2009年03月06日

コミック感想 PLUTO −プルートゥ− 007

 浦沢直樹手塚治虫鉄腕アトム『地上最大のロボット』を元にして描く、サスペンス SF 大作プルートゥ第7巻
 7体の地上最強のロボットのうち、6体までがプルートゥに破壊された。最後に残されたのは、非戦闘ロボのエプシロンのみ。
 だが、そのエプシロンこそが、太陽のエネルギーを自在に操るプルートゥ最大の強敵だった!!
 いよいよ、最後の戦いが始まる!!

過去感想→005 , 006

ネタバレ注意!




 まず、「完全なロボット」 の正体に驚愕!!
 なんと、アブラー博士は本当に死んでいたんですね!!
 そして、完全なロボットの正体は、死んだアブラー博士の心を移植され、おそらくは 60 億の人格を 「憎悪」 に染め上げた化け物だったと。
 これでいろいろなことがいっぺんに解明しました。
 サハドが帰国して再会したのは、アブラーではなく、すでにこの完全なロボットだったのです。
 あの時点では私は、ロボットのはずのサハドのほうが人間的で、人間のはずのアブラーこそが機械のようだと感じましたが、それもそのはず、アブラーは正真正銘の機械だったのです。
 また、これまでいろいろと張られてきた伏線と言うか、謎かけめいたセリフもこれで解けます。
 「完全なロボットならウソもつける」 というのは、まさにロボット・アブラーのことだったんですね。
 あまりに大胆に配置された伏線で驚きです。
 ほかにも改めて探せば色々と大胆な描写がみつかるかもしれません。
 いや〜これはビックリ。
 わたしがウカツなだけかもしれませんが、まさに驚愕の事実ってやつでした。


 さて、戦いはついにエプシロン対プルートゥを舞台に引きずり出し、壮絶な死闘となりますが、それとは別に疑問符がどんどん膨らんでいくのが 「ボラー」 の存在ですね。
 これまで謎であった 「プルートゥ」 「サハド」 「アブラー博士」 のラインがすっかり解明され、一本の線として結びついていることがわかりました。
 まだ不確定ではありますが、「ゴジ博士」 というのも 「アブラー博士」 と同一人物と見て良さそうです。
 ゴジは、神が砂に命を与えてできた賢者の名前であり、最後にはまた土くれに戻ったと伝説ではつたえられています。
 そのイメージは、“ロボット・アブラー”とよく重なります。
 アブラーと言う命を吹き込まれた完全なロボットの名前が、ゴジ博士なのではないでしょうか。

 しかしそうすると、あと残されている最大の謎は、やはり 「ボラー」 です。
 今までボラーはプルートゥのことか、あるいは完全なロボットのことなのではないかと考えてきましたが、この7巻の動きを見ていると、それもどうも違う様子だと気づかされます。
 時間軸を整理して考えると、ボラー調査団が派遣される時点でサハドはまだアムステルダムにおり、アブラーはまだ人間として生きていました。
 彼らがボラーになることは時間的に無理なのです。
 また、プルートゥはボラーのことを恐れている様子ですし、アブラーはボラーという存在についてよく知っている様子です。
 どうもまだ登場していない、「第3のロボット」 が、アブラーたちのすぐそばにいるようですね。

 いったい何者なんでしょうか。
 天をつくような巨大さの人型ロボットのようですが、そんなバカでっかいロボットがうろついていて、人の目につかないはずはありません。
 そんなヤツがペルシャやヨーロッパに好き勝手に移動しているってのも不自然です。

 ここからは私の完全な妄想、というかチラ裏ですが、ボラーというのは、砂を集めて作った幻影なのではないでしょうか。
 たとえばプルートゥが竜巻や雲をあつめて竜の形をつくったりするような、ですね。
 本来はペルシャの大地を操作し、天候を改良して大地を緑化するために作られたロボットが、暴走して砂を操る力を悪用しているという読みはどうでしょう。
 本体はいたって小型、というか人間大のスケールで、普段は普通の人間にまじって生活していたりする。
 もしかすると、既に登場しているとても意外な人物が実はボラーだったり、なんてこともあるかもしれませんね。
 

 また、ウランの 「チャネリング」 と、ピノキオのたとえ話も興味深い話です。
 ピノキオがプルートゥで、ゼペッとじいさんがロボット・アブラーであるとするなら、ではアブラーも操り人形に過ぎないというのはどういうことなんでしょうか。
 シンプルに考えるなら、ロボット・アブラーはアブラーの亡霊によって操られている人形に過ぎないということの比喩でしょう。
 しかし、ちょっとうがった見方をすれば、そうではなく、もしかしてロボット・アブラーの後ろに、もっと具体的な、別の誰かの影があるのではないかと、そう思えてもくるのですね。
 もしかして、それがボラーに繋がっているのでしょうか。
 あとは、トラキアの Mr.ルーズベルトということも考えられますね。


 さて、ついに姿がはっきりと描かれたプルートゥですが、かっこいいとか強そうとかいうよりは、なんだかちょっとカワイイじゃないですか(笑)。
 愛嬌があるというか、ちょっと哀愁がただよっているというか、姿が現われてしまえばなんだかちょっと哀れですらありますね〜。
 これまでは真っ黒いシルエットに血走った白目をむき出しにして、狂気っぽい黒目も描かれていました。
 あれは生々しいと言うか、妙に人間的な狂気を感じました。
 しかし、今回はっきり描かれるようになってからは、目はシンプルなレンズ状態。
 むしろロボット的なんですよね。
 これはあきらかに描き方を意図的に変えてきているんですね。
 謎が解けて恐怖感が薄れ、むしろサハドという優しい青年の心を持っていることが明らかとなった今は、哀れな狂獣というイメージが強くなるよう、描かれているのかもしれません。
 一番近いのは、やっぱり見たとおり闘牛の牛ですね。
 最後は血まみれになって倒れる運命の、ただ戦わされ、死ぬ運命の牛。
 しかし、さすがに 「カリン」 は怖かった(笑)。
 音が妙に軽くて逆にリアルなんですわな〜。
 すばらしい。


 さぁ、ついに目覚めたアトム。
 ゲジヒトやイプシロンの思いを受けて、いったいどんな新アトムとなって生まれ変わったのでしょうか?
 イプシロンは、ゲジヒトは誰かを憎みながら死んだと言っていましたが、その憎しみはアトムにどんな影響を与えたのでしょうか。
 アトムの変貌ぶりに期待は高まります。
 また、ボラーや Mr.ルーズベルト、そして 「トラキア合衆国の気象予報センタービルのクラック」 など、数々の謎はいったい?
 次巻ついに完結編という予告に早くも胸が躍ります。
 
 

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