2009年05月08日

PSYREN‐サイレン‐の謎 その01 「噂の発生源」

 週刊少年ジャンプで連載中の漫画 『PSYREN‐サイレン‐』 の謎を追跡するシリーズ第1回。
 今回は、物語冒頭巷に溢れているある噂の発生源について。
 一見不思議はないこの噂なのだが、よく考えてみるとちょっと不可解な点がみつかってくる。

 現時点での最新エピソードは 「CALL.68」 であり、そこまでの情報を元に考証を試みることとする。

過去考証→序文

【ネタバレ注意!】





PSYREN‐サイレン‐の謎 その01
秘密結社サイレンと怪人ネメシスQの噂の発生源


 第1話、巷ではすでに“秘密結社サイレン”と、“怪人ネメシスQ”の二つの言葉が噂となっていて、オカ研の奥村は事細かに内容をアゲハに教えることになる。
 この二つの言葉は、いわば公然の秘密と化していたわけだ。
 ではいったい、どこからその言葉は洩れたのだろうか。


 サイレンドリフトがドリフト以外に情報を洩らそうとすれば殺されてしまうのがサイレンのルール。
 しかし死の直前、運がよければドリフトには、いくばくかの言葉を発する猶予はあったかもしれない。
 真実を誰かに伝えようとして、殺されながらも運良く残した言葉の切れ端が、こういった噂になったと考えるのが妥当だろう。
 また、ドリフトによってはトランス能力によって瞬時にメッセージやイメージを相手に伝えた者もいるかもしれない。
 天寿院エルモアの夫、コペルがそれにあたる(CALL.30)。
 情報を外部に対して遮断したいネメシスQとしては、そうやって情報を得た外部のものも抹殺するのが理屈に合うところだが、エルモアはそうはならなかった。
 これには理由はいくつか考えられるだろうが、単純に考えるなら、ネメシスQにはそのような判断力はなかったと見るのがシンプルだろう。
 ネメシスQは、ごく単純な自我と行動法則しか与えられていない。

「しかし…Qに組み込めたのはいくつかの行動原理…ささいな知能と人格だけ…」(CALL.47)


 そのような事態への対処はプログラムされていなかったと考えられるのだ。
 以上によって、“秘密結社サイレン”という言葉が巷間に洩れ出したことは納得がゆく。
 「秘密結社」 などといういささか滑稽な言葉がくっついてしまったのは、噂についた尾ひれの類だろう。

 だが不思議なのは、あのゲームへの案内人の名前が“ネメシスQ”であることまでが広まってしまっていることである。
 これは一体誰が噂の発生源なのだろうか。
 注目すべきは、ネメシスQ自身の発声能力である。
 ネメシスQ自身は 「Q」 と言うくらいしか、発声している場面は確認されていない。
 恐らく言語能力はほぼ皆無なのではないだろうか。
 となると、ドリフトといえどもネメシスQから本名を聞いたことはありえないわけだ。

 物語内で、最初にサイレン側から正式に“ネメシスQ”という言葉が使用されるのは、テレカの裏側に浮かび出た文字である。
 以下抜粋。

・サイレンドリフトとは アンケートに答えネメシスQとの契約を交わした者
・ネメシスQと共に…時を飛び越え未来を変える旅をするドリフト達に幸あれ――…


 これをもって、先達のドリフト達があの怪人をネメシスQと名づけたのかもしれないが、この文章だけをもって 「ネメシスQ=あの怪人」 とするにはいささか根拠が薄弱ではないだろうか。
 「契約を交わす」 という言葉は、あの電話におけるアンケートを連想させるが、アンケートの声は女性の声であってネメシスQのそれとはまったく違う。
 そして 「ネメシスQと共に時を飛び越え」 という言葉もひっかかる。
 あの怪人がゲームに同行していれば、この言葉をもって 「ネメシスQ=怪人」 が説得力を持つが、未だに未来世界であの怪人が姿を表したことはない。
 あの怪人は時を飛び越えていないのではないだろうか。

