スペシャル版ではなく、連続ドラマ版としては実に 17 年ぶり!?
必殺ファンとしては嬉しい限りですね。
2007の感想はこちら。
2007年に放送したスペシャル版と、キャストは同じ。
主人公はニュータイプの中村主水といった趣の渡辺小五郎に東山紀之(少年隊)。
脇を固める仕事人仲間・経師屋の涼次に松岡昌宏(TOKIO)。
新入り仕事人・からくり屋の源太に大倉忠義(関ジャニ∞) という構成。
まさにジャニーズ仕事人です(笑)。
もちろん藤田まことの中村主水は健在ですが、いわば大御所というかお目付け役というか、引退間近の落ち着きぶりなので、あくまで主役は若手3人。
といっても、和久井映見とのからみでかいまみせるスケベ爺ィっぷりなど、さすが中村主水というアクの強さにはニヤリとさせられてしまいます。
前回2007で感じたのは、東山さんはさすがスタイルがよくダンスをやっているだけあって、殺陣が映えるなぁ〜ってのと、松岡さんは少々方に力が入りすぎだろうといったところでした。
今回も渡辺小五郎はなかなかカッコよく、殺陣もキレのあるいいものだったのですが、こうなってくると気になってくるのは渡辺小五郎というキャラクター自体の魅力。
現代版中村家といった感じで対比が面白くなるように渡辺家が演出されるだけに、どうしても小五郎を主水と比較してしまうのですが、やっぱり主水ほどのアクのある魅力が小五郎にはまだないんですね。
むしろちょっとイヤなヤツだなぁ〜と感じてしまっているのは私だけでしょうか?
婿殿としての悲哀や、ひょうひょうとして何を考えているのかわからない昼行灯ぶりは面白いのですが、仕事にも家庭にもやる気を出さず、趣味の芝居見物にばっかり熱を入れる。
ちょっとその身勝手さがまだ薄っぺらく見えてしまうんですね。
主水ならそこで、見回り中に袖の下を要求する愛嬌いっぱいのずうずうしさとか、俺たちは所詮これでお飯食ってるだけの殺し屋だっていう達観した深みとか、そういったところが複層的な魅力となっていました。
今度の小五郎がこれからどれだけ魅力を出せるか、それはこれからドラマシリーズを追うごとに掘り下げていくのだと思うのですが、そこにちょっと注目したいと思います。
なんといっても連続ドラマはこれから。
スペシャル版ではどうしても心の深いところまでは掘り下げている余裕なんてありませんから、そういうところはこれからに期待したいと思います。
松岡さんの経師屋の涼次は、前回はちょっと肩に力が入りすぎて一人でカラ回っている印象だったのですが、今回は……まぁまだちょっとそんな感じも残ってはいるものの、だいぶ馴染んできたなぁという感じでした。
あるいは、観るこちらが慣れただけなのかもしれませんが(笑)。
スペシャル版ラストシーン、死んだ玉櫛のためにふぐ刺しを一緒に食べるようにするシーンなど、なかなか涙を誘ういいシーンでしたよ。
ところで、2007 では毒を使って 「画竜点睛」 が必殺技だった涼次ですが、今回から実に伝統的なものに変わりましたね!
かんざしを思わせる長い針をつかった心臓串刺しプラス、念仏の鉄の骨はずしを思わせるレントゲン。
伝統技2本のあわせ技ですよ。
たしかに毒殺は真新しかったですが、必殺技としての爽快感はちょっと物足りなかったのも正直なところ。
今回の路線変更は、変更理由も毒の入手が出来なくなったからという理由付けもしっかりしてましたし、成功なんじゃないでしょうか。
しかし、ちょっと殺しの手順が長すぎないか?(笑)
捕まえてから殺すまでが長い長い!
