2008年10月29日

コミック感想 ベルセルク 33

 33 巻デターッ!
 ベルセルク、ほぼ1年ぶりの最新刊です。

 巻頭のポスターは暴走状態のガニシュカ大帝。
 しかしその裏はなんと!
 意外な人選にびっくりですが、たしかに今注目の銘柄(笑)。
 どこまで出世するのかちょっと楽しみです。

過去感想 → 32

【ネタバレ注意!】




…思い出した
あいつと水際に立つと
いつもろくなことにならねェんだっけ………


 はるか遠いともし火のように甦る記憶。
 ああ、これは切ないなぁ〜。
 あまりにも暖かく光り輝く青年時代。
 そのぬくもりは、もう二度と戻るわけもなく……。
 久々にこんな懐かしい場面を見せられて、こっちまでたまらん状態に。

「無くしたものに無理矢理継ぎ足しても
 元には戻りゃしねェ……か」


 と、つぶやくガッツ…。
 その言葉は、鋼の義手だけを言ったものなのか。
 キャスカにはいつか元に戻ってもらいたいんだけどなぁ〜。

 ガッツをはさんで、すっかりラブコメモードのシールケとファルネーゼ。
 なんかこの漫画、いつのまにか 『いちご100%』 になっちゃったなぁと(笑)。


 ロデリックの意外な面がクローズアップ。

「き 聞いたことあるぞ!
 たった一隻でチューダーの軍船5隻を負かしたっていう
 あの………!」


 赤い彗星かよと!
 で、二つ名はイマドキっぽい“航海王子”(笑)
 こんなとこに意外ないいキャラがいたんですね〜。
 そして、パイレーツ・オヴ・カリビアンもーど。
 豪快な海戦は、これはもう胸躍ります。
 風上は常に有利ではない。
 煙による視界や、船の傾斜を利用するなど、状況を常に計算することが勝利につながるのだと。
 さすが航海王子、烏合の衆の海賊どもを圧倒。
 耳がキンキンになって大声になっちゃってるイシドロたちなど、とても臨場感があります。

 一方悪夢の中のガッツ。
 またお犬様にからまれてますが、なんかだんだんお犬様が可愛く見えてきた(笑)。

 憎悪と狂気で疾駆るだろう
 我を焼く真の光を
 この牙で噛み砕くために


 のコマなんてお手手がすっごいキュート。
 なんだろう、このカワユさはわちふぃーるどの世界に通じるものがあるんじゃないかしらん。


 幕間劇。
 酔っ払ったパックがリンゴ樽の中へ……それってどんな宝島だよとツッコんでたら、展開まんまかよ(笑)。
 ま、こっちのジョン・シルバーは風格なんぞみじんもなく、はやくも陰謀崩れつつあるわけですが。
 でもたしかに妖精王国にこういう人間たちを連れて行っていいのかな〜と、ちょっと不安にはなりました。


 後半は一転、物語はミッドランド解放戦争へ。
 夢に導かれて魔都からの逃亡劇。
 ガニシュカ大帝の変身によってひきおこされた大混乱のスキつき、ミッドランド人たちは大脱出。
 途中バーキラカ一族に足止めをされ、クシャーンの裏切り者ジャリフとしばし問答となりました。
 ジャリフの言うことは、シラットの言うとおり、どう聞いても狂信者のたわごとですなぁ。
 復活したグリフィスの超越した感じを目の当たりにしていれば信じられるのかもしれませんが、言ってることは 「コイツ、頭おかしいんじゃないか」 と。そう思われてもしょうがない。
 まぁジャリフの言うことはきっと正しくて、グリフィスによって新しい世界が作られることになるんでしょうけど、なんだかすごく居心地がわるい気分がぬぐえない。
 そこで出てきたシラットの返しが気持ちよかった。

「抗えぬ定めに翻弄されながら
 己が技と肉体のみを頼みに生き抜いてきた我々だからこそ感ずるところもある
 人智が及ばぬものに
 委ねて良いのかとな」


 おっおー、言うねぇシラット!
 ちょっとかっこいいぜ。
 もしかしたら、そのうちガッツ側についてくれる、なんてこともあるのかも。
 いがみ合いながら、グリフィスは気に入らないから手ェ貸すぜ、なんてね。
 妙にシラット先生の株が上がった一幕でした。