 では、いったい誰が何をもってあの怪人をネメシスQであると結論づけたのか。
 この問題を解く手がかりは、第3のゲームからアゲハが帰還した後、彼が単独でエルモアの元を訪れた際にある(CALL.46)。
 アゲハがエルモアに真実を語ろうとすると、ネメシスQが突如あらわれ、アゲハは謎の空間に運び込まれてしまう。
 そこでアゲハは、骨董品のラジオ状の物体から、初めてサイレンの首謀者の声を聞き、真実の片鱗を知ることになる。
 その中で初めて、あの怪人が、首謀者の時を越える代行者、PSIプログラム“Nemesis Q”であることを確認するのだ(CALL.47)。

 この経路のほかに、現在のところ、あの怪人がネメシスQであると確認できる手段は出ていない。
 この事実が示しているのは、アゲハ以前にも、このようにしてネメシスQによって謎の空間に運び込まれ、ラジオの声を聞いたものが居るということだ。
 そしてその人物か、あるいはその人物から話を聞いたドリフトは、第3者に真実を告げようと何かを試み、そして消されていったのだろう。
 そのように推測すれば自然と辻褄が合ってくる。
 アゲハたち以前にも、真実に限りなく近づき、そして儚く死んでいった者達の物語が少なくともひとつ、もしかするとたくさんあったのかもしれない。



PSYREN‐サイレン‐の謎 カテゴリーへ



■関連記事
・ジャンプ感想別室 PSYREN(サイレン) CALL.67 “根(ルート)”
・PSYREN(サイレン)感想 CALL.66 “戦士” 第1回キャラクター人気投票結果発表!
・コミック感想 PSYREN ―サイレン― Vol.5 “幻視(ヴィジョンズ)”
・コミック感想 PSYREN 4 “暴王の月”
・コミック感想 PSYREN 3
・コミック感想 PSYREN 2
・コミック感想 PSYREN 1



********************************************************
よろしければランキングにご協力をお願いします。
にほんブログ村 漫画ブログへ
にほんブログ村 漫画ブログ
********************************************************


posted by BOSS at 23:58| Comment(2) | TrackBack(0) | PSYREN‐サイレン‐の謎 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
エルモアが殺されないのはネメシスが直に人を殺せるような系統のPSI能力ではない(ネメシスは攻撃性能はないが何らかの手段を用い契約した相手にのみ発動可能なネメシス特有のPSI能力を有している)から
だと思っていたんですが違うんでしょうか?
蝉谷はネメシスにテレカ
破壊される
朧は殺されそうになった時にテレカが反応してますよね
Posted by 和 at 2009年05月11日 10:35
 そうなんですよね、蝉谷と朧の件もまた興味深い謎をはらんでいます。

 エルモアがなぜ殺されなかったのか、もしくはネメシスQはなぜエルモアを殺せなかったのかについては、今回の主題ではないので、「単純に考えた場合」を例示するのみにとどめさせていただきました。

 ネメシスQが秘密を護るため、あるいは別の目的のために人を殺す、“その手段”に関する考察は、また機会をあらためてご紹介したいと考えております。
Posted by BOSS at 2009年05月11日 14:40
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]


この記事へのトラックバック
【コメント欄について】 コメント入力の際には、必ずお名前(ハンドルネーム)の入力をしていただけるようお願いします。「匿名希望」や「通りすがり」のように名前入力を回避する意図のあるものは、管理人による削除の対象となる場合があります。ご理解ご協力をお願いいたします。

広告


この広告は60日以上更新がないブログに表示がされております。

以下のいずれかの方法で非表示にすることが可能です。

・記事の投稿、編集をおこなう
・マイブログの【設定】 > 【広告設定】 より、「60日間更新が無い場合」 の 「広告を表示しない」にチェックを入れて保存する。


×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。