今回は 11 話から、先ほど放送された 14 話までの感想を。
【ネタバレ注意!】
10話でいかにも必殺シリーズなハードさを押し出してきた渡辺小五郎(東山紀之)。
仕事の現場を目撃した依頼人を殺し、さらにドジを踏んだ仲間の源太(大倉忠義)までも手にかけるのかと、なかなか緊迫のヒキでした。
第11話「仕事人、死す!!」
主水(藤田まこと)らの機転で斬られずに済んだ源太でしたが、いやぁ結局最後、死ぬことになるとは。
あれは小五郎の覚悟を表現するとともに、源太の覚悟をも引き出すエピソードだったんですね。
しかし死に際はお見事!
ラストシーンの、悪女・お富(浅野ゆう子)との息詰まるやりとりから、桜舞うなかでの死闘は悲壮な美しさがありました。
愛を信じたいのに、そこに愛はない。
愛はないと知りつつも、相手を信じたいと思ってしまう源太の優しさ。
それだからこそ、最後まで裏切られることになった源太の悲しみはいかほどか。
源太をこの時つき動かしていたのは、憎しみとか怒りとかじゃなく、「悲しみ」 や 「義務感」 なんじゃないでしょうかね。
このままこの悪女を野放しにしてしまえば、また自分と同じような被害者が出てしまう。
ならばここは刺し違えてでも、仕事人としてしっかりケリをつけなければならない。
そう源太はこの時初めて仕事人としての本当の覚悟を学んだのではないでしょうか。
思えば源太は、仕事人としては優しすぎたんですよね。
しかし最期は腹をくくり、刺されながらも殺し技を完成させ、悪女を吊り上げたままの姿で大往生。
壮絶なカッコよさでした。
大倉忠義くんもせっかくの必殺レギュラーだってのにここでリタイアってのは残念でしょうが、最期これだけ素晴らしいシーンができたんだからよかったじゃないですか。
必殺の歴史にちゃんと源太という名前が刻まれましたよ。
うちの母親なんかは大倉くんの大ファンになったようで(笑)、あら勿体無い、一番カッコよかったのになんて凄く残念がっておりました(笑)。
まぁ、最初から1クールだけっていう出演契約だったんでしょうね〜。
いやでもちょっと勿体無かった。
第12話「冤罪」
源太なき後、メンバーが一人少ない状態での初仕事。
本当に悪いヤツは、実は善人ぶった顔をしているものなのだと、そうやって善人の仮面を引き剥がす小林稔侍が面白い。
名奉行、実は裏では極悪人というベタな役どころでも、小林稔侍がやれば人間的厚みが加わって魅力的に見えてきます。
しかし最期のお白州での殺陣はしつこかった(笑)。
小五郎に斬られてから、おまえ、いつになったら倒れるんだと(笑)。
第13話「給付金VS新仕事人」
時事ネタを得意とする必殺シリーズの伝統通り、定額給付金を思わせる 「ご公儀振る舞い金」 を題材に、詐欺を働く役人を裁く。
家屋セットを盛大に燃やしたりと、なかなかの豪華な予算編成でスケール感あり。
しかし悪人のやってることが凄まじい。
一人あたり一分の振る舞い金を、人別帖詐欺によって受け取り手を水増しし、大量に浮いた分を懐にっていう作戦でしたが、それっていったいどのくらい儲かるんでしょう。
一分は一両の4分の1で、一両の価値は時代によって変動するのですが、大体5〜10万円の価値と言われています(物の価値それ自体が違うので厳密には比べられません)。
とすると一分は1万2000円〜2万5000円ってところ。
今回悪人達が利用した、帳外れの連中10人ほどを何度利用し、人別帖を取得させたのかはわかりませんが、仮に10人を5回転居させて50人水増ししたところで、そこで上がる利益は60〜125万。
ふぅ〜む。
だとするとこれ、あれだけ人数と手間暇かけて、人を10人以上ブッ殺してするほどの利益じゃないですよね(笑)。
普通に賄賂とかでそれ以上に儲かってそうです。
テレビに映っていたのが、彼ら悪人が利用した被害者のごく一部だとしても、それにしてもなんとも労力と利益が割の合わない悪事だと思うんですが。
