原作小説は正伝だけでも 126 巻を数え、なお語り続けられている超長編大河ファンタジー、その待望のアニメ化。
期待に胸膨らませ、待ちに待っておりましたが、期待にしっかり応えてくれた素晴らしい感触の第1話でした。
わたしはもう面白すぎちゃって、思わず6回くらい見てしまったのですが(笑)。
なにはともあれ、「フォレスト・ファイアー・パーンチ!!」 ですなwww
注)私は原作を最新刊まで読んでおりますが、一応ネタバレをしないよう注意しながら書いております。
一夜にして滅び去るパロ王都クリスタルを描く冒頭部分。
短い尺ながら、スケールを感じさせる侵略劇、父と母の優しさとその死、アルド・ナリスの高貴さと誇り、そして謎の転送機械による転送事故などなど、重要なあれこれをこれでもかと濃縮したオープニングは、一気に引き込まれるものがあります。
若干つめこみに無理があるのか、扉を閉じた瞬間の王と王妃の死は唐突感がつきまといますし、ナリスの大見得切っておいてそりゃないぜっていう転落も思わずふき出してしまいましたが、なんとなくこのあたりは舞台劇的なものを感じました。
これから大きな物語が始まりますよ〜って説明する、いかにもプロローグ的な省略の技法ですね。
しかしあのナリスはちょっとかっこ悪かった。
ナリスファン怒らないかな(笑)。
さて、座標の狂いにより、叔母のいるアルゴスではなく、モンゴールの領土、ルードの森に飛ばされたリンダとレムス。
リンダの健気さ、誇り高さが良く出てていいですね。
「けだもの、モンゴールの犬!
お前達など、ヤヌスの神の雷(いかずち)に打たれて、黒焦げになるといい!!」(うろおぼえ)
どんなときも決して勇気と誇り高さを忘れない、実にリンダらしい印象的なシーンでした。
そして一人になった瞬間とたんにあふれる涙。
健気にこれまでこらえてきたものがふとした気の緩みで漏れてしまったんでしょうね。
これはアニメオリジナルの工夫でしたがとてもよかった。
また記憶をなくしたグインへ見せるやさしさ、とてもいいですね。
「きっと疲れているのよ」
昔、小説で読んだときはまぁ子供だし、そのくらいしか言えないよなくらいに思っていたセリフでしたが、これ、すっごい優しくて慰められる言葉だったんですねぇ。
気休めかもしれないけど、それでもそういってくれる優しさはありがたいと思えます。
リンダの魅力全開です。
アニメ版の視点として感情移入できる、とてもいいキャラクター作りでしたね。
対してレムスの、あのヘッポコさがこれまた素晴らしい(笑)。
ぐちぐち文句ばっかりで、ネガティブな思考はリンダをイライラさせるばかり。
ヴァシャのトゲにひっかかって悲鳴をあげる間の悪さもイライラするし、逃げるとなれば斜面を降りるのも走るのもモタモタしていて足手まとい。
黙れって言ってるのに自分達の正体をしゃべっちゃったりと、もうやることなすこと見事なダメっぷり。
いやもうこの見ててムキーッ!としかならないレムスが懐かしくて懐かしくて。
最高、たまらんです(笑)。
よくぞこれだけイライラさせてくれるもんだと感心しちゃいます。
ところで、モンゴール兵のあまりの身体能力の高さにびっくり。
そりゃたしかにモンゴール兵は精強ですが、彼らって国民皆兵の徴兵か傭兵なんですよね、たしか。
それもルードの森に出てきたのって、スタフォロス城の兵士だったはず。
辺境砦の駐屯兵にしてあの訓練度は凄まじいですな(笑)。
まぁだからこそグインの強さがひきたったわけですね。
で、とにかく最高だったのが、グイン登場シーンのドギモを抜くような超絶格闘場面。
岩山両斬波でモンゴール兵を釘のように地面に打ち込み、さらに豪快なパンチで兵を木の幹に叩きつけ、その摩擦で森を焼く凄まじさ!
殴り飛ばされた敵は文字通りピュ――ッ!と音を立てて飛んでいき、水切りの要領で湖面を滑る!
いや、もう最高!
一つ間違えればギャグになってしまうところ、ギリギリのところでメチャメチャかっこいいシーンにしてくれてるんですね。
スピーディながらもしっかりこめられた重量感が凄い。
一撃一撃が 「重い!」 って思えるんです。
「彼は、神のように強いわ」
まさに!まさにですよね!
いや〜、この超絶的な強さには惚れ惚れ。
まるでほんとうに神が降臨したかのような、歴史の転換の瞬間、奇跡の起こる 「その時」 に立ち会ったような感動があります。
ああ、このグインが登場するこの最初のシーンって、こんなに凄いシーンだったんだなぁと。
改めて素晴らしい発見をした気分です。
アニメ制作スタッフの目と実力の確かさがわかりますね。
さっそくこのシーンは話題になったようで、YouTube でもいくつかパロディがアップされておりました。
Forest Fire Punch!
グイン・サーガMAD:タイガーマスクのテーマで
フォレスト・ファイアー・パンチはネーミングそのままですが、それ以外ないって名前ですな(笑)。
で、タイガーマスクのMADは仕事早すぎ!
