今回は後半に差し掛かる15話〜20話の感想です。
過去感想→1〜8話、9〜14話
劇場版感想→「GHOST IN THE SHELL」、「イノセンス」
ネタバレ注意！
充実しまくりの SAC シリーズ。
物語は中盤になってバリエーションも豊富で大満足。
今回も一話ずつ簡単に触れていきましょう。
第15話 『機械たちの時間 MACHINES DESIRANTES』 は、タチコマ主役回。
情報や経験が常に並列化されたロボットのはずなのに、なぜか各個体が非常に個性的になってきているのがとても不思議。
ここまでくると本当に人間とロボットの境界線なんてあやしいものだよなぁ〜って思いますよね。
タチコマたちがワイワイ討論を繰り広げ、微笑ましくもにぎやかというか騒々しいことこの上ない。
とてもコメディー色の強い魅力的な回です。
それでいながらラストの 「ラボ行き」 は悲しいものが。
しかしその措置があったからこそ、シリーズラストのあの展開があるわけで。
そしてその 「ラボ行き」 の原因となったタチコマらの 「自我の成長」 こそが、最後に非常に重要な鍵となっていたりと、なかなかよく考えられています。
まぁそんな細かいこと抜きに、「バトー専用機〜♪」 とか、かわいらしいこと。
「12話 タチコマの家出」と同様タチコマファン必見の回ですね。
実は J:COM のケーブルテレビで最初に攻殻を観たのがこの回で、そのときはタチコマたちが何を言ってるんだか分からないながらも凄く惹きつけられて、それが攻殻シリーズを観始める最初のきっかけになったのでした。
やっぱ大好きですわこの回。
第16話 『心の隙間 Ag2O』 はバトー主役回。
『第10話 密林航路にうってつけの日』 もそうでしたが、バトーには 「怒り」 と 「悲しみ」 がよく似合います。
見た目はあんなハードでいながら、内面はけっこうナイーブなんですよね。
ときどき子供みたいな一面を見せたり。
そんなギャップのあるバトーが私は一番好きだなぁ。
第17話 『未完成ラブロマンスの真相 ANGELS' SHARE』 は荒巻課長の主役回。
課長の辣腕さが光りまくりで、このひとやっぱスゲーなと再確認。
ルパン三世のようなトリック披露が楽しい、ちょっとオシャレな回ですね。
ラストの課長のロマンスもかっこいいけど、素子の栓抜きはかっこつけすぎです（笑）。
実はこの回とまったく同じトリックの映画をこの間観たばかりだったので、思わず笑ってしまったのですが、ネタバレになっちゃうので何かは秘密です（笑）。
第18話 『暗殺の二重奏 LOST HERITAGE』 は要人暗殺をたくらむ謎の男の正体を追う回。
犯人からの暗号通信で使われる 「俺」 「私」 の“二重奏”が非常に面白い。
電脳を父と子が共有しているのか、それとも一方が一方を吸収したのか、不安定に混ざり合っているだけなのか……。
それはこの時代の科学ですら分からないことなのかも。
暗殺手段の展開も面白く、見せ方が秀逸。
またラストの荒巻がつぶやく言葉 「だがこの歳で親友を二度失うのは堪えるよ」 は胸に響きます。
第19話 『偽装網に抱かれて CAPTIVATED』 はなかなかドキリとする話題 「拉致事件」 がテーマ。
あっという間に拉致犯の拠点を発見してしまうところが笑えてしまいますが、そこはそれ９課が優秀すぎるということで（笑）。
「仕掛けの多いオバチャン」 こと、クルツコワが面白い。
国家のために暗闘し、最後は国家によって都合よく処分されてしまったわけで、悲しいけどそうなるしかないなぁと。
９課のしかけたトラップにひっかかったわけですが、いつかはこうなるべくしてなったことなのかも。
第20話 『消された薬 RE-VIEW』 はひさびさに 「笑い男シリーズ」 が新展開……というか急展開！
トグサは、村井ワクチンの線からNGO組織 「ひまわりの会」 を訪れる、が、そのとたんに襲撃者との銃撃戦に！！
厚生省と非認可薬品とか、生々しい話題で観客の正義の心を刺激しつつ、急転直下のガンアクション。
生身のトグサはこういうときに緊張感を高めますね。
銃弾が外れたか？ と思わせておいてトグサの背中からしっかり流れ出てくる血にドキリとします。
雨の中道路に倒れ伏すと、まわりを雑踏が我関せずと歩いてゆく。
これは悲しい。
この街じゃ、こんなことは日常茶飯事か。
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