あれじゃ絶対途中で逃げられるか、声を上げられますって!(笑)
以上ふたりを剛担当とするなら、もうひとりの仕事人、源太(大倉忠義)が柔担当といったところでしょうか。
新入り仕事人としての苦悩や涙を期待したいところなんですが、まぁまだまだこれからですね。
今のところは子役と一緒にやっている小料理屋のシーンが、子役の健闘もあってなかなか微笑ましく楽しませていただいてます。
さて今日放送の連続ドラマ版第一話なんですが……録画していたのに、なんと停電をやらかしちゃいまして!前半がパーになってしまいました!(爆)
てなわけで、慌てて後半から見始めたんですが、話の筋がわからないんでそのへんは哀しく無視するとして、気づいたのはなんだか仕事人が正義の味方になってきてるなぁってトコでした。
今回の仕事人は、迷いのない勧善懲悪ものになっているように見受けられたんですね。
そういった兆候はいたるところに見えるのですが、顕著に感じられるのは仕事料です。
今回の仕事料がいくらだったかは分かりませんが、スペシャル版、2007 と、だいぶ安かったのを記憶しています。
スペシャル版の後半など、ひとりたった二文での仕事でした。
さすがに二文でふぐは食えないだろうとツッコミたかったものですが、そこは時代考証ができてないのではなく、もしかするとあえてなのではないかと思ったのです。
仕事人が仕事料をもらうのは、それは仕事だからです。
勧善懲悪のヒーローだったら、金なんかもらわなくても悪は倒すんです。
むしろ金をもらったらヒーローではなくなります。
仕事人はヒーローではなく、仕事だからと割り切って殺す、殺し屋なんです。
そう自覚していなければ、自分を神様かなんかと勘違いして、暴走してしまってもおかしくない。
というのが、古い必殺シリーズの仕事料に対する考え方だったと思います。
まぁ、全シリーズ観たわけではないのでいいかげんですが(笑)。
しかし今回のシリーズで、そういうヒーローであってはいけない、勧善懲悪になってはいけないという自戒は、渡辺小五郎たちには感じられません。
むしろ許せないヤツを切るためなら、二束三文でもぜんぜん構わないというようなヒーロー像として見受けられました。
極端な見方をすれば、仕事料をもらうのは、ラストの殺陣の前の儀式として銭を分配するシーンのためだけにあるような、そんな印象でしたもの。
水戸黄門や暴れん坊将軍に対するアンチテーゼ的な存在だった必殺が、今回はもしかして王道のヒーローになっているんじゃないでしょうか。
スタッフがこれを意識せずにやっているのだとしたら、「必殺をぜんぜん分かってねぇ!」 と怒るところですが、意図的にやっているのだとしたら、むしろ今の時代には正解なのかもしれませんね。
昔は各局に時代劇があり、どこにチャンネルをまわしても勧善懲悪ヒーローものでしたから、それに対するアンチヒーローだった必殺は異彩を放っていたわけです。
が、今となっては連続時代劇そのものが希少動物です。
王道の勧善懲悪時代劇こそが、昔からの時代劇ファンに求められているのかもしれませんし、新しい時代劇ファンを開拓するには、一番わかりやすいスタイルなのかもしれませんね。
ただ、その路線変更に古い必殺ファンがついてこれるかどうかとなると、ちょっと首を傾げてしまうのですが。
必殺らしいハードなドラマを期待するファン層にどれだけ応えられるのか、そのあたりが私は楽しみなんですね〜。
私もどちらかといったらハード派ですから。
ところで、藤田まことさんは元気になられたようで本当によかったですね〜。
食道癌をわずらわれたと聞いたときは物凄くショックでした。
今回元気なお姿を拝見できてとっても嬉しかったです。
抗がん剤の影響なのか、お顔が少しむくみ気味のような気がしたんですが、でもあの魅力的なお声も健在ですし、動きもしっかりとなさっていたんでお元気なんだなと安心いたしました。
今回は和久井映見さんとのコンビがなかなか色っぽくていいですね〜。
殺しの卑怯っぷりも健在で、スペシャル版の堂々たる潜入、殺しっぷりは惚れ惚れとしました。
ありゃあ主水さんでしかできませんって。
ふてぶてしい主水っぷりを連続ドラマで見られる幸せをたっぷり噛み締めたいと思います。
またコアな楽しみ方なんですが、BGM が昔懐かしの名曲ばっかりってのがすばらしい。
パラパーッ♪っていうあの有名すぎる殺しのテーマばかりではなく、シリアスなテーマやテンションを上げるテーマ、悲しみのテーマなどなど、必殺には欠かせない名曲がいっぱいです。
それが流れてくるだけで私なんかはジーンとしちゃうんですね〜(笑)。
あえて新曲に刷新しなかったのは大正解ですって。
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