原作スティーヴン・キング×監督フランク・ダラボンのゴールデンコンビ第2作。
刑務所を舞台に、とっても素敵な奇跡と出会える死刑囚と看守たちの物語。
主演俳優たちもすばらしいけど、ネズミの名演技がスゴい!
アメリカのとある刑務所に、見上げるような大男の黒人ジョン・コーフィ(マイケル・クラーク・ダンカン)が死刑囚として送られて来た。
コーフィの罪状は恐るべきものだったが、本人はいたって気も小さく優しい心の持ち主で、看守のポール(トム・ハンクス)は疑いを抱き始める。
そしてある日、ポールはコーフィがとても素晴らしい奇跡を起こすのを身をもって体験することになる。
このままゆけば、コーフィは電気椅子に送られてしまうのだが、はたして…。
名作の呼び声も高いグリーンマイルを観てみました。
涙ナシには観られない感動というウワサでしたが、これはやっぱりなかなかに胸に熱い映画でした。
『ショーシャンクの空に』 が積み上げられたものがラストに爆発する最高の感動で、『ミスト』 が理不尽に突き飛ばされて愕然とする最大の衝撃だとすれば、『グリーンマイル』 はしとしとと降り注がれてゆく雨のような感動といったらいいでしょうか。
なんか伝わりにくいですかね(笑)。
優しさが呼ぶ感動の物語といっても、単にお人よしの優しさ、人間愛の優しさに終わらないところがさらにいい。
まずは新人看守のパーシー(ダグ・ハッチソン)が最高の嫌われ役っぷり。
もうアイツを見てブン殴りたくならない人はおらんでしょう(笑)。
囚人たちを乱暴に扱い、残酷に暴力をふるい、人間的な尊厳すら奪ってかえりみない。
州知事の義理の甥ってことを常にふりかざし、看守たちの間でもやりたい放題。
しまいに死刑をこの手で執行したいんだと来た!
このトコトンまでのにくったらしさが最高。
パーシーという人物で、手加減ナシに人間の残酷さを描いているおかげで、この映画はその対極に位置しようとしている人物たちが引き立つんでしょうね。
しかしパーシーのラストは、あれはどう受け取っていいのでしょうか。
ちょっと悩みたくなるラストだなぁと。
それはやっぱり、パーシーのような邪悪な部分をどんな人間も持っているからではないかなと思うのですがどうでしょう。
怖いけど、私の中にもきっとけっこう大きなパーシーがいると思うんだなぁ。
そして、ジョン・コーフィが最高のキャラクターでしたね。
知能が低いんだけど、誰よりも優しい。
「優しい巨人」 ってやっぱりああじゃないと。
TRPG で優しい巨人タイプをよくやる私ですが、いや〜いい演技の勉強になった(マニアックな話題でごめんなさいw)。
あの巨体を見れば、人は恐れて遠ざかるでしょうし、黒人ということで厳しい偏見にさらされてきたことでしょう。
コーフィのここまでの人生を思うと、本当に辛いことばっかりだったろうなって容易に想像できてしまう。
それだけに、なんであんなに純粋で優しいんだろうって。
それこそが奇跡なのじゃなかろうかと。
「飲むコーヒーとはスペルが違うんだ」
出会う人みんなにそういうコーフィ。
バカの一つ覚えなんだけど、そこにあらわれてくる広い広い優しさが大好きだ。
もちろんストーリーも素晴らしいんですが、この映画最大のビックリがネズミの名演技ではないでしょうか(笑)。
ネズミ好きの囚人に飼われて数々の芸を見せてくれるネズミのミスター・ジングルス。
こいつが最高にかわいい。
当初の撮影計画では、ホンモノのネズミの演技は6割程度にして、残りを CG にする予定だったそうなんですね。
ところがアニマル・トレーナーたちの演出があまりに見事で、なんと 99 %が本物のネズミで撮影できちゃったんですって!
あの細かい多彩な演技を、ほぼ全部ナマのネズミがやったんですよ!?
信じられん。
アニマルトレーナー恐るべし!
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