2008年07月09日

コミック感想 PSYREN 2

 出ましたサイレン2巻。
 表紙を飾るのは雨宮桜子。
 題字やカバー装丁も1巻とは違って赤を基調としていて若干目立つように。
 これは巻ごとに毎回色を変えてくるんでしょうかね。
 次はヒリューでグリーン系かな。

過去感想 → 1

ネタバレ注意!



 第2巻はアゲハたちが最初のサイレンゲームから生還したところからスタート。
 PSI 修行編を経て、二度目のサイレンゲームで謎の少年が出現するところまでを収録。
 いやぁやっぱりこのマンガは雨宮ありきですな。
 バトルマンガにおいてテンションが下がりがちな修行編を、

「その場から動かずに
 どこでもいいから私の体にタッチしてみて」


 の一言で異様にヒートアップさせてしまいました(笑)。
 年頃の男の子ふたりを修行させるのに、これほどまでに有効な方法が他にありましょうか。
 こんなことを思いついちゃう雨宮ってば恐ろしい子ッ。
 おかげでアゲハ君大暴走。
 とんでもない能力を引き出しちゃいましたが……これはアゲハ君の潜在意識のあらわれに違いありません。
 「極大の穴を開けたい!」 って願望がそのままの能力になっちゃったんですねッ!!ww

 そのほかにも各所で雨宮の魅力爆発。
 「デ・エ・ト」 とかマツリ先生の演奏を聞いてハイテンションとか、ぬいぐるみをつかって 「みんながんばるワーン」 とか(笑)。
 ほんと次々と違った一面を覗かせてくれて面白い。
 もう多重人格なんじゃなかろうかと(笑)。


 また、この巻ではいろいろと秘密があかされましたね。
 単行本でまとめて読み返すと、 「ああそんな情報もあったのか」 とけっこう忘れてることが多かったりで、あらためて違った面が見えてきたり。
 サイレンのゲームの参加者はサイレンドリフト。
 サイレンドリフトはゲームから生還するたびにテレカの度数が減る。
 減る度数はゲームの状況などによって毎度変わる。
 マツリ先生が参加したころは九州で始まったが、そこからゲームのたびに徐々に東へ移動し、今では名古屋近辺。
 次のゲームは2週間以内ということから、おそらくそのくらいのペースでコンスタントにゲームが行われている。
 etc…。

 一度目のサイレンゲームから帰ってきたアゲハらのテレカの度数は 48 となっていました。
 最初のアンケートで度数が1減っていますから、初回のゲームでアゲハらは1度数稼いだことになります。
 難易度で度数が決まっているとするなら、あれが最低レベルということになりますね。
 度数2とか3とか、それこそ10とかになると、いったいどんなゲームになっていくのかなかなか興味深いものがあります。


 ところでちょっと計算してみました。
 今回登場の元サイレンドリフト、八雲祭先生が最初にゲームに巻き込まれたのは2年以上前。
 半年以上前にサイレンドリフトとなった雨宮と一時期行動を共にしていたことから、マツリ先生はクリアするのに最低でも一年半はかかったことになります。
 2週間以内に次のゲームが行われるだろうという言葉から、ためしに平均12日間に1度のゲームと仮定して計算してみますと、年間約30.4回
 マツリ先生は推定45.6回のゲームをこなした計算になります。
 初回のアンケートで1度数減ることも考えると、マツリ先生がゲーム1回で稼いだ平均度数は1.07ポイント
 マツリ先生は50度数を削りきるのに凄いコツコツ苦労したことが推測されます。高得点の時はあまりクリアできなかったんでしょうか。
 あれ、実はマツリ先生たいしたことない?
 それとも最初の頃のサイレンゲームはほとんどが度数1の簡単なゲームだったのでしょうか。

 同じように雨宮も計算してみます。
 現在の雨宮の度数は 3119 ポイント稼いだ計算になります。
 雨宮がサイレンに初参加したのは大阪でのことで、それは半年以上前のこと。
 とすると15.2回以上はゲームを行ったことになり、平均度数は約1.18ポイント
 マツリ先生とほぼ同じ点数となり、このくらいの平均値に、ちょっと信憑性が出てきます。
 これは50ポイント稼ぐのは相当に時間のかかる、しんどいことのようですねぇ。
 しかし、彼女達の能力の高さを思うと、もうちょっと稼いでいてもいいんじゃないだろうかと思うのですが。
 そのへん疑問に思ってしまいます。

 ですが、ちょっと待ってください。
 ここで思い出した事柄がひとつ。
 雨宮は第1巻のサイレンゲームで、アゲハより先に未来にとび、そののちにアゲハが飛んだことで合流したのでした。
 つまり、雨宮は一度帰還に失敗し、次の回に参加したアゲハに助けられて二度目のゲームで帰還したわけです。
 劇中で描かれたわけではありませんが、このとき雨宮のテレカから減った度数は、おそらくアゲハと同じ1ポイントだったのではないでしょうか。
 これがマツリ先生と雨宮の獲得度数の平均が少ない秘密なのではないでしょうかね。

