2009年04月14日

週刊少年ジャンプ20号感想 後編

 そいでは後半戦でっす。




 後半の感想は、

・サイレン
・スケダン
・いぬまる
・アイシル
・ネウロ
・ぬら孫
・フープメン
・ぼっけさん

 の8本でお送りいたします。



【センターカラー】 PSYREN−サイレン−

 なんかやたらと長くなっちゃったので別エントリーにて。



SKET DANCE

 父の遺志を受け継ぎ、人助けに生きることを選んだボッスン。
 その初の助っ人仕事が椿を目覚めさせ、今の2人を同時に生んでいると。

 ボッスンの話は結局ヒネリのないストレートさで、スケダンにしては意外でしたが、やっぱりちょっと涙を誘われちゃいますね。
 大方の予想通り、手紙がボッスンの心を開かせるきっかけでしたが、その中身はまさにスケット団の魂でした。

 仲間を大切にしろ。
 人を裏切るな。
 困ってる人を助けろ。

 なるほど、スケット団の生みの親は、ボッスンの父親だったわけか。
 むしろリョウスケ、ハル、茜が実は元祖スケット団だったのかもとか。
 だとすると、『スケットダンス』 というタイトルの謎も、実はこのあたりにあるんじゃないかとか、ちょっと妄想を膨らませてみました。
 スケット団はひとつじゃなくって、絆と連鎖でいくらでも増えていくもの。
 そのいい例として、椿もやっぱりスケット団の魂の影響で生まれたからには、実はスケット団の支部なのだよと。
 いつかはスケット団がいっぱい増えて、複数形になって 『スケットダン になる。
 その過渡期だから、今はまだ書きかけの 『スケットダン 。(いや、まぁ英語のスペルはぜんぜん違うんですがw)
 そういうことだったりして、なんて妄想だったのですが、万が一当たってたら嬉しいですなぁ。
 まぁ、つまらない世迷言でした。

 それにしても、「産まれてきてくれてありがとう」 って、とっても勇気の出る素敵な言葉ですね。
 中島みゆきの 『誕生』 って曲を思い出しました。
 びっくりするくらい今回のお話にピッタリはまる曲です。
 是非ボッスンに聞いて欲しい。

誕生   中島みゆき


 この、父の遺志を受け継いで生きることを選んだボッスンが、今となってはそれが自然体となっているってところが凄いって思うんです。
 ちょっと、今までよりもボッスンが凄い男に思えてきてしまいました。
 人間、なりたいからってなりたい姿になれるもんじゃないですもんね。
 ボッスン、頑張ったんだなァ。
 頑張ることが自然に自分自身になってしまうくらい、天国の両親に恥じないように、必死に頑張ったんでしょうね。
 なんか、ボッスンすげーよ。
 ちょっとそんなことも思って感動しちまいました。



いぬまるだしっ

 いぬまるくん、初めてのおつかいの巻。
 バクマン。ネタはもはや鉄板。
 しかしそれ以外のネタが珍獣ハンターイモトとかLUNASEA初期の真矢さんとか、攻め口が狭すぎる(笑)。
 いや、イモトはツボ突かれちゃいましたが。
 そしてさすがに 『おどるチンポコリン』 は最悪だろと!
 飲み屋の親父レベルの下品さですって(笑)。



アイシールド21

 ヒル魔と阿含が因縁を越えて、悪魔のタッグ初結成!
 クリスクロスを最初からいとも簡単に成功させて、その後も完全に息ピッタリの悪辣すぎる策略の数々。
 いやもうこれは阿含じゃなくても見ててハイになちゃいますわ(笑)。
 ニヤリと笑った阿含、もしかして初めてアメフトのチームプレイの面白さを噛み締めちゃってるんじゃないでしょうか。
 今週は新しい喜びに目覚めまくるアゴンヌがかわいくてかわいくてですよね(笑)。

 因縁と言えば栗田もそうですし、一緒にプレーすることで、これまでの確執が氷解していく、これぞスポーツの喜びじゃないでしょうか。
 そしてその先に、11 枚のピースが噛み合った、アメフトの初めての面白さを知るアゴンヌ。
 いや、なんでしょうねこれは、ちょっとこれ感動しちゃっていいんでしょうか。
 悪いことはないか(笑)。
 ちょっと感動と言うか、思わず感慨に浸っちゃいましたよ。
 あの、最悪の悪役が、ようやっとなあ〜って感じです。
 今、最強のタッグ、ヒル魔・アゴンヌが誕生したのとともに、本当の意味でのアメフトプレーヤー・阿含が誕生したのかもしれませんね。

 さぁ、15点差で前半戦終了。
 意外と喰らいつきつづける日本にクリフォードの表情も変わりましたが、後半戦はどうなるんでしょうか。
 アメリカにはさらに日本を引き離す、より凶悪な手があるのでしょうか。



