ジョジョの奇妙な冒険 Part7 SBR #47 デラウェア河へ@ の感想です。
垣間見えたのは、「希望」 か 「絶望」 か。
予断を許さない最終決戦に、さらなる想定外の事態が訪れる!
【ネタバレ注意!】
今月のウルジャンの特別付録は、スティール・ボール・ラン特製下敷き。
荒木先生描下ろしのイラストで、表はルーシーがライ麦畑でつかまえて〜んな感じでセクシーなカラーイラスト。
ちょっとアメリカの雑誌の表紙風ですね。
裏はジャイロ&ジョニィのクールな二色刷りとなっています。
これは永久保存版ですな!
扉絵のコピーが素晴らしい。
立ち上がれる、何度でも。
相棒がいるから――。
まさに今回を象徴するようなキャッチです。
かっこええ。
本編。
まずはジャイロ、鉄球を地面で回転させることで砂地に波紋を呼び、その波形でジョニィをみつけだしました。
これはジョセフのハーミット・パープルへのオマージュでしょうか(笑)。
もう何でもありですから、今更鉄球でなにをやったところでもう驚きゃしませんが、これはちょっとアニメで観たら綺麗な場面になりそうですよね。
SBR のアニメ化って話はないんだろうか。
助け出されたジョニィは、なんと大統領の能力をあらかた見届けていました。
あの Dio とウェカピポが苦戦したあの展開を、ほぼ完全に見て、理解していたんですね。
これまた凄い洞察力です。
つまり、Dio とウェカピポに銃撃されて、下水溝に逃げ込んだフリだけして、ほぼずっと上の様子を伺っていたってことですか。
それはそれで凄い。
ジョニィ、これだけボロボロになりながら凄い執念ですわ。
それとちょっとだけ理解できたのですが、この世界のジョニィを撃ったのは、Dio であり、ウェカピポであり、どちらも本当なんですね。
ジョニィには撃った犯人は2人に見えていたわけです。
しかし、撃ったほうの本人は自分だけがジョニィを撃ったと認識していた。
位置が重なっている者同士は自分と重なっている相手は見えず、外からはどちらも認識できるということなのかもしれません。
まぁそれだと公園の子供達や画家が見た光景がそれぞれ違うということの説明はつかないのですが、あるいは角度やタイミングによっては見え方が変わるのかもしれませんね。
このあたりはもう、さすがに理解不能。
とにかく 「平行世界の複数の人物がジョニィを殺害しようとして、どれも本当に同時にそこにあった」 ってことだけが分かればそれでいいのでしょう。
で、撃たれた本人には、それを認識できたと。
なんとも酷い目にあったもんですジョニィ。
しかしジョニィは、こんな目に合いながら、遺体もすべて大統領に回収されたというのにまだまだ戦うつもりマンマン。
常識的に、「あきらめるというのも 「勇気」 じゃあねーのか」 なんて言い出すジャイロの言うことなど耳も貸しません。
ここ、戦いの放棄を提案するジャイロをちょっと主人公として疑ってしまいましたが、ジャイロの気持ちも分からないでもないんですよね。
ジャイロにとっては、遺体よりもレースなんですよね。
遺体自体にはあまり興味がないんじゃないでしょうか。
レースに勝ち、マルコ少年の処刑を恩赦してもらうことが一番大切なことですから、大統領がジョニィを見逃した以上はこれ以上遺体の件に深入りせず、レースに専念したほうがいいと考えたとしても不思議はないのです。
でも、ジョニィは納得しない。
ここで初めてじゃないでしょうか、ジョニィ、血を吐くように真情が吐露されました。
「生きる」とか「死ぬ」とか
誰が「正義」で 誰が「悪」だなんてどうでもいいッ!!
「遺体」が聖人だなんて事もぼくにはどうだっていいんだッ!!
ぼくはまだ「マイナス」なんだッ!
「ゼロ」に向かって行きたいッ!
「遺体」を手に入れて自分の「マイナス」を「ゼロ」に戻したいだけだッ!!