 ミッドランドの解説コンビ、ラバン卿とオーウェン卿が再会。
 この人たち、何度見ても小説 『グイン・サーガ』 に出てくるハゾス・ディモスのコンビなんだよなぁと、その認識をまたあらたに(笑)。
 ま、「ベルセルクはグインの子」 って公言している三浦先生のことですから、ホントにそうなのかもしれませんが。
 グリフィスはナリスがモデルって言っちゃってますしね。
 ちなみに 「ベルセルクはグインの子」 の詳細は早川書房から出ている『グイン・サーガ オフィシャル・ナビゲーションブック』 冒頭にある 「栗本薫×三浦建太郎対談企画」 をどうぞ。
 40 ページにもわたる豪快な対談で、興味深いお話がいっぱい読めるすごく濃いものとなってます。
 グインに興味なくっても、友達に持ってる人がいたら貸してもらって読んでもいいかもです。


 その関連でちょっと横道にそれますが、その対談で出てくる話の一つに、わたくし凄いショックを受けました。
 ベルセルクの蝕で、ガッツが見上げると空がでっかい顔でいっぱいになるってイメージを、実は栗本先生も昔から夢によく見てて、「なぜ三浦先生も知っている!?」 と驚いたっていう会話だったんですが。
 結局、2人ともイメージってのはなぜか共有されるものだという面白い結論になったんですが、実はこのイメージ、私もあったんですよッ!
 大学の頃、私は漫画研究会に入ってまして、ファンタジー好きの私に友人がベルセルクをオススメしてくれたんです。
 しかし当時わたくし、かなり生意気でございまして(笑)、「ガッツの被害者面が鼻につく」 とか何とか言って2巻までしか読まなかったんですね。わ〜ナマイキ。
 で、その夏の7学部合同漫画批評会というのに私も漫画を出しまして、いくつか漫画の間を埋めるカットというものを描いたんです。
 ところが、審査員にその絵のひとつを 「マネは良くない」 とキツく批判されちゃったんですね。
 はい? って思いまして、よく聞いてみると、それがいわゆるベルセルクの顔ズラーの場面とそっくりだと。
 たしかに似てるっちゃ似てるんですね。つーかほとんど同じ。
 私が描いたのは、「表情」 をテーマにした、連作イラストの一枚。
 他の部員は人間をひとり描いていろんな表情をさせていたんですが、その頃の反骨精神の塊みたいな私はそれじゃいかんと。
 私が描いたのは、千差万別様々な人間の情念みたいなものを、大小さまざまな顔で表現し、それを宇宙的なスケールで飲み込んでいく弥勒菩薩みたいなイメージ画だったんですね。
 ちょっと宗教的なものを目指したつもりでした。
 ところがそれがマネと言われて、で、それが自分が嫌いな漫画「ベルセルク」だと(笑)。
 読んでいません、私はベルセルク嫌いですと憤慨しつつ説明したものですが、それによって私のなかで逆にベルセルクに興味がムクムクと。
 自分と同じイメージを持つ人の漫画ってどんなもんなんだよと。
 そのイメージのとこまで、とにかく読んでみようじゃないかと、そう思って読んでみたら、はい青年編からすっかりズッポリと。
 見事にハマったと(笑)。
 まぁそんな私とベルセルクのなれそめだったわけですが、何が言いたいのってただの自慢です自慢!
 オレは三浦建太郎先生と同じイメージの持ち主で、ひいては栗本薫先生ともイデア界でつながってるぜと!
 はい、どーでもいいことでした(笑)。


 さてガニシュカ大帝、霧の力はどこへやら、天をつくバケモノローパーとなっちゃいました。
 シンプルなデザインながらもこれだけのスケール感を出す三浦先生はさすがですわ。
 むしろ巨大感を出すにはシンプルなほうがいいのかもしれませんね。
 しかし……でっけぇ〜。
 あまりにもでっけぇ。
 まさに大スペクタクルです。
 なんつーか、妙に美しいとすら感じてしまいます。
 しかしでかすぎてコマの進みもハンパじゃねぇ(笑)。

 こんなバケモノ、どうやって倒すんでしょうか。
 予言の夢によれば、

「光る鳥が大きな嵐を呼んで
 黒い影を吹き飛ばすのよ」


 ということですが、はたしてどんなことになるのか。
 続きがすっごい気になるぞーーッ。







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posted by BOSS at 23:44| Comment(0) | TrackBack(1) | 漫画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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Tracked: 2008-10-30 12:44
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