魔人探偵脳噛ネウロ

 魔界に帰る事を実はためらっていたネウロ。
 時間の流れ方も次元も異なる魔界と地上では、戻ってきてもそれがいつなのか、この同じ世界なのかも怪しいのだと。
 心配なのは、人類であり、弥子のことなんですね。
 その迷いを察した弥子は、自分は、人類は大丈夫だと、いつ戻ってきてもより成長(しんか)してネウロを迎えてあげると、そう約束する。
 立派になったなぁ弥子は。
 そして、人類とはなんて素晴らしいんだと、胸を張って頑張れる、そんな人類代表の誇らしげな進化宣言じゃないですか。
 いやもうこれはネウロならずとも感動です!

 そして、思わず弥子を抱きしめちゃったネウロ!
 フハハハハと大笑い!!
 なんだこりゃ! こんなネウロ初めて見た!
 本来なら理解しあえないはずの二つの異なる生命が、本当に信頼で結ばれた瞬間なのですね。
 やばい、ダメです。
 このへんで私、涙腺決壊いたしました(笑)。

 我が輩は何と愚かな心配をしたのだろうか!!

「留守は任せたぞ 相棒」
「うん」


 逆さの世界から、まっすぐ真摯に見つめあう2人。
 まったく異なる生命体同士の、最高の絆――“約束”――の誕生です。
 これまでの物語が一気にフラッシュバックしてくるじゃないですか。
 様々な謎を解き、苦難を乗り越えて今、2人は互いを理解することと、信頼できる約束を手に入れた。
 なんてすばらしい出会いの物語だったんでしょう。

 そしてまた、この物語はネウロと言う異形と出会うことで描かれる、人類の物語でもあったのです。
 人類の、未来を諦めない心、可能性を追求し続ける素晴らしさを讃える物語だったのですね。
 これこそ 『人間賛歌』 です。
 こんなに力いっぱい歌い上げる人間賛歌をジャンプで読もうとは、思いもしませんでした。

 いや〜今週はもう感動のひと言に尽きます。
 次週は3年後に話が飛んで、センターカラーでクライマックス。
 クライマックスっていうのはジャンプでは“最終回”を指すわけですが、センターカラーで最終回ってのは本当に珍しいですよね。
 とりあえず他にパッと思いつきません。
 あ、テニスの王子様がそうでしたっけ?
 なんにせよ、大団円で終わる漫画だけができる特権といったところでしょう。
 さぁ、どんな締めかたを見せてくれるのでしょうか。
 ネウロが帰ってきてくれたらいいのですが、帰ってくるにせよ来ないにせよ、美しい終わり方をしてくれることになんの疑いもないですね。
 とにかく楽しみです。



ぬらりひょんの孫

「奴良君は―――人間やんな?」


 ついにこの時がきたかってセリフです。
 ゆらさん、リクオをとるか、花開院をとるか。
 ゆらさんはリクオを疑いながらも、人間であって欲しいと、そう願っているんですね。
 たとえ本当は妖怪であたっとしても、人間だと言うなら信頼して、これまでどおり仲間でありたいと。
 そう、願っているのではないでしょうか。

「ボクは…人間だよ!」

 そう答えたリクオに返す、ゆらさんの笑顔。
 とても晴れ晴れとした、憑き物が落ちたようないい笑顔じゃないですか。

 さぁ、リクオ側につくことに腹をくくったゆらさん、兄妹対決です。
 しかしさすが花開院兄。
 その術は式神をあやつるだけではなく、言ノ葉の呪(しゅ)を自在に操るとは。
 誰もが“餓狼”“喰らえ”と聞けば、それによっておのずと自らをイメージで縛ってしまう。
 それによって体に侵入してくる水が視界に入らなくなってしまうという呪なのでしょう。
 これぞ陰陽師って感じで、なかなかグッとくるものがありました。
 兄としてはことほどさように言葉に騙されやすい妹にそれを自覚させ、リクオの言葉に騙されるなって事を言いたいのでしょう。

 しかし妹の体を体液で破裂させるって、どんだけ酷いことしますか!
 目も鼻も口も、あらゆるところから破裂してますよ。ムゴすぎです!
 普通なら“体液”とか聞いてエロ妄想もハジケそうですが、さすがにこれは可哀想すぎてそれどころじゃない。
 この兄貴、酷いことします。
 悲惨な目に遭うことの多かったゆらさんですが、無惨もここに極まれりですよ。
 リクオ、やったれ!
 おしおきの時間です!

