2009年02月16日

週刊少年ジャンプ12号感想 前編

 うおっあぶねぇ! 剃ッ!!
 ふ〜、ルフィめ、JETピストルとは容赦ねぇぜ。
 そんな(どんな?)表紙の 12 号。
 さっそく感想いきまっしょい。
 剃ッ!!




 前半の感想は、

・ワンピ
・ナルト
・トリコ
・ブリーチ
・バクマン
・黒バス
・【読切】クリムゾン・キング

 の7本でお送りいたします。



【巻頭カラー】 ONE PIECE

 別エントリーにて。



NARUTO-ナルト-

 動けないのをこれ幸いと、ナルトどんどん仙術チャクラを練りまくり。
 練った端から吸収ペインに吸い取られていきましたが、それみたことかと(笑)。
 吸収ペインはカエル化し、さらに石像化までしちゃいました。
 昔ドラゴンボールでも同じような話がありましたが、なんでしょうねこの気持ちいい 「してやったり感」 は(笑)。

 ついにペインを1体にまで追い込んだナルトでしたが、そこでなんとフカサクが引き寄せられてグッサリと!
 オーノー。
 つーか、アンタらいい加減体を縛り付けるなり、クナイでも地面に刺して掴むなり、なんかすればいいのに!
 なんだかそのへんが凄く納得いかんぞコラーッって思ってしまうんですが、まぁ万象天引にはそんな小細工くらいはブッ千切るくらいの力はあるかもですね。
 ふっ飛ばすほうの力があれだけ凄まじいんだから、それに対する引力も1Gってことはないでしょう。
 しかし、それにしたって何も対策を試しもせずに無抵抗で引き寄せられているのをこれだけ繰り返し見せ付けられると、もうちょっと頭を捻って戦って欲しいと感じてしまいます(笑)。
 いや、もしかしてこれも幻覚なのかもしれないのか。
 うーむ、その可能性も充分ありますね〜。

 抑えつけられてしまったナルトにかわり、今度はシカマルたちのターン?
 なんだかみんなで集まってお弁当でも食べ始めそうな呑気なノリだったときはどうしようかと思いましたが(笑)、どうやらペインの能力の秘密に気づいた様子。
 ナルトと天道ペインがのんびりお話(絶対ナルトが聞くわけもないがw)、している間に、ペインの本当の本体を発見、という筋道でしょうか。
 おしおし、やっぱりナルトひとりに戦わせちゃおけませんもんね。
 木ノ葉の里総力で本領を発揮してもらいたいものです。



トリコ

 サニーの髪の毛超便利だ(笑)。
 アメンボのように表面張力をつかって水の上を歩けるとは、スパイダーマン以上ですな。
 しかし、難点としてはその髪には味覚がそなわってるってところで、実はこの小汚いと言っている泥を味わってもいるんですよね〜。
 普通は我慢できないわ。
 あと、温度や圧力がわかるのはまだいいとして、痛覚まであるというのはリスキーですね〜。
 髪の毛燃やされたらものすっごい激痛にさいなまれてしまいますよ。
 つーか床屋にもいけないですね(笑)。

 そして、ついに明かされた“グルメ細胞”の秘密
 このタイミングで来るとはちょっと意外でした。
 グルメ細胞を結合することに成功した細胞は、長所を驚異的に伸ばすことができる。
 人体に応用すれば、“超人”と化すが、失敗すれば死ぬこともある。
 そして、超人と化したものは、上手いものを食えば食うほどにレベルアップすると。
 グルメを食すれば傷が癒えるのみならず、パワーアップまでできるとは、なんとまぁ素晴らしい能力でしょう。
 さらにこれによって、グルメバトルといういささか突飛なジャンルに大きな必然性をもたらしてくれたんですね。
 これは面白い設定です。

 で、また、美食會の目的は、そのグルメ細胞で最強となるために、世界中のグルメを独占することであると。
 なるほどシンプルですが、食材そのものにまったく敬意を払わない悪役らしい性格付けじゃないですか。

 サニーと小松が対岸でみつけた無残な光景が、サニーの心に火をつけました。
 少々軽薄でナニゴトも我関せずな姿勢だったサニーですが、その心の根っこにはこういう熱いハートが隠れていたんですね。
 これはカッコイイ。



BLEACH

 ウルキオラ、デビルマン化。
 その一行で終わってしまいそうな今週だったのですが、真っ黒な雨が降りそそぎ、月をバックに翼を広げる変身シーンはとても印象的でした。

 さぁついにウルキーの本領発揮。
 まるで師匠のようにアドバイスを下しながら一気に詰め寄ります。
 余裕綽々自信満々。
 さっそく圧倒的な力をみせつけちゃってくれましたね。

 しかし、ここでウルキー、油断したのでしょうか、一護の仮面を割ってしまいました。
 これは一護儲けましたね〜。
 虚化はパワーアップできるのはいいのですが、仮面をかぶっちゃうのが大きな欠点。
 それもこの仮面の OSR 値(オサレ値:オサレな言動で上下動。これが高いほうが勝つのがブリーチバトル!)がどうにも低い。
 ところが、これが割れてちょこっと素顔が覗くとどうでしょう。
 そのギャップ効果で OSR 値が急激上昇を果たすのですね〜。