いい仕事してます(笑)。
ルードの森の夜、火を囲んで身の上を話す三人。
グインのしゃべりかたがまた、神秘的な雰囲気で、神話の中から抜け出てきたばかりって感じがしていいですね。
まぁたぶんこれから徐々にグインも普通に人らしくしゃべるようになってくるんでしょう。
記憶をなくしたグインにとってみれば、今はまだまだ産まれたばかりみたいなもんですしね。
ところでこのあたり、グインの口の動きって、言葉とあまり合っていないんですよね。
つまり、グインの牙の生えた口と唇が喋っているわけではなく、その中にもうひとつ人間としての口があるみたいに見えるんです。
その人間としての口がしゃべるとアゴの動きにつられて外側の牙の生えた口が動いている。そんな感じ。
20年グインを読んできて、そういう可能性に初めて気づかされました(爆)。
オイオイって感じですが、アニメで映像としてはっきり見せてもらえたからこそ気づけたことなのかもしれませんね。
そんなところにアニメのよさを感じました。
でも、実際どうなんでしょうね。
口の中に指をつっこんだりしたら分かることだと思うんですが、まぁそのへんは細かくほじくると最大の謎であるところの、「グインの豹頭は本当なのかどうか」 がすぐバレちゃうからつっこまないほうがいいのかな。
でも、怒ると鼻にシワを寄せたり、匂いをかぐと鼻がヒクヒク動いたり、かなりのところで本物っぽかったですね(笑)。
あ、そうそう、匂いをかいでるグインはかわいかった(笑)。
さて声優さんですが、私は全員まったく違和感を感じませんでした。
リンダもレムスもこの声以外にないって感じでしたし、グインのイメージは私は大塚明夫さんの深く渋い低音だったのですが、堀内賢雄さんの声には信頼できる、暖かい包容力とカリスマ性と、そして高貴さがあって、これはなるほどと。
で、ああ、グインってこうかもしれない、いや、むしろこっちなんだと、ぴったりなじむ感じを覚えました。
「子供達!」 ってリンダとレムスを厳しくも優しく導く“父親”って感じがすごくいいんですね。
今の時代、漫画でもアニメでも、いや現実でもそうですが、こういう子供を導く“理想の大人像”ってすごく少ないですよね。
ちょっと未来のネタバレになりますが、グインの魅力って破格の強さだったり常識破りの発想力だったり、意外と陰謀家だったり運命の運び手だったりと、ほんと色々あると思いますが、そういう“理想の大人”っていう面がとても大きな部分を占めていると思うんです。
そこをちゃんとクローズアップしてくれるキャスティングなんだなぁと。
堀内賢雄さんって言うと私が思いつくのはマシュマー・セロ(『機動戦士ガンダムZZ』)とブラッド・ピットの吹き替えなんですが、いやぁこういう演技もされる方だったんですね〜。
声優さんって凄いや。
来週登場のイシュトにもおおいに期待しちゃいます。
あと、スニもね。
あのスニはめっさかわええ。
スニがあんなに可愛いなんてわたしゃ知りませんでしたわ(笑)。
音楽も映像もハイクォリティー。
一大巨編のはじまりを壮大に荘厳に格調高く盛りたててくれました。
グインって、この壮大さと格調高さがなければグインじゃないんですよね。
これから稀有壮大な凄い物語が始まるぞ〜っていう、えもいわれぬ高揚感を覚えました。
で、思わず何度も何度も繰り返し観てしまいまして、気づいたらたぶん6回くらい観ちゃってるんですが(笑)。
いや、なんかこの、昔から夢見てきたグインのアニメ化がしっかり夢のとおり実現してくれたな〜と、あまりに嬉しくて。
何度観ても飽きなかったですね〜。
こんなにアニメ化が嬉しかった作品ってなかなかないですよ。
だいたいアニメ化されるとガッカリなほうが多いですからね。
これはとてもいいスタッフに恵まれた幸せな作品になりそうだなァと、ヤーンのお導きに感謝感謝です。
いやぁそして面白いですねグイン・サーガって……って 20 年も読んでてなに言ってるんだかですが(笑)。
でも改めてこの冒頭部分ってこんなに面白かったんだと。
国が滅び、放り出されてしまったいたいけな子供達が、敵国ど真ん中の魔の森を、敵兵に追われながらどうやって生き残るのか。
実にスリリングな絶体絶命のサバイバルです。
そこに突如としてあらわれた謎の超戦士の強烈な魅力。
実にヒロイックなファンタジーじゃないですか。
今連載中のグイン・サーガもたまらん面白さなのですが、それとはまったく違った方向性の原初のグインの面白さ、すっかり忘れていた醍醐味を思い返すことが出来ました。
原作ファンとしてもこれは毎回見逃せない作品になっていきそうです。
また、これだけ丁寧に魅力を描いてありますから、原作を知らない人でもちゃんと面白いんじゃないでしょうか。
ところで、グインって横顔がとっても美しいですね。
野性の荒々しさと芸術品のような優美さをあわせ持つっていうんでしょうか、そういうものがあります。
で、正面から見ると意外と猫科の可愛さがあったりして(笑)。
見る方向によってすごく印象が違うんだなと思いました。
私はグインの横顔がすごく好きだなァ。
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子供時代から読み続いている原作のイメージを自分の中で保持していくため見ないようにしてたのですが、
なんか意外に好評判のようなので、ビッグローブの配信とか行ってみようかなと思います。
感想、すごく参考になりました。
少し楽しみになりました。
でも、結果はどうあれ観て損はないと思いますよ〜。
自分のイメージと合っているかどうかは、観てみないとわからないですしね。
合ってなかったら観なければいいだけの話ですもん。
私はほんと心から興奮しましたし、面白かったです。
参考意見のひとつにしていただければ幸いです^^