 でも、せっかくゆらさんが信じてくれたのに、その目の前でリクオが正体を現さなきゃならなかったのは少々残念。
 まぁしかし、ゆらさんはリクオが人間だろうと妖怪だろうと信じてくれるっていう意味で信じてくれたんだと思いますから、きっと大丈夫ですよね。
 あ、でもさすがに今は意識ないかな?
 もしかしてこのままゆらさん意識ないまま誤魔化せますかね?
 うーん、個人的にはいっそのこと、ここですっきり正体バレしちゃったほうが気持ちも楽になると思うんですけどね〜。
 どうなるんでしょう。



フープメン

 フープメン、お前もか!
 否定的なことは書かないのがうちの主義ですが、ちょっとそう聞こえかねないことを今から書きます。
 でもフープメンを否定しているんじゃなくって、昨今のジャンプスポーツ物全体に言いたいことというか、疑問がちょっとありまして、それをこの際フープメンの場所を借りて書いておきたいと思うのです。

 何が言いたいのかと申しますと、なぜ、スポーツ漫画って敵チームをゲスにしないといけないんでしょうと、そういうことです。
 そこが私はちょっと納得がいかないのです。
 フープメンをかなり気に入りかけていただけに、今週は少々ガクッときちゃいました。

 たしかに少年マンガにおいて、許しがたいムカつく相手を実力でギャフンと見返してやる展開は気持ちのよいものです。
 バトルものの王道ってもんです。
 少年読者にとって、これほどわかりやすい動機付けや爽快感もないでしょう。
 悪いヤツをこらしめる勇気や、そのために積み重ねる努力を描くことは、正義の心を伝える少年マンガの本分みたいなものかもしれません。

 それはそれとして、しかしことスポーツにおいては、話はちょっと違うと思うのです。
 そもそも、悪いヤツをこらしめるためにスポーツマンは頑張るんでしょうか?
 違いますよね。
 スポーツマンはスポーツ自体が楽しいから頑張るのであり、勝つためにこそ勝つのですよね。
 勝つことに目的はなく、勝つこと自体が目的なのです。
 スポーツってそういう純粋なものだと思うんですよ。
 また、試合に勝てば、相手は悪いところを改めるのでしょうか?
 そういうわけでもないですよね。
 悪い人間は試合に負けたところで悪いところを改めたりはしませんよ。
 まぁ天狗になりすぎている奴が鼻っ柱を折られて謙虚になることはあるかもしれませんけど。
 では、試合に負けるということは、悪いことをした報いなのでしょうか?
 そんなわけがあろうはずもなく。
 純粋に、練習が足りなかったりチームとして及ばないところがあるから負けるだけでしょう。
 「負けた=悪いことをした報い」 であるなら、「負けたチーム=悪い人間」 という非常に乱暴な図式が成り立ってしまいます。
 そんな暴論がスポーツ世界であっていいはずはありません。

 ラグビーの試合では、試合終了という意味で 「ノーサイド」 といいます。
 試合が終われば右も左もない、どちらもすばらしい試合を演じた選手達として、同じ仲間になるのです。
 それがスポーツのすがすがしさじゃないでしょうか。
 私はそう思うんですよ。

 はたしてこういう最近のスポーツ漫画における悪役を倒していくスタイルが、本当にスポーツの楽しさを伝えているのか、私は疑問に思ってしまうのです。
 漫画は漫画であり、スポーツ漫画といえどもそれはスポーツではないという話もわかります。
 スポーツはあくまで題材であり、漫画はやはり漫画として面白くなければいけないという理屈は正当な話です。
 でも、やっぱりムカツク敵を倒してあ〜スッキリっていうスポーツって、私はあまり読んでて気持ちいいとは思えないのです。
 これはもしかするとかなり個人的な趣味かもしれないので皆さんはどうかはわかりませんが、私はそう思うのです。
 なんで最近のジャンプのスポーツものは、必ずと言っていいほどムカつく敵が出てくるんだろうと。
 もうちょっと試合後にすっきりお互いを讃えられるような漫画があったっていいじゃないかと思うんですね。

 まぁ、長いこと書いてしまいました。
 でもフープメン、そんなところにひっかかってしまいましたが、それ以外のところでは相変わらず面白いです。
 今週は試合前の緊張感がビシビシ伝わってきたのが良かった。
 なんか学生時代を思い出しちゃいますよ。
 私の場合は合唱団でしたけどね、舞台の前ってめちゃめちゃ上がりましたもん。
 でも、あのテンションが気持ちいいんですわ。
 青春ですって。
 また為吉先生もいいかんじ。
 生徒になんとなく慕われて尊敬されてる先生っていいですよね。

 ところで掲載位置が急にヤバイとこに来ちゃいましたね。
 どう見てもこれは 10 週ペースの落下速度か。
 面白いことは面白いんですが、やっぱりちょっと地味なのが痛いんでしょうか。
 頑張って欲しいものです。 