 とは言うものの、ここまでついた圧倒的パワー差がそう簡単にひっくり返るとも思えません。
 ウルキオラも割れた仮面を見て、すかさず相手の腕前を誉めることで相対的に自分の OSR 値も獲得するというぬかりのなさ。
 戦況はかなり一方的です。
 優秀な OSR 値タンクである織姫のブーストを入れてもちょっと難しいほどの実力差を感じてしまいます。

 ですが、ここで気になってくるのは今週冒頭のルキア。
 ルキアがあれほど近いところで戦っていたというのはちょっと意外な描写でした。
 もしや、ルキアがキーなのでしょうか。
 織姫+ルキアのダブルブースターを手に入れることで、一護は大逆転を図ろうというのかもしれません。
 だとすると恐るべし一護。
 先週は自らの逃亡をオサレにみせかけつつ天蓋の上に出たウルキオラでしたが、その行為自体が実は一護によって誘導されたものだったのかもしれません。
 天蓋に出てド派手に決めたのはいいものの、一護が次々と OSR 値タンクを呼び寄せたりしたら、さすがのウルキオラもごめんなさいするしかないかもしれませんね。



バクマン。

 何度も同じような感想を書くようですが、いやぁバクマンは上手いなぁ〜。
 ついに物語の表面に出てきてしまった別離の決意ですが、なんだおまえら、結局離れていても心は一緒かよと(笑)。
 サイコーもシュージンも、それぞれ別の経緯で自分の本当に描きたいものに出会えたのがこの夏だったんですね。
 しかも単なる結果オーライな気安さではなく、サイコーはシュージンなしでも走り出す決意をかかえ、シュージンはサイコーの決意を絶対に折るだけの気迫を込めて新作に臨んでいると。
 二人ともが本気だ!ってのが伝わってきます。
 テンション落ちないなァ君たちは。
 特にシュージンですね。
 サイコーは新妻エイジのところで刺激をうけまくってきたからテンション高くて当然ですが、シュージンがここまでモチベーション高いままというのがちょっと驚きでした。
 スランプにかなり落ち込み、サイコーが心配するほどだったはずなのに、意外と見吉の存在が支えとなっているんでしょうかね。

 そして、二人が紆余曲折の末にたどりついたのが、王道推理モノと。
 たしかにジャンプに王道推理モノってないですよね〜。
 ネウロは推理モノかと聞かれると、首を捻りたくなるかなり異色の作品ですしね。
 詐欺師が主人公となるとちょっとママイキっぽすぎますから、そこは何かもうちょっとヒネるとしても、ダークな探偵モノって読んでみたいですね〜。

 バクマン作品中では言及されてませんが、もうひとつ、プロの大人が主人公の漫画が、今のジャンプにはほとんどないんですよね。
 こち亀、銀魂、ネウロ、トリコくらいでしょうか。
 ネウロは大人っつーか人間ですらないですし、そうすると3作品だけになっちゃうんですよね。
 あとは子供か少年青年ばっかり。
 かっこいいプロフェッショナルな大人の魅力を見せてくれる漫画って、実は穴場なのかもしれませんよ。

 しかし、小学生時代のサイコーの漫画がちょっと受けた。
 名探偵ホームレスって(笑)。
 子供時代のサイコー天才だ(笑)。



【センターカラー】 黒子のバスケ

 第9話にしてセンターカラーを獲得という、長期連載への最初の関門を突破することに成功した黒バス。
 さっそく次なる強敵を出しに来るなど、藤巻先生もやる気マンマンです。
 この展開の早さが黒バスの今の地位を築いているんでしょうね。

 黒子投入によってついに同点にしてみせた誠凛。
 しかし黄瀬もさるもの、黒子と火神のダブル攻撃すら強引に破り、またもや最初の展開と同じランガン勝負に。
 いや〜スピーディーでなかなか熱い戦いを見せてくれます。
 なんで黄瀬が黒子&火神を破ったのか、そのへんが最後までちょっとよくわからなかったのですが、まぁ身体能力の高さで強引に破ったと脳内補完しておきますか。

 そして最後の勝負は、試合終了と同時の点数なら、絶対に真似することはできないという論理展開で決着。
 なるほど面白い。
 たしかにどんな技でも真似できるヤツは、常に相手にアドバンテージを与えてしまっているわけですからね。

 この試合で、なんとなく黒バスの面白さが分かってきた気がします。
 ようするにこの漫画はリアルスポーツではなく、ジョジョやハンター×ハンターみたいな能力バトルモノなのですな(笑)。
 なるほど主人公が神の不在証明で、最初の敵がアヌビス神だったわけですか。
 面白い(笑)。
 こうなってくると、次はいったいどんな能力持ちが立ちはだかってくるのかとても楽しみです。



