お祭り騒ぎ的冒険活劇シリーズ 「ハムナプトラ」 が、今度は舞台を中国に変え、さらには敵役にジェット・リーというスーパースターを迎えて帰ってきました。
「本家」インディ・ジョーンズも復活した今年、はてさてハムナプトラはどんな勝負を挑むのか。
冒険生活から引退して、退屈な日々を暮らすリック(ブレンダン・フレイザー)とエヴリン(マリア・ベロ)は置き去りに、息子のアレックス(ルーク・フォード)は勝手に中国の遺跡発掘に精を出していた。
ついに中国古代の皇帝の地下墳墓を発見したアレックス。しかし、謎の勢力の陰謀によって、古代の皇帝(ジェット・リー)は現代に復活を遂げてしまう。リック、エヴリンをも巻き込んで、またもや膨大なゾンビに立ち向かう大冒険の旅が始まった。
もうすでにハムナプトラ(エジプト古代都市)なんてカケラも関係ないわけで、そういった意味では第1作でつけたこのタイトルは失敗しちゃいましたね(笑)。
原題 「MUMMY(ミイラの意)」 は確かに日本人にはなじみのない響きですけど、不死の軍団で溢れかえっちゃうこのシリーズの本質をズバリと言い当ててました。
このシリーズ、とくに真新しい表現もなければ、飛びぬけたアクションもなく、斬新な設定でもなければ役者もいたって派手さに欠ける。
はっきり言ってしまえばB流映画なのです。
しかし、そのB級のなかでもこの作品は、最高のもの作って観客をドッカンドッカン湧かせようという気概を感じられて私は大好きなのです。
どこでも食べられるような平凡な素材でも、それを上手い具合に組み合わせて、これでもかこれでもかと畳み掛けるようにフルコースで振舞ってくれるものだから、なかなか気持ちよく満腹になれるし、なにより気軽に楽しめるのがいいんですね〜。
ちょっと手に汗にぎりつつも、肩の力を抜いてポップコーンでもかじりながら、ゲラゲラ笑って観るのが最高にピッタリなノリなのではないかと勝手に思ってます(笑)。
B級映画好きのための最高のB級映画。
それがこのシリーズだと思うのですよ。
さて、そういった意味では今回はどうだったかと言いますと、ちょっと前半で間延びするところはありましたが、中盤、ジェット・リーが復活してからはさすがの怒涛展開。
爽快なアクションの連続に思わず時間を忘れて楽しめました。
今回敵役にジェット・リーを採用したのは大成功でしたね。
このシリーズのアクションに新風を吹き込んでくれました。
そして、ジェット・リーのアクションが観られるってだけでも嬉しいのに、さらにラストはジェット・リー VS. ブレンダン・フレイザーの肉弾戦!
「男なら、拳で勝負だ!」
って感じで無謀にも皇帝を挑発するリックが、すっごく男前で滑稽で最高でした。
いやいや、どう考えても無茶だから!(笑)
しかしこれはブレンダン・フレンザー、天にも昇るような心地だったことでしょうね(笑)。
当然正義は勝つわけでして、ブレンダン・フレイザーも知恵と勇気と根性と、家族の結束で勝利するわけですが、それにしたってジェット・リーが簡単にやられちゃうってのがありえなくって、ショッキングというか珍しいものを観た面白さ。
いや〜これは最高。
最後、ジェット・リーのやられっぷりもお見事。
すばらしい悪役っぷり。おつかれさまでした!
ところで、エヴリン役が、あのムチムチボインなレイチェル・ワイズではなくなってしまったのがちょっと残念。
でもまぁレイチェル・ワイズもアカデミー賞やゴールデングローブ賞の助演女優賞に輝いたりして女優としても脂が乗りましたし、皮下脂肪も乗っちゃったりしてB級アクション映画向きじゃなくなっちゃったかもしれないのでこれはしょうがないかなと(笑)。
序盤、リックと、エヴリンと息子のアレックスがギクシャクしている中で、「私たち、本当の家族って感じがしないわね」 なんてセリフがありますが、あれは狙ってるんでしょうか。
全員初顔合わせなんですから、「そりゃそうでしょうとも!」 って感じで妙に納得してしまったのですが(笑)。
ストーリーは悪と戦うかたわら、家族三人の関係が再生されてゆく過程も描いてゆきます。
最後はハッピーにお互いを認め合ってゆくわけですが、そういった意味ではこの初顔合わせがいいようにリアリティを加えたかもしれませんね。
三人が仲良くなってゆく頃には、ちょうど観客も三人に慣れてくるという、そういうトリックなのかもしれません。
いや、ちょっと強引か?(笑)
しかし中国を舞台として、秦の始皇帝を悪役に、兵馬俑から復活した大軍団と戦うなんてストーリー、よくまぁ中国が許してくれたものですねぇ。
さすがに劇中でジェット・リーのことを秦の始皇帝とは言わないのですが、誰が見たって分かります。
中国らしくない寛容さです(笑)。
真相は知りませんが、かなり脚本には口出しされたのだそうです。
しかし秦の始皇帝がジェット・リー演ずる巨悪で、兵馬俑から無数の兵士が復活するってだけでも最高のショーというものです。
あ、序盤のあのハムシリーズらしくない間延び感は、あれは口出しされたせいなのかな?
ラストはハッピーエンドでキスしておしまい。
もうどこからどこまでも黄金パターンで、突出したところのない作品で、観終わったらまず内容が頭からスッポーンとなくなること請け合いですが、でもそこがいい!
飽きずに安心して観られるすばらしいシリーズです。
さぁ、4はいったいどこに行くのかな?
ところで、私は字幕版で観たんですが、吹き替えで上地雄輔くんが声をあててるってのが話題になってますよね。
キャラがかなり違うんで、いいのか? って思っちゃいましたが、実際観た人はどうだったんでしょうね。
そこはやっぱり本業が役者ですから、しっかり演じてくれちゃったんでしょうか。
個人的には、開き直って羞恥心っぷりを発揮してくれちゃったほうが楽しいと思いますし、それができちゃうのがハムシリーズの気楽さだと思うんですけどね(笑)。
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