なるほど。
理解しきれたとはいいがたいのですが、なんとなくジョニィの気持ちが分かってきました。
ジャイロにとってマルコ少年の恩赦が納得なら、ジョニィにとっては遺体を 「手に入れること」 が納得にほかならない。
自分の壊れてしまった人生をゼロに戻すためには、これと決めたことをやり遂げることが、絶対に必要なことなのだと、そう感じているのかもしれませんね。
なんとなく分かる気がします。
破滅や破綻、挫折で真っ暗になってしまった自分の人生をひっくりかえすため、心が必要としているのはひとつの 「達成」 であって、内容は何でもいい。
しかし今ここで遺体を諦めることはつまり、人生を諦めることになってしまうと、そう感じているのではないでしょうか。
やっぱりジョニィは、過去の呪いからぜんぜん逃れられていなかったんですね。
「この『物語』はぼくが歩き出す物語だ」
というジョニィのモノローグから始まった SBR ですが、その意味が分かってきた気がします。
ジョニィがゼロに戻り、今一度人生をプラスとして歩き出すこと、それが 「歩き出す」 ということなのかもしれませんね。
それはそれとしてジョニィ、本当に足が動き始めてます。
いったいこれはどういうことなんでしょう。
単に今回の旅がショック療法となって足が回復したのか、それともなんらかの超常現象が働いているのでしょうか。
こちらも気になるところです。
さて、熱く真情を吐露したジョニィにほだされたのか、ジャイロ、突然 「鐙(あぶみ)」 の話をしだしてこちらはキョトンとしましたが、なるほど馬の力を体に乗せて戦う 『中世の騎士』 ときましたか。
熱いですね〜。
数千年、鉄球の技術を伝えてきたツェペリ家の血筋が、代々馬乗りの家系のジョニィに伝えられることで、新たな 「回転の奇跡」 が生まれるかもしれない。
「馬+ジャイロ+ジョニィ」 という、まさにスティール・ボール・ランを象徴するような美しい必殺技じゃないですか。
「タスク」 から 「黄金の回転」 を得て劇的に成長したジョニィの能力は、最後にいったいどんな進化を遂げるのでしょうか。
これは否が応でも盛り上がります。
そして、「切り札」 となったルーシーの行方を追い始めるふたり。
ということで、場面はルーシーへ。
相変わらず不可解な能力を活用して脱出を試みるルーシー。
スティール氏を救うために必死!
あの気弱で泣いてばかりだったルーシーが、臨月の大きなおなかだっていうのに、涙をカッターに変えて気丈に戦ってますよ。
この物語で一番大きく成長したのが彼女かもしれませんね。
前回は特定の部位にダメージが繰り返され、増幅していって最後は死ぬというような形でしたが、今回は御者がどうやっても逃げられず、最後は御者台に座るハメに。
これはほんとよくわからないのですが、「運命を固定する能力」 みたいなものなんでしょうか。
いかにあがこうと結果は変わらない、最後は指定した運命に吸い込まれてしまう運命のブラックホールとでもいうか。
敵にまわしたらあまりに怖すぎる能力です。
第5部ラストのエピソードを飾ったローリング・ストーンズに似てなくもないですが、あちらが石という直接的な形で攻撃してきたのに対し、こちらはどこから何が来るかも分からず、おっかないですね。
さらに 「死」 に関係ない、「御者台に座る」 という現象まで指定できるとは、神にも近い能力ですよ。
さすが遺体頭部の能力といったところでしょうか。
しかし、ハチを払いのけるポーズを敬礼に見間違えられるって、御者さんが憐れすぎてなんとも……笑ってしまいました(笑)。
ところがどっこい、今回はこの後のシーンがとんでもない衝撃展開。
ルーシーを導く遺体の声。
それはデラウェア河へとルーシーを導く、大統領の手から逃してくれる天の声かと、そう思わせておいて……。
ギャーーーーース!!!!
ここでまさかの大統領ぉおおおおおおッ!!!!!
これは完全に想定外ッ!!
大統領が二つの眼球から出る光を交差させて、ホログラフのようにルーシーの様子を映し出し、ささやきかけるその声がルーシーに届いていたとは!
ルーシーを導き、脱出を図らせていたのはほかならぬ大統領だったと!!
これはまさかの大どんでん返し!!
いや〜びっくりこいた! こきまくった!!
なるほど、大統領が誰にも気づかれずにルーシーを連れ出すために、ルーシー自身に脱走させていたということか。
大統領自身が庁舎に立ち寄りルーシーを連れ出すとなると、どうしても衆目の監視を避けられず、いかにうまくやったところで足跡を残してしまう確率が高くなる。
ところがルーシー一人が自分から脱出するなら、そして大統領が遠くからささやきかけ、遺体の能力で援護するなら、足跡を残さず脱出することも可能だったと。
なんてイヤらしい策略でしょう。
ほんとムカつく奴だ大統領は。
必死に望みをかけて脱出してきたルーシーには、世界が崩れ落ちてしまったような絶望感だったでしょう。
さぁ、これでまったく先が読めなくなってきました。
ルーシーを救おうとするジャイロ&ジョニィは、この状況を察知することができるのか。
逆転を狙う Dio はどう動くのか。
そして、「地図」 の最終地点(ニューヨークですかね?)を目指す大統領の目的とは。
いよいよ最終局面が近づいてきましたが、まったくもって予測不能、予断を許さないままに、クライマックス感はめいっぱいに盛り上がりまくってます。
いや〜今回のどんでん返しは凄かった。
まさか、ホント、まさかですもんね〜。
マジでどうなってしまうんでしょう。
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■外部リンク
SBR感想 #47 デラウェア河へ(1)(@JOJO)
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