ぼっけさん

 ぬぬぅ。
 この富瓜アナ、かわいいから気に入っていたのに、とんだ無神経もあったもんだ!
 しかしまぁそれは若気の至りというか、特ダネ欲しさの暴走として理解できるかもしれないんですが、このヒノの兄貴の暴走は、これはいったいなんなんだ!
 一見責任感の強い優しい兄貴が、実は弟に強度に依存していたってこと?
 己の存在を弟を護るヒーローと言う価値にしか見出せなかったのでしょうか。
 なんだかものすごく気持ちの悪い回想でしたね。
 たぶんこの兄貴が帰ってくるんでしょうけど、一体全体どんな奴として帰ってくるんでしょうか。
 なんだか物凄くイヤな予感がしてしまいます。

 さて、早くも動き出した南区。
 差し挟まれた回想では、100年から150年は紅牛は出てこないってことですが、いや、だからってのんびり暮らせるってアホですか!(笑)
 南区と北区の戦力差を考えれば、紅牛なんかなくったって南は北を殲滅できるんですぜ。
 のんびり暮らせるわけがない。
 それなのに南は紅牛をさがして矛先を納めたってことは、それ以上の破壊を計画してるってことじゃないですか。
 その計画ってなんなんだとか、次紅牛が出てきたらどうするのかとか、やることはいっぱいあるってーのにコイツらときたら(笑)。
 ほんと、北区の菩怪は役に立たん。
 やっぱりヒノが一人で頑張るしかないんですね〜。

 で、予想通り過ぎて逆にビックリしちゃったのですが、サユが次の紅牛に。
 もしやこれは巻きがはいっちゃいましたか?
 ぬーん。
 ちょっと心配です。



まとめて

 ということで今週の感想はここまで。
 ワンピはあいかわらず面白いですが、今週はやっぱりネウロが感動。
 弥子を抱きよせたネウロの笑顔が目に焼き付いちゃいました。
 来週のクライマックスがとても楽しみです。

 そして、来週は巻頭カラーでバクマン。
 作者コメントでいきなり 「亜城木、福田、中井の漫画のタイトルロゴをデザインして頂きました」 なんてネタバレしちゃってますが、新人枠は2つのはずですからこれはイラスト上のことだけでしょうか。
 亜城木コンビには巻頭カラーでめでたく連載スタートってなってくれるといいですね。

 読み切りは、WJ初登場の新人さんですが、赤マルではけっこう評判が良かったらしい三代川将先生による 『血風学級怪』
 都市伝説モノは私が大好きなジャンルなのでこれは楽しみです。

 来週はワンピがオヤスミでガッカリはガッカリですが、ネウロしかりバクマンしかり、サイレンやぬら孫も先が気になる展開ですから、変わらず楽しく読めそうです。
 それではまた。



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ラベル:ジャンプ 感想 JUMP WJ
posted by BOSS at 21:06| Comment(4) | TrackBack(0) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
今回のスケダンでボッスンが椿をかばうシーンをじっくり見て
2人が双子の可能性がでてきた気がします
理由の一つとしては椿の髪型で、ボッスンと比べてちょっと髪が短いがクセが妙に似ています

一応、あくまで可能性なので参考程度で
Posted by 跳祭 at 2009年04月16日 10:10
 おおお!
 それはマジでありそうですね!
 実は双子で、当時茜さんは2人は育てられない状況で、椿は別の里親に育てられたと。
 あの行動パターンがそっくりなふたりなだけに、ボッスンと椿が双子ってのは凄く納得がいきます。

 まぁ、偶然の一致ということも充分ありうるんでしょうけどね。
Posted by BOSS at 2009年04月16日 23:59
こんばんは。おおう!椿とボッスンの
双子の可能性か。そういえばハルさんの
妊娠中の写真、1人にしてはずいぶん大きな
お腹してましたね。

もしそうだとすると椿もボッスンみたいに
真相を知ってショック受けそうだなぁ。

もしくは何かのきっかけで兄弟と知るとか、

妄想

ぼっすんが何らかの事故にあって大量出血
で大ピンチに。
ヒメコやスイッチは輸血しようと申し出るが
調べたらボッスンの血液は特殊な血液で
輸血できないといわれる。

たまたま集まった生徒会の面々の血液を
調べてあうのは椿の血だけだったとか。

まあこんな展開にはならないと思いますが
(汗)
Posted by かな2 at 2009年04月17日 23:11
>妄想

 輸血ときましたか!
 いつも思うけど、すばらしい妄想力です(笑)。
 かな2さんの二次創作が読んでみたいwww
Posted by BOSS at 2009年04月19日 00:22
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