まぁそれにしても着眼点のアホらしさというか、スケールの大きさが面白くって、上記で言ってるほどダメな悪事とは思えなかったのです(笑)。
で、まぁこの話の本題はそういう時事ネタ悪事ではなく、今回初登場の仕事人新メンバー、仕立て屋の匳(田中聖)。
うむ、なかなかいい。
鋭い眼光。やんちゃっぽい悪たれな人相。どことなく香ってくる男の色気。
坊主頭にボロい派手な衣装と、どことなく 『仕置人』 の念仏の鉄さん(山崎努)を思わせるオーラがあるじゃないですか。
源太が草食系仕事人なら、こちらは間違いなく肉食系。
しかしあまりギラギラしすぎて、周りの演技のどことなくお芝居じみた感じとズレている感もなくはない(笑)。
まぁ、気合入りまくってるんでしょうから、そのうちみんなと合わせて行けばいい感じになるんじゃないでしょうか。
殺し技は糸ですか。
先端につけた針の重みでくるんくるん赤い糸を振り回すスローモーションがなかなか美しかったです。
また、匳に分け前を渡しながら説教をする主水さんがよかったですね〜。
仕事料を受け取らなければ、人ではなくなってしまう。
金をもらって人を殺すほうが人らしいという、普通の時代劇では完全に逆なんですが、これが必殺なんですよね。
仕事人とはなんなのか、また考えさせられる含蓄の深いお言葉でした。
さすが主水さん、貫禄が違いますねぇ。
第14話「武士の異常愛」
ワカパイこと井上和香をいかに色っぽく、ストーキングしたくなる男の気持ちが分かるように撮影した監督のこだわりは納得(笑)。
井上和香の指をしゃぶりまくる山口馬木也の変態演技も見ててなかなか楽しかったです。
そのほかは、脚本、演出ともにちょっと平凡な作りながらも、出演者の頑張りで面白いムードを作り上げてくれた一本でした。
しかし、宇梶剛士さん演じる奉行所の坂本さんは、今までは役には立たないけどその代わりに害にもならずでしたが、今回はあからさまな害でしたね〜。
実は今回、小五郎が坂本さんを斬るんじゃないかとちょっとハラハラしてしまいました(笑)。
ラスト、匳と涼次のタッグ必殺は見ごたえがありました。
匳の赤い糸が、あれよあれよと言う間に部屋中クモの糸のように張り巡らされ、気づけばあれだけ大男の悪人もビクともできず。
そこに涼次の針が突き刺さり、匳もトドメとばかりに締め上げる。
ふむ、暗闇に赤い糸ってのは美しいですね。
使い勝手もいろいろあるでしょうし、応用が利いてよさそうです。
工夫次第でまだまだ面白い映像が作れそうですね。
しかし、衣装がまるっきり念仏の鉄さんになってましたなぁ。
まぁ、わたしゃ鉄さんサイコー!な人ですからナイスリスペクトってことで嬉しいんですが(笑)。
今のところキャラのインパクトで完全に涼次を食っちゃってる感じがします。
あやうし松岡さん。
次殺されるのは松岡さんか?(笑)
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必殺は 私も好きで見ておりますが、ピアスの田中君が、ど〜も好きになれません・・・
まえだまえだです!のあの可愛い子も 出なくなってしまって、ガッカリしています。。。。
おお、ご愛顧どうもありがとうございます。
これからもヨロシクです。
田中聖くんはなかなかアクが強いし、一人余裕がない感じでギャグシーンもないので、そのお気持ちは分かる気がします。
周りはシリアスとゆるい日常の落差があるのに、ひとりだけずーっと気を張り詰めている感じなんですよね。
もうちょっとゆるい一面を見せてくれると、またちょっと印象も違うかもしれません。
そうそう、あの子も可愛くて、うちの母親は気に入ってたんですよ。
源太とふたりで定食屋を切り盛りする姿がとってもいい風景だったんですけどね。
私も残念ですわ。
その後のあの子がどうなったのか、いつか再登場してくれるといいんですが。