いやぁ出ているのにぜんぜん気づかず発売よりひと月もスルーしていたバカモノです(笑)。
ところがうまいことに、先日アクセス解析で 「風光る 24巻 感想」 というのが数件来たことで気づかせていただいちゃったんですね。
ブログやってると、こういう利点もあったんですね〜(笑)。
過去感想→23
ネタバレ注意!
表紙のテーマは 「ポジション」 って、わかるか!(笑)
沖田さんの心情が大きく揺れ動いたここ数巻ですから、そういうテーマになったのでしょうね。
今回の表紙はしかしほとんどバカップルなんですが。
なんとも幸せそうにまぁ(笑)。
本編は、いやぁ冒頭から飛ばしてますねぇ、セイ大ピンチ。
坂本龍馬を逃した嫌疑でセイ切腹の危機。
どういうカラクリでこのピンチから逃れるのか頭をひねりましたが、まさかこう来るとは思いもよらなかった。
いわゆる叙述のトリックというヤツでしょうか。
(沖田先生が梅さんを斬る
その事態さえ回避できればいい
お春さんを
沖田先生の手で不幸にしたくない)
そう思いつめて伏見に走ったセイですから、読者としてはすっかり龍馬を逃がすつもりだと思うわけですよね。
セイをみつけた沖田さんもひと目見てそう見抜きます。
捕らえられて進退窮まり、これはもう切り抜けようのない大ピンチ。
このへんの危機感はなかなかです。
今回はこれまでにないくらい緊張感のある追い詰め方だったのではないでしょうか。
それがまさか、セイは自らの手で龍馬を斬るつもりだったとは。
まるで 『チャングムの誓い』 の後半戦でも観ているような感じでしたよ、この切り抜け展開は(笑)。
展開的にも面白かったこのエピソードでしたが、どうもこれ、今までの沖田さんとセイの関係性…それこそ 「ポジション」 が逆転しているような気がするんですね。
今まではセイが沖田さんのやることなすことを誤解したり、理解できなかったりして悩み、泣くポジション関係でした。
そしてそのたびに沖田さんの心情があかされて、またセイが泣くという構図でしたよね。
ところが今回はセイが自分の信念をもって最後までそれを枉げずに貫き通しているんですね。
そのかわりに、沖田さんがセイのことを誤解して心を痛めて苦しんでいる。
セイを信じられずに振り回されて苦しむのが沖田さんの方になっているんですね。
そして最後はそんな自分を振り返り、セイに謝罪。
考えてみれば近藤さんも土方さんも始めからセイのことは疑っていなかったってことは、考えてみれば沖田さんだって気づいてよかったことなんですよね。
それに気づけなかった沖田さんこそ、 「腐ったな沖田」 と(笑)。
まぁそれでも沖田さんもだいぶ成長したものじゃないですか。
そうやって自分を見つめるようになってきたんだから、昔に比べたら大した成長だと思いますよ。
セイはまだまだ危なっかしいスタンドプレイが収まらず、思慮の浅さは目立ちますが、それでもたいした覚悟の持ち主になりました。
まぁセイからスタンドプレイを取ったらセイじゃなくなる気もしますし(笑)。
今度は、そのセイに対する愛情と向き合う決意をした沖田さんが成長する番なんでしょうね。
しかし、沖田さんはセイが切腹するなら自分も指導不行き届きで切腹すると言い、セイも
「でももし沖田先生に何かあったら
私死ぬまで泣き通しますから!」
「一生ついて行きますから!!」
と、まぁ、なんだ。
どっちもベタベタじゃのうオヌシら、エーカゲンニセエヨ!!(笑)
またこれ、いかにも有名な寺田屋事件かと思わせておいて、その前日の隠れたエピソードだったというフェイントがまた上手い。
風呂に入っていたお龍(お春さん)が夜襲に気づいてスッポンポンのまま二階に駆け上がり、龍馬を逃がすというエピソードは有名ですから、どこにセイが絡んでくるのかなと思っていたのですが、すっかり引っかかっちゃいました。
幕末知識の浅さが露呈した瞬間でしたわ(笑)。
さて、物語は後半から過去へと遡り、近藤勇と土方歳三の青春絵巻へ。
なかなかのびやかで多感な青春時代って感じですがすがしい。
近藤さんなんて、今とちっとも変わっていない、というか、正しくは大人になっても子供のままなんですな。
それがあの人の面白いところであり、スゴいところなんでしょう。
思うのは、近藤勇は近藤勇として生まれたが、土方歳三は土方歳三として生まれたのではなく、自分でそうなろうとしてなったのだなぁという事ですね。
この頃の土方さんに、今の鬼副長としての面影はほとんどないですよね。
ふとした時に出るやさしさや、やんちゃなところなどはこの頃のままですが、隊のため、近藤勇のためにあえて厳しく演じる冷徹な仮面は、この頃はまだ持ち合わせていなかったようです。
今まで語られたなかでは、新選組発足の時に 「これからは俺は鬼になるぜー」 的な感じで変わったというような印象を受けていたのですが、はたしてそのきっかけは何であったのか、そこがちょっと気になります。
そのへんは、いつかまた改めて描かれることになるのかな?
ラストは沖田さんの過去編へリンク。
近藤&土方過去編はこれで終わりかな?
次回は第二回目の広島行き。
はたしてその人選やいかに。
毎度毎度面白い巻末オマケ漫画、 「風光る日誌R」 ですが、今回は作者のこのセリフに大笑い。
「私は描いているんじゃない!!
描かせてもらってるんだよ
天界にいる誰かに!!」
様々な人に応援され、奇跡のような出会いに恵まれて作品ができてゆく運命に感動しての言葉のようですが、作者としての自負も半分まざっているんでしょうね。
いや、笑ってしまったのは私、こういうセリフを他のところでもよく目にするなぁ〜って思い出しちゃったんですね。
それは栗本薫の超長編ファンタジー小説 『グイン・サーガ』 のあとがき。
こちらの栗本先生も 「自分がこの話を書いているんじゃない」 「自分は自動筆記マシーンにすぎず、天から降ってくるストーリーをつづってゆくロボットみたいなもんなんだ」 というような、渡辺先生と同じようなコトをよく言っておられました(笑)。
なんだか私、こういうタイプの作者の作品に惹かれる体質でもあるんだろうかと笑っちゃったんですね。
ふたりとも、なんだか強烈な自負を持った個性的な人っていう共通のイメージなのですわ。
作者同士に言わせれば、「ぜんぜんちゃうわ〜ッ!」ってなるのかもですけどね(笑)。
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