【ジャンプネクストマンガ3連弾 第3弾 読切Cカラー】
 CRIMSON KING クリムゾン・キング


 昨年の金未来杯に 『格闘王子』 を出品した松雪ヨウ先生による、吸血鬼ものバトル漫画。
 不死者(ノスフェラトゥ)としての孤独な悲しみと愛を描きつつ、なかなか熱いバトルを描いてくれました。
 しかし絵柄がずいぶん変わりましたね〜。
 格闘王子ではそのあまりの濃さに匂ってくるほどでしたが(笑)、今度はだいぶジャンプ的にすっきりしたようです。
 漫画家にとって絵柄を変えるのって物凄く大変なことだと思うんですけどね、それもこの短期間に。
 ちょっと感心してしまいます。

 ストーリーはシンプルに、吸血鬼と人間の女の子の愛と、邪魔者ハンターとの戦いを描く王道バトル。
 女の子のために力を使いたくないとか、女の子が倒れて本領を発揮とか、どこまでも王道テンプレート。
 ですが、容赦なしに女の子を殺し、殺したほうも容赦なく殺されという残酷な展開にはとても引き込まれました。
 それだけにブラドの本気になった力解放のシーンは爽快。
 ヴラドの悲しみ、怒りがとてもよく伝わってきます。

 しかし、それだけに最後女の子が生き返ってしまったのは個人的にいただけない。
 たしかに今風に爽やかに終わらせるにはこれがベストなのですが、わたしゃ古風な悲劇好みなのでして(笑)。
 読切だからこそできる残酷な悲劇ってのも見てみたかったかなと、思いました。

「もういいよブラド…
 そんなに辛いなら……噛まない…で」


 ってところでジーンときただけに、生き返っちゃったのは正直拍子抜けでした(笑)。
 いや、これきっと個人的な趣味の問題なんでしょうけどね。

 絵柄も見やすくなったし、アクションも派手で気持ちがこもってるストーリーもあって極めて爽快。
 ネクストマンガ3連弾のなかでは一番気に入った作品となりました。
 前回の格闘王子の感想では、キャラクターのやりとりがかなりギコチナイと書きましたが、今回そういった点は目に付きませんでした。
 こちらも絵柄と同じで、なんだか同じ人が描いた漫画とは思えない成長ぶりです。とても好感が持てます。

 とまぁ良い点を書いたあとで、いくつか難点にも言及しておきましょうか。
 新人漫画を誉めてばっかりだとさすがにおかしいですもんね。

 まず、世界観がとっつきにくい。
 中世ファンタジーなのか現代なのか、西洋なのか日本なのか、よくわからないゴチャゴチャな世界観が邪魔して、読者が入り込みにくいのです。
 ブラドとか侯爵とか城とかそれらしい設定でありながら、服装が今風だったりペットが土佐犬だったり町人が江戸っ子の魚屋風だったり囲碁があったり拳銃が近代的だったり。
 当然漫画なんですからオリジナルな雰囲気は出すべきなのですが、まだまだ遠慮があるのかもしれません。
 やるならば徹底してやってくれたほうがよかったかもしれませんね。

 また、本題が始まるまでの話の運びがとても不器用な印象をいなめません。
 冒頭、主人公登場シーンの 「どうでもよさ感」 がかなり致命的。
 頭が燃えて出てくるだけで、他にまったく意味もなく、ただキャラクターと世界が紹介されているだけでは、読者はその後のページを読んでくれなくなりかねません。
 悪役の登場が遅いのもまずいですね。
 むしろこちらを先に登場させるべきだったかもしれません。
 またこの悪役が、聞かれてもいないのにただ町人に自分達の説明をご丁寧に長々とやってしまうのが、いかにもご都合主義でいただけない。
 物凄くマヌケに見えてしまいます(笑)。
 いや、この殺人狂のバカ娘がかなり可愛くて救われているんですが(笑)。
 松雪先生のこういうセンス好きだわ。

 細かい話ですが、台詞回しも不自然さが目立ちましたね。
 タメグチなのに、ブラドを侯爵と爵位で呼ぶ町人たちの不自然さは気になって仕方なかったです。
 まぁそれはいいとしても、全般説明口調のあまりの丁寧さには困ったものでした。
 説明セリフはたしかに必要ですが、読者が見ればわかることまで説明しなくてもいいんです。

「見た目少年でも三百歳なんだし…」

 って、あんまりなセリフですよ。
 そんなこと言うひといませんって。
 もうちょっとセリフに血肉を通わせることを考えたほうがいいと思いますね。

 あと、本気になったブラドがあまり普段と変わって見えなかったのが残念。
 もっと豪快に変貌してくれたほうが少年漫画らしかったかなと思います。

 以上、いろいろと言いましたが、全体としてはけっこう好きなタイプの漫画でした。



 といったところで前半は終了。



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ラベル:ジャンプ 感想 JUMP WJ
posted by BOSS at 23:10| Comment(0) | TrackBack(2) | ジャンプ感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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