国管理およびアナウンスを担当している女性と、同一人物という可能性がある。
 その女性の人物像は、アゲハよりも年上の、若干感情的な部分を持つタイプ。
 子供を嫌い、とくに童貞少年に対して忌み嫌うほどの憤懣をかかえている。
 突発的に感情をあらわにする点からは、落ち着いた大人の女性というよりは、まだまだ若い、20代そこそこから、行って30という雰囲気を読み取れる。

 年齢的にあてはまりそうなのは、

・八雲祭
・夜科フブキ(アゲハの姉)
・朧のマネージャー


 の3名ということになるだろう。
 ただし、八雲祭が本体である場合、アゲハや雨宮に見せているその言動ほぼすべてが演技ということになるため、これはちょっと考えにくい。
 フブキとマネージャーは、どちらも年下の男の子に常日頃苦労させられており、憤懣を溜めていたとしてもおかしくはない。
 アゲハがガキで童貞と言われるのはまだしも、朧は車も運転できる立派な大人であり、ガキや童貞と言われるのはちょっとおかしいような気もするが、いつもマネージャーに迷惑ばかりをかける変人であることを考えれば、一応考慮の対象ともなるだろうと思い、リストに入れてみた。
 個人的には第1話からフブキあたりが怪しいと睨んでいるのだが、さぁどうだろうか。
 それとも、まだ出ていない人物という可能性のほうが、よほど大きいのだろうか。
 サイレン世界への興味は尽きない。



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