 雨宮らは、ミッションに失敗すると次のゲームのスタート地点を推測し、東に数キロ移動して12日ほど待ったのではないでしょうか。そこで新たに放り込まれてくる参加者と合流し、次のゴール地点での帰還を試みる、というのを何度も繰り返したのではないでしょうか。
 それこそ、失敗を繰り返せば何週間も現代に帰ってこられない、なんてこともあったかもしれません。
 そう想像すると、雨宮さんのあのボロボロの疲弊具合も当然のことだよなぁと思えてきました。
 なんて不憫な。
 そんな壮絶なミッションを何度も繰り返し、失敗するたび次こそはと歯を食いしばり、必死に希望を捨てずに荒野をひとりさまよったのではないでしょうか。
 そしてせっかく合流できた新たなドリフトたちも、全員初参加者ですから雨宮の言うことなど聞いてくれなかったことでしょう。
 皆、金に目がくらんで仲間割れしたり、我先にと争ったり、パニックに陥ったり。
 雨宮の言うことなど邪魔な雑音くらいにしか聞こえなかったのではないでしょうか。
 また雨宮の精神的にもボロボロの状態に、警戒したり無視したりしたってこともあるでしょうね。

「――そう未来…
 私の頭がおかしくなっていなければそーゆーこと…」


 なんて瞳孔開きつつ言われて信じろというほうが無理というものです(笑)。
 いやぁ計算してみて意外な雨宮さんの壮絶な旅が想像されてしまいました。
 マツリ先生もおそらくそんな感じだったのではないでしょうかね。
 マツリ先生は雨宮とはかなり性格が違いますからなかなかしぶとそうですが、ですがその辛さを身を持って知っているだけに、雨宮のことが心配でならかなかったでしょうね。
 雨宮がとても心が弱い娘であることはわかっているでしょうし、

「歯痒い…!!
 私も行く事が出来たら…!!」


 というマツリ先生の言葉が重く響きます。

 また第一巻冒頭、未来でアゲハと再会した雨宮が、アゲハにしがみつきながら、

「アンタ…
 大バカよ…ッ!!!!」


 のセリフがあらためて重く、痛々しく聞こえてくるじゃありませんか。
 どれだけアゲハの登場が雨宮にとって大きな救いであったのか、あらためてズシンと伝わってきます。
 思わず熱く込み上げてくるものがありました。


 今回は雨宮のことばっかり書きましたが、アゲハに 「じゃ またな チビ」 のヒリューとか、新登場のマツリ先生、望月朧、霧崎カブトと、それぞれ味があってニヤニヤさせられる魅力的なキャラクターばかり。
 なかなか役者が揃ってきた巻ですね。
 色々と充実してきて先が楽しみ。

 しかしこのレギュラー陣を残して新参ドリフト全員が死んでいるのはなんとも痛い。
 まぁあんまりキャラを増やしても大変でしょうけど、毎度全滅シーンを観るのは辛いものがありますよね〜。
 とりあえず、アゲハたちは新参たちに説明するマニュアル作成から始めたほうがいいと思うんだなぁ(笑)。
 未来の件とか、信じがたいことは伏せておくとして、とりあえず怪物の危険性を証拠を示しつつ説明して、みんなをまとめることを先にしたほうがいいと思うんですよね〜。
 しかしそこでネックなのが天樹院エルモアがかけた5億の懸賞金。
 あれのおかげでみんな争いあって混乱しているんだから、懸賞金は皮肉にも逆効果かもですなぁ〜。


 オマケとして、今回は赤マル掲載の2ページ漫画が収録。
 これは未チェックだったので嬉しかった。
 アゲハが 「雨宮とデイツ!!!」 と喜び勇んで待ち合わせ場所に行くと、目の前にデーンとヒリュー(笑)。
 結局ドリカム状態で雨宮が休日を好き放題やりたい放題。
 マイペースすぎる雨宮に振り回される男2人というホノボノ日記でした。
 アゲハもヒリューも疲れ果てただけみたいでしたが、いやぁいいじゃん楽しそうだしさ(笑)。
 何よりあの病んだ雨宮さんがおおいにはしゃげたようで何より。
 1巻のあの驚異の病みっぷりを思えば、ずいぶん朗らかになったものだよなぁ〜と嬉しくなります。
 しかし、待ち合わせで手を振る雨宮とか映画館で喜々とする雨宮とかポイント高い高い。



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posted by BOSS at 22:39| Comment(0) | TrackBack(0) | 